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2025
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トレーニングマッチ 東海大学B戦/観戦記

鋭い日差しが照りつけ、夏の訪れを感じさせる早大・上井草グラウンド。B戦を前にC戦、A戦で東海大に勝利していた早大は今日最後となるこの一戦でも白星をもぎ取り、勢いを保って今日を締めくくりたいところだ。

試合が始まると先制点を許した早大Bだったが、持ち前の強固なディフェンスとスクラムを武器に流れをつかみ、逆転に成功。さらにSO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)を中心に、グラウンド全体を使った多彩なアタックで得点を重ね、29-21で前半を終えた。

後半に入っても早大Bは攻撃の手を緩めることなく主導権を握り続ける。終始攻め続けた早大Bは大きなリードを保ち、76-28で東海大Bを圧倒して白星を手にした。

タックラーを外し、インゴールへ走るSO仲山

仲山のキックで幕を開けた今試合。巧みなロングキックでエリアを掌握しながらも、自らのミスで得点に結びつけられない時間が続く。前半10分、東海大Bの連続攻撃から最後はライン際までつながれ、先制点を許してしまう。

さらに前半14分、再び東海大Bが大外への展開でチャンスを作るが、「早稲田のFLとしてのプライド」を胸に掲げたFL狹間大介(スポ3=福岡)が鋭い出足のタックルで流れを断ち切り、LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)がボールをもぎ取る。WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)がライン際を駆け抜けて攻撃の起点を作ると、SH平塚英一朗(法3=東京・早実)の素早い玉捌きからCTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)がゴールラインをこじ開けた。

続く前半18分、早大Bのセンタースクラムから仲山のパスを受け取ったCTB佐々木豪正(文3=東京・早実)がディフェンスラインを切り裂き、インゴールへ滑り込む。仲山がゴールキックを冷静に決め、12-7と逆転に成功した。

前半30分、福島がディフェンスラインをこじ開け起点を作ると、平塚から仲山にボールがつながり、最後はロングパスを受け取った田中がグラウンディング。

前半33分、東海大Bにリードを許すが、その直後の34分、FB髙栁壮史(創理4=東京・早大学院)が果敢なラインブレイクを見せ、No.8玉川皇一(創理4=東京・青山学院)が突破口を作る。「FWとBKが前に出てくれて、しっかり前のスペースを見れた」と語る仲山が目の前のギャップを見逃さず、インゴールへ飛び込んだ。

さらに前半終了間際、早大Bがスティールで相手の反則を誘発すると、平塚が素早く反応して速攻を仕掛け、最後は福島がゴールラインを叩き割った。両者譲らない一進一退の攻防の中、早大Bがわずかにリードを奪い、29-21で前半を終えた。

タックラーをジャンプでかわすWTB髙栁

後半に入ってからも早大Bは攻撃の手を緩めることなく、試合の主導権を握り続ける。後半5分、仲山のキックで敵陣深くに攻め込むと、スクラムでペナルティーを獲得。SH大賀雅仁(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が素早く展開し、ボールはPR平山風希(スポ1=大分東明)へ。平山は力強い突進で次々とディフェンスを弾き飛ばし、ゴールラインにボールを叩き込んだ。仲山が左隅からの難しいゴールを沈め、36-21とリードを広げる。

続く後半15分、東海大Bにゴールラインまで攻め込まれるが、15人が連動した粘り強い守備で得点を許さない。直後のスクラムで東海大Bを圧倒して反則を奪うと、一気に敵陣へ流れを引き寄せる。髙栁のリターンパスを受けたCTB山口滉太郎(教1=東京・早実)が鋭く突破し、最後はWTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)がライン際を駆け抜けた。

勢いに乗る早大Bは後半18分に仲山、25分に佐々木、28分には再び仲山がこの日3本目のトライを決める。

さらに後半30分、HO野口大雅(文構3=東京・早実)がモールから力強く飛び込み得点を追加。

試合終盤、東海大Bに1本返されるが、後半35分には相手のミスボールに田中が素早く反応し、最後のトライを奪取。仲山が確実にゴールを決め、76-28と大量得点で試合を締めくくった。

オフロードパスを放るFL狹間

仲山、福島、田中が安定感のあるプレーを見せる中、LO宮川侑大(スポ1=富山・砺波)、平山、山口といった若手も存在感を発揮した。

中でも圧巻のパフォーマンスを見せたのは狹間だ。ピンチの場面では相手の攻撃の芽を摘む鋭いタックルを連発し、80分間にわたってグラウンドには狭間の味方を鼓舞する声が響き渡った。試合のテーマである「早稲田プライド」、そして自身が掲げる「早稲田のFL」を見事に体現してみせた。

才能ある選手が揃う早大Bは激しいメンバー争いを繰り広げ、早大の選手層の厚さを印象づける。全ては『赤黒』のために。憧れのジャージを掴み取るため、彼らは足掻き続ける。

記事:大林祐太 写真:安藤香穂、吉田さとみ、山口直泰(早稲田スポーツ新聞会)