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2025
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トレーニングマッチ 近畿大学戦/観戦記

多くの観客が詰めかけた帝京大との熱戦から3日。早大・菅平グラウンドでは、早大CDと近大の一戦が行われた。
試合は開始4分、左右へ大きく展開したアタックから早大CDが先制トライ。その後もスクラムで圧倒し、14-5で前半を終えた。
しかし後半に入ると、近大が連続トライで逆転し、14-17と苦しい展開に。このまま近大のペースに呑まれるかと思われたが、早大CDが持ち前のスクラムで流れを取り返し、一気に反撃。立て続けに4トライを重ね、最終スコア40-24で近大を下した。

タックラーを引きずりながらゲインするCTB山口

早大CDのキックオフで幕を開けた今試合。序盤からグラウンドを大きく使った攻撃で主導権を握った早大CDは、早々に先制点を奪う。前半4分、FL谷司馬人(教4=東京・早実)が鋭いステップで相手を交わし、ディフェンスのギャップを突くと、WTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)がビックゲイン。ゴール前ではFWがフェーズを重ね、最後は右サイドでパスを受けたCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)がグラウンディングした。

その後もスクラムで近大を圧倒し、敵陣奥深くまで攻め込むも、アタックでのミスからなかなか得点に結びつけることができない。それでも20分、スクラムでのペナルティーから敵陣5メートルのラインアウトを獲得した早大CD。モールで力強くドライブし、HO真田稜大(教4=東京・早実)がインゴールをこじ開けた。SO池山昂佑(商3=東京・早実)のコンバージョンキックも決まり、スコアは14-0に。
勢いに乗りたい早大CDだったが、30分、ディフェンスラインの乱れを突かれ失点。前半終了間際も、ペナルティーが重なり、自陣でのプレーを強いられる時間が続く。しかし、谷を始めとするFW陣の体を張ったディフェンスで耐え凌ぎ、14-5とリードして前半を折り返す。

ボールを追うFL谷

迎えた後半は、一転して近大ペースで試合が進む。開始わずか1分、ノットロールアウェイの反則から自陣深くでのラインアウトを許した早大CDは、そのままモールで押し込まれ、後半の先制点を奪われる。
さらに11分には、ラインアウトを起点とした攻撃からディフェンスの隙を突かれ、トライを奪われる。スコアは14-17となり、逆転を許した。それでもここから早大CDが反撃に転じる。14分、敵陣ゴール前で近大のオフサイドを誘発すると、クイックスタートからSH宮下羚(文構2=東京・早実)が素早くボールをさばく。CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)が左サイドへ飛び込み、トライをあげた。
23分には、ラインアウトモールから真田が追加点。そして27分には、近大のハイタックルの反則で得たラインアウトから左へテンポ良く展開。FL山田凜太(法3=茨城・茗渓学園)、PR蜂谷謙介(基理4=東京・早大学院)、山口へとつなぎ、最後はFB小野晏瑚(スポ1=徳島・城東)が左ライン際を駆け上がってトライ。35-17と、リードを大きく広げた。

勢い止まらぬ早大CDは、34分にも攻撃を継続。左右に展開しながらFWが体を当て続け、確実に陣地を進めると、FL狹間大介(スポ3=福岡)が相手に絡まれながら力強くゲインし、そのままインゴールを叩き割った。
試合終了間際に1トライを返されるも、リードを守り切った早大CD。最終スコア40-24で勝利を収めた。

ディフェンスに仕掛けるPR成戸

ゲームキャプテンの谷が「ペナルティーが多かった」と課題を口にしたように、ミスから得点に繋がらない時間が長く続いた早大CD。それでも、注力してきたスクラムで流れを手繰り寄せ、勝利をつかんだことは大きな収穫だ。
「毎試合で成長し、上のカテゴリーでプレーできるように頑張りたい」(山口)。この現状に満足することなく、『赤黒』を目指す選手たちの活躍はチームのスタンダードを押し上げてくれることだろう。「言葉ではなく行動、つまり背中で」(PR成戸風太、スポ4=埼玉・川越東)結果を示す姿にも期待したい。

記事:安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会) 写真:早大ラグビー蹴球部提供