上井草で行われた帝京大との3連戦。その最終決戦となるC戦は、D戦、ジュニア選手権とともに帝京大を下し、早大に追い風が吹く中で迎えることとなった。11月上旬に帝京大からの4連敗を喫した早大はここで3連勝を奪い、因縁の相手にプレッシャーを与えたい場面。前半から早大Cは果敢に攻撃を仕掛け、先制点を奪う。これで勢いづいた早大Cは前半だけで5トライを挙げる猛攻で帝京大Cを圧倒する。変わって後半、この日初めてのトライを奪われるもすぐに取り返し、点差を戻す。途中、ピンチの場面を迎えながらも堅い守備で乗り切った早大Cは41-7で勝利。前回の雪辱を晴らした。

早大Cボールから始まった今試合。開始の笛とともに早大Cからの強いプレッシャーを受けた帝京大Cはボールを外に蹴りだし、陣地を戻す。そこから得たファーストラインアウトを確実に確保した早大C。SO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)の正確無比な右足から繰り出されたボールは相手のゴール前でバウンドしてタッチへ。50:22でマイボールラインアウトの好機を演出する。ボールを保持した早大CはモールからBKに展開。逆目で準備していたHO真田稜大(教4=東京・早実)のオフロードパスから仲山がギャップに走り込み、最後は多田陽道(商2=東京・早実)がインゴールに飛び込んだ。
12分には相手の蹴ったハイパントをSH宮下羚(文構2=東京・早実)がキャッチ。見事なステップで帝京大Cの守備を往なすと、外からフォローに回っていたNo.8龍康之助(文構2=東京・早大学院)にボールが渡る。そのまま30メートルを独走してダイビングトライを挙げた。ゴールは外れたものの12-0とリード。
19分には早大の犯したペナルティーから自陣深くまで攻め込まれ、ピンチを迎える。しかし鉄壁のディフェンスでゴールラインを明け渡さず、この場をしのいだ。22分、29分にはWTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏) が2つのトライに関わる好プレー、37分にはFB髙栁壮史(創理4=東京・早大学院) がチームを救うタックルで見せ場を作った。髙栁の活躍もあり、帝京大Cを無得点に抑えた早大Cは27-0で前半を折り返す。

後半が始まると帝京大Cが一気にギアを上げる。早大Cも粘りを見せるが16分、ゴール手前のペナルティーを起点に、相手FWのパワーに押し切られる形でトライを許す。取り返したい早大はCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)が相手のタックルをうまくかわして前進するとピックアンドゴーで持ち込んだLO宮川侑大(スポ1=富山・砺波)がゴールをたたき割る。1年生コンビで帝京大の壁を打ち破った。
37分には交代で入ったSH平塚英一朗(法3=東京・早実)がタックルを受けながらも前進。素早くボールを回し、 仲山が走り切ってトライ。早大Cは後半終了間際にも相手陣深く攻め込むが得点にはつながらず。しかし、終始流れを渡さなかった早大は最終スコア41-7で帝京大Cに圧勝。前回のリベンジを果たした早大Cは、D戦・ジュニア戦も含めての3戦3勝で帝京大との対決を締めくくった。

テンポの速い攻撃と個々の持つポテンシャルで必ず前に出る攻撃を仕掛けた早大C。一方、この圧勝を実現したのはピンチの局面で得点の芽を摘む堅実なディフェンスにあった。絶対に勝つという気持ちを前面に出した守備は見る者の目を奪った。
それは同じチームの選手も例外ではないはずだ。それぞれのカテゴリーで刺激を与え合い、相乗効果をもたらした早大はいよいよ今週、関東大学対抗戦優勝を決める早明戦へ挑む。最高の形で迎えるこの一戦を見逃すな。
記事:髙木颯人(早稲田スポーツ新聞会) 写真:早稲田大学ラグビー蹴球部
