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2024

対帝京大戦・観戦記

対帝京大戦・観戦記

この日の相手はシーズン前から最初のターゲットにしてきた強豪・帝京大。対抗戦最初のヤマ、さらには昨シーズン敗れているということもあり選手たちにはただならぬ緊張感のなか試合に臨んだ。<HP委員疋>


この日の焦点はワセダのアタック対帝京大のディフェンス。相手のディフェンスは大学一との呼び声高く、アタックに自信を持つワセダでも「そう簡単にはトライを取れないのでは」という雰囲気が漂っていた。
しかし開始4分、この不安をあっさりと吹き飛ばすビッグプレーが飛び出す。ワセダは相手が蹴りこんできたキックから果敢にカウンターアタック。自陣10mライン上でボールを受けたWTB仲山聡(3年)が次々に相手を交わし中央にトライを決めた。11分にキック処理のミスからトライを返されるも、ワセダも激しく応戦。28分にはペナルティーからSH田原耕太郎(4年)が素早く仕掛け、NO・8佐藤喬輔がトライ。完全に勢いに乗ると36分にはプロップ安藤敬介(4年)の縦突破からSO大田尾竜彦(2年)がトライを決め、19-8。ほとんどの時間ボールを支配し前半を折り返した。
後半も開始からボールを支配し、しつこく攻撃を仕掛けるが、ノットリリースザボールを始めミスを連発。敵陣に行ってはミスで自陣に戻されるという苦しい展開となってしまう。18分には追い討ちをかけるようにNO・8佐藤が度重なるノットリリースザボールによりシンビン。その直後にゴール前でのFW戦からトライを許し19-13に詰め寄られてしまう。しかもここから10分間は14人での戦い。暗雲が立ち込めた。
しかしここからワセダも粘りを発揮。「14人になってかえってがんばった」(安藤)と言うようにチームがひとつになって相手の攻撃をペナルティーゴール1本に抑えこんだ。この場面中心となったのはやはりフランカー羽生憲久(3年)。今日はこれにもうひとりのフランカー川上力也(2年)も加わり、2人で激しいタックルを連発。ディフェンス力がウリの仕事人2人が見事にその役目を果たした。この場面を凌ぎきり15人に戻ると再び流れはワセダへ。
ペナルティーゴールで3点を追加し引き離すと、ロスタイムに連続攻撃からラインに残っていたプロップ伊藤雄大(1年)が駄目押しのトライ。27-16とし相手の息の根を止めた。
継続しながらのミスが多く決して満足できる内容ではない。しかしこの試合で大事だったのは「内容よりも結果」。苦しみはしたが、まずは対抗戦最初のヤマを乗り越えた。

<目標は50点。ちょっとご不満清宮監督>
「負ける要素はない。50点くらい取って勝つ」。周囲のピリピリムードをよそに、清宮監督は自信満々でこの日の試合に臨んでいた。しかし前半こそいいプレーを見せたものの後半に入ると失速。なかなか点を取れなかったもどかしい展開を振り返り、試合後には「今日のアタックでは50点は取れないね」と渋い顔。思いどおりに事が運ばず、ちょっぴり不満気な様子だった。しかし「選手には自信になったんじゃないかな」とも。ともあれ今日の勝利に手応えは感じているようだ。そして最後に一言、「次のターゲットは慶応」。そう言い放つ指揮官の目は鋭く光っていた。

<左京主将試合後のコメント>
「シーズン前からずっと帝京を意識してきた。2年生以上は昨年悔しい思いをしたし。相手を振り回すのは作戦どおりだったけれど、途中から思ったようにいかなかった。内容はよくなかったと思う。シンビンで14人になった時は流れも向こうにあったので、ここが耐え時だと思った。今日の勝ちは自信になる。これでまた次からいい感じでできると思う」

<安定したスクラムを支えた安藤>
「帝京ということは自分は特に意識しなかった。昨年負けたとかではなくて、関東学院といい試合をしていたので勝ちたいと思っていた。前半は意図どおりのプレーができて後半はそのウラのプレーでいきたかったけど、サポートが遅れてしまいうまくいかなかった。スクラムはそれほど強くはなかった。うまく組めたと思う。(トライにつながる突破について)あれはまぐれです(笑)。今日の勝利は自信になった。これで波に乗れる。課題は継続でのミスが多いことです」

<シンビンになるも奮闘した佐藤>
「シンビンはチームにノットリリースが続いたときに、レフリーから『次やったらカードを出すよ』と言われ、その後に自分ががしてしまったからです。本当にチームに申し訳ないことをした。僕のせいです。運動量が落ちてしまったけれど要所で仕事はできたと思います。セットプレーもよかった。今日は攻められてもそんなに怖くはなかった。手応えをつかめる試合だったと思う。これで慶応、明治戦も自信をもって臨める」

<随所にうまさを見せたSH田原>
「昨年までは帝京戦までに強い相手との対戦がなくて締めきれない部分があったけれど、今年は大東文化と予行演習的な試合ができたのでそれがよかったのだと思う。前に出たときはよいテンポでできたけど、後半中だるみしてしまった。これからは少ないボールでいかにテンポよくいけるかが大事。ディフェンスはスパ―ンと抜かれたのはなかったけれど、モールは課題だと思う。今日は自信になったし、チームはいい感じできている」

<激しいコンタクトを見せたロック高森雅和>
「今まではアップで上げきれずにフワーッとした感じで試合に入っていた部分があったので、今日はそれをどうにかしたかった。監督からも思い切りいけと言われ、今日はみんなで意識高められた。練習の成果もでたと思います。あと2つ勝って慶応も潰します」