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2024

対東大戦観戦記

 待ちに待った対抗戦がいよいよ開幕。悲願の大学王座奪回へ向け、夏に逆戻りしたかのような暑さのなか、東大と対戦した。<HP委員 疋田拡>


 スキッパー・大悟のトライが頂点への第一歩となった。開始3分、記念すべき『山下組』ファーストトライを主将自らがゲット。これを合図に『ULTIMATE CRUSH』がスタートした。
 早大は対抗戦開幕を祝うかのようにド派手なトライショーを展開。相手のシャローディフェンスをもろともせず、次々とゴールラインを陥れた。3分に1本のペースでトライを量産するアタック力はまさに圧巻の一言。80分間集中力を切らすことなく、縦横無尽にグラウンドを駆け回った。
 そのあまりの猛攻に清宮監督から「ペナルティーはハリーでいくな」との指示が出るほど。「FWで取るか、BKで取るか」の指示もでるなど、思うようにゲームをコントロールした。
 まさにアタックオンリーとも言うべき展開で光を放ったのが、CTB豊山寛(2年)。相手のギャップを巧みに突き、おもしろいようにゲインラインを突破。山下主将にも「接近戦で豊山が前に出てくれて助かった」と言わしめる程の活躍で、自身の赤黒デビューに華を添えた。
 新たな新星の誕生に、チームのムードも急上昇。唯一絶対の目標『大学日本一』へ向け、『山下組』が大きくそして確実な第一歩を踏み出した。

<早大史上最多得点に満足気な表情を浮かべた清宮監督>
「今日は対抗戦初戦ということもあり、それぞれに目標を与えて試合に臨んだ。集中力もあったし、ミスもそんなに多くなかったと思う。何点取れとか何点以下に抑えろとかそういう目標ではなくて、ボール継続の部分やハンドリングエラーをしないということを頭に置いてやった。メンバーはセレクトしている段階。今の布陣がベストという訳ではない。もちろん赤黒は着るけれど、11月までは練習試合みたいなイメージ。色々と試しながらやっていく。11月の最初、帝京戦に向けてチームを作っていく。(途中からトライの取り方を指示していたが)まあFW、BK順番に取らないと。156点も取れればいいでしょ。足をつっている奴がいたけれどしょうがない。今日はいいランニングトレーニングになりました」

<昨年に引き続き対抗戦ファーストトライを挙げた山下主将>
「今日はただ勝つというだけではなくて、目的意識をもってやった。ミスも少なくてよかったと思う。対抗戦が開幕してここで成長しないとその先がない。オックスフォード、法政とやって悪かったところを自分たちで考えて練習してきたので、その成果をだそうとみんなで話していた。意識を高く持ってできたと思う。ビッグゲームで勝たないと意味がないし、そこで勝てるように一戦一戦成長していきたい。今日は色々な形でトライできてよかったと思う。対抗戦は優勝はもちろん、1試合1試合大切に戦っていきたい。昨年より進化した姿を見てください」

<久々のAチームでの出場となったフッカー竹本佳正(3年)>「オックスフォード、法政と出番がなかったから、やっと第一歩を踏み出せた感じ。出たくてうずうずしていた。出ないと成長もできないですから。今日は自分で行くのではなくて、ブレイクダウンのところで仕事をしてボールを出そうと思っていた。(ワセダのフッカーで一番強いとも言われている)スクラムには自信がある。セットプレーと基本プレーの精度を上げていきたい。アタックの方が得意ですけど、阿部さんもそこは得意なんですよね(笑)。意識しますよ。競争する相手がいた方が力も上がりますし。16番は好きじゃないし、最後には僕が上に上がります。ボール持って走れる奴はたくさんいるので、そいつらを走らせられるような仕事をしていきたい。今年こそレギュラーにならないと。最後の年のつもりでやっている。力也も竜彦もチームの中心だし、山田や山岡だって活躍している。そいつらに負けないように自分もがんばります。今年は『ULTIMATE』で。明治も強いですけど、今年は頭からガツンと叩きたいです。ファンの人は昨年みたいな方が面白いんでしょうけど(笑)。先発フル出場が僕のラグビー。今年出るのは僕です」

<華麗な赤黒デビューを飾った豊山>
「今日はかなり緊張しました。緊張のあまり足がつってしまいました。スタメンだと言われたときはビックリしました。でもチャンスなんでがんばろうと。今日はチームで同じ人が何度もハンドリングミスしないようにと言われていたのに、自分が2,3回してしまったのが悔やまれる。竜彦さんや大悟さんにうまくリードしてもらった。そりゃ、栄次を意識しますよ。いつも自分が抜いて試合に出てやると思ってました。ライバルがいることはいいことだと思います。自分は粘り強さでアピールしていきたいです。今年はAチームに定着して赤黒を着続けられる存在になりたいです。今年の目標は栄次を抜くことです。あいつががんばっているから自分もがんばろうという風に2年生はお互いを意識し合っていると思いますよ」