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2024

対帝京大戦・観戦記

 「今日の試合に満足している奴はいないと思いますよ」(大田尾竜彦主将)。64-19。昨年度大学選手権ベスト4・帝京大から10トライを奪う快勝劇にも、笑顔を見せる者などいなかった。
 開始早々の8分、CTB菊池和気(3年)の好アシストからFB小吹和也(2年)がトライを挙げると、そこから立て続けに3トライを奪取(22-0)。一気に畳み掛ける強さ。スコア上は、昨シーズンと何ら変わらぬ『ULTIMATE CRUSH』が展開された。しかし、「激しさ、強さが足りない。タックルにひとりしか行かないし、弱い。ダウンボールをきれいにされすぎ」(清宮監督)と言うように、誰もが納得のNZU戦とは比べ物にならないほどの低調なパフォーマンス。要所でターンオーバーを許した上に、ブレイクダウンでの甘さ、アタックでのコミュニケーション不足(オーバーラップの状態を作りながらインターセプトを献上)から前半終了間際に連続トライを許すなど(22-12)、どこかピリッとしない試合展開となってしまった。
 このもどかしい雰囲気を吹き飛ばしたのが、三角公志、池上真介(ともにCTB、後半から出場)、小吹和也の2年生BKトリオ。相手を引き付けたSO大田尾への素早い寄りに、裏に抜け出したランナーへの迅速な反応。それぞれが自慢の瞬発力を存分に発揮し、実にスピード感溢れるアタックを繰り広げた。これぞ『2003年度版ワセダアタック』。「メンバーが変わったことでこれまでにはなかったような形でトライが取れたね」。これには清宮監督も満足気な笑顔を浮かべた。
 全体的には不満の残る内容ながら、2年生BK陣の活躍という新たな収穫もギッシリ。「リザーブが出た後半に点差を離せたのはよかったですね。まだまだこれからですよ」とはチームを率いる大田尾主将。夢のジャパンカップベスト4へ。ワセダの歩みはまだ始まったばかりだ。<HP委員 疋田拡>

<貫禄十分のプレーで勝利を手繰り寄せた大田尾主将>
「今日は全体的にあまり動けていなかった。NZU戦からメンバーが半分変わっても、特には気にならなかった。色々なメンバーが経験を積むという意味では今日はよかったと思う。和也はあれくらいできて当り前。3回くらいノックオンしたし、もっとやれると思う。帝京はシーズンを戦う上で難敵のひとつだし、目安になるチームなので、勝てたのはよかった。今日対戦してみて、何となく帝京のやりたいことが分かった。うちはまだほとんど何もしていないし、昨年の財産で戦っている状態。この時期にアタックはやれなくてもいいけど、ディフェンスはもっとできなければダメ。もっとタックルにいかないとダメですね」

<初めてAチームでの出場を果たした菊池和気>
「僕は緊張しいなんで、今日はとても緊張しました。やりたいプレーは全然できなかったです。インターセプトはやっちゃったって感じでした。周りが見えてなかったです。反省してます。今年はセブンズで自信も付いたし、課題もはっきりしているので、本格的に上を目指す1年にしたい。ディフェンスもコンタクトも結構いけたので、もっと声を出せるようにしていきたいです」

<攻守にチームを引っ張ったフランカー松本允>
「今日はみんな重い感じで、動けてなかったです。ランナーに入れなかったし、スイ-プも遅かった。NZUのときの方より意識が低かったです。自分としてはいいアタックができたと思います。ドライブすることを意識して、相手のディフェンスも空いていたので、いいゲインをすることができた。ワセダのラグビーに慣れて、アタックに少し余裕が持てるようになりましたね。高校の時はアタックばかりしていたんですよ。それがいつのまにかタックルする人みたいに言われるようになって…。今日はポイントポイントは仕事ができましたけど、昨年の羽生さんと力也さんと比べると、まだまだです。2人は2回に1回は仕事をしていましたけど、自分はまだ休んでいるところが多いので。タックルもスイ-プもまだまだですね」

<ゲームブレーカー・『きんにくん』こと池上真介>
「初めてのAチームでの試合はとっても楽しかったです。実はめちゃくちゃ緊張していたんですけど、最初のノックオンでほぐれましたね。(後半)最初のプレーで自分を使ってくれた竜彦さんがノックオンした時に、これで緊張がほぐれただろって言ってくれて、すごく愛情を感じました(笑)あれで思い切ってやれました。三角も和也もがんばっているので、自分も負けないようにという気持ちです。今年は強くて速くて、確実にゲインが切れる、周りの信頼を得られるようなプレーヤーになっていきたいですね。今年はチャンスだと思うので、がんばります。今日で少し自信がつきました」

<清宮監督に感謝!ついに赤黒デビューを果たした三角公志>
「今日は赤黒を着ることができてうれしかったです。やっぱり全然違いますね。竜彦さんの行く通りに動いたら、いいところにボールを放ってくれました。昨年は本当に苦しかったです。夏合宿に清宮さんが付きっきりで、練習を見てくれたおかげです。感謝しています。腹筋に競輪選手並みのバイク。あの時の苦しみがあるから今の自分がある。あの時のことを思えば、今は苦しい練習をしても平気です。入学した時は95,6キロだったんですけど、今は82,3キロにまで絞れました。高校の時はあまり走っていなかったので。今年はチャンスだと思うので、レギュラー目指してがんばっていきたいです。大悟(山下=前年度主将)さんみたいなランができて、耕太郎(田原=前年度SH)さんみたいなパスが放れるプレーヤーになっていきたいです。2年生には負けられないですし、僕は全員2年生で試合に出たいとも思っています。できれば(高校で同期の)南薗とももう一度コンビを組みたいですね」