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2024

対筑波大 雨ニモ負ケズ対抗戦26連勝!


 「プールで練習でもしようかなと」(清宮監督)。「ワセダのどこに雨男がいるのか、今検証しているところです」(副将・後藤翔太)―。対抗戦折り返しとなる4戦目は、またしても雨との戦い。赤黒VSお天道様第2ラウンド。リベンジを誓う『諸岡組』が、僅かながら学習の成果を発揮した。「今日は本当にまぁまぁ、といった感じの試合です…」(主将・諸岡省吾)。
 この日のターゲットは密集の「ド真ん中」。ピックいきたい放題、球出し放題。「真ん中を攻めても攻めても、相手は横に広がってきたから…」(副将・桑江崇行)。素早い戻りで目一杯広がる相手に対し、スマートな展開は不要。タテ、タテ、「タテ」、ヨコ。「余りにポンポン球が出過ぎて戸惑った」(SH後藤翔太)と言うほど軽快なアタックで、『最強』FWがひたすら前へ出続けた。
 その推進力はいつもながらに内橋、桑江のツインタワー(ラインの大外で内橋から桑江へとつなぐスーパートライも!)、そして21歳のバースデーを迎えた不動のNO8・佐々木隆道。オールウェイズ、ハイパフォーマンス。「とにかく今年はみんな決勝しか見ていないですから…」(佐々木)。ワセダとしてこのくらいは当然、マストのレベル。同じ大学生とは思えない、群を抜く圧倒的な存在感で、この日も淡々とその責務をまっとうしてみせた。
 「最後はちょっと疲れていたし、もっと集中して、締めていかないといけなかった」(主将・諸岡省吾)と反省した様に、チーム全体としては、まだまだ納得できる内容でなかったものの、WTB勝田譲の戦術眼、久々に見せるプロップ畠山健介の『寄り切り』、そして『矢富イリュージョン』赤黒編×2(攻める方向、テンポ、ディフェンスの人数一切関係なし…)など、この先の本番へ向け明るい材料も散見。まだまだ余力を残しながら、赤黒タイ記録となる対抗戦26連勝(引き分けを含む記録となると、1969~77年の60連勝が最多)を達成した。
 そして週明け火曜日にはついに、トップリーグ・東芝府中ブレイブルーパスへの出稽古を初敢行。「自分たちのどこが通用して、どこが通用しないのかを実感してこの先に生かしたい。今トップリーグで1番のチームにどれだけできるのか楽しみですね」(主将・諸岡省吾)。To be the 『ULTIMATE CRUSHER』。誇り高き赤黒軍団が、ついに確変モードに突入する…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<赤黒タイ記録、対抗戦26連勝を成し遂げた清宮監督>
「今日は雨の中、相手の弱いところを攻めるゲームプランで試合に臨んだ。やろうとしたことは大体できたけれど、ハンドリングのところで簡単なミスが出てしまった。本番で雨が降ったらどうするんだという感じ。プールで練習でもしようかなと(笑)。最後の方はタックルが少し甘く、高くなっていた。筑波のSOもずっといいキック蹴っていたけれど、最後は意図どおりのキックではなかったはず。ワセダの選手に当たってうまく胸元に入ってしまった。あれはうまいことキックにやられたなと。ただその前からトライを取られる伏線はあったので、次へのいい糧としていきたい。それ以外の場面でもオフサイドを3回ほど取られたので、そこはすぐにでも修正したいし、いくつか見えた受けのタックルも修正しなくてはいけない。まぁディフェンスは100%満足するということは、どんな試合でもないとは思いますけれど…。BKは試合毎に入れ替わっているけれど、戦うメンバーはほぼ決まっているし、戦うイメージも持てている。どの選手が出るかによってやることが変わってくる面もあるけれど、メンバーが誰で、どういったラグビーをするかというイメージは固まっている。これからメンバーも戻ってくるし、心配はしていない。もちろん、SOなどポジションを争っているようなところは、お互いに競争して、よくなっていけばいいなと思っている。WTBに菅野を使った(前週のCチームよりジャンプアップ)のはスピードがあって、どこかで化ける可能性を秘めているから。どこかで経験を積ませてあげたいと思っていた。これまではケガやレベルに達していないことでなかなか機会がなかったけれど、今日はいいチャンスだと思って起用した」


<より一層の引き締めを誓う主将・諸岡省吾>
「今日はBKよりも、むしろFWのハンドリングミスの方が多かった。FWの方が簡単なプレーをしているのだからミスは失くさなくてはいけないし、BKはある程度しょうがない面もあるけれど、それでもまだちょっと多かった。そういったミスがもし決勝で出たらそれで負けてしまう。そういったところをもっと意識して、それぞれが自覚を持ってやっていかなくてはいけない。ただその中でしっかりと反応して、ノックオンなどのミスをキッカケにした大きなピンチを招かなかったのはよかったのかなと。最後のトライはちょっと疲れていた。あそこはもっと集中して、締めていかないといけなかった。今日はそこが1番の反省。モールは雨の中比較的まとまって、よく組めたとは思う。今日で対抗戦も折り返し。これからの本番に向けていいゲームをしようとみんなには話していた。単純なミスがなければもっといい試合になったと思うんですけど…。本当にまぁまぁといった感じの試合。対抗戦の終盤に向けては、練習からもっと厳しさを持って、気持ちの入った練習をして、いい形を作り上げていければと思う。東芝との練習は楽しみです。まずFWはスクラムとモールなど、セットの精度アップを図るために思い切りぶつかって、自分たちのどこが通用して、どこが通用しないかを実感して、これからに生かしていきたい。今トップリーグで1番のチームに自分たちがどのくらいできるのか、楽しみですね」


<この日もトップリーグ級の動きでチームを牽引した副将・桑江崇行>
「青学戦の反省を踏まえた戦いができたかは…、よく分からないです。余りできていないですかね。みなさんの見た通りです。もうちょっとリフターがモールの前線で強く戦わなくてはいけなかったし、相手が3人くらいしか入ってきていないのに簡単にボールを出してしまっていた。自分たちの意思で拘らないといけないところで、そうしきれなかったところが反省点。これから先は比較的FWが強くなってくるので、もっと自分たちで拘っていかないといけない。今日は真ん中を攻めても攻めても、それでも相手が横に広がってくるので、行きたい放題だった。ブレイクダウンでも一回もターンオーバーされていないと言うほど、球が出し放題だったし、FWはしっかりと意識してそこを攻められたと思う。明々後日の東芝との練習は、FWにとっていい転換期にできるように、みんなでしっかりと合わせていきたい。とても楽しみです」


<1本のトライを悔やむ副将・後藤翔太>
「ワセダのどこに雨男がいるのか、今検証しているところです(笑)。今日は攻め方はまずまずよかったと思うけれど、FW、BKともにハンドリングエラーが多々でてしまい、そこが反省点。あとは最後に1本取られてしまったのが、悔しくてしょうがない。この間の試合よりは、いい形でアタックができたけれど、とにかく(ブレイクダウンで)球が出すぎてしまって、これは試合じゃなくて練習のリズムだなという感じだった。ひとりひとりがもっと立ってつなげればよかった。もちろん、雨で難しいというのはあったけれど、ラックにするのではなくて、ひとりひとりがもっと力強く、立ってプレーする。あとは2人目の寄りをもっと意識していかなくてはいけないなと。今日はポンポン出過ぎてうまくアタックできないことが多かった。矢富はやっぱりスゴイなぁと。最近自分もあいつの走るコース、ここいけば抜けるんだというコースは分かってきたんですけど、あの強さはマネできないですね。スクラムから拾ってWTBを交わしていったのは理想のコース。今日も入ってすぐトライを取ったし、矢富の存在はずっと刺激になってます。帝京、早慶、早明と続いていくけれど、今までよりディフェンスの仕方とか慣れている分、これからの相手の方がやりやすい面もある。SHとしては腕の見せ所。こちらからどんどん仕掛けていって、受けない展開にもっていければと。今は毎日自分の成長を実感できているので、さらにもう一伸び、二伸びしていきたい。和気でも栄次でも、自分はSOのやりやすいように合わせていくだけです」


<21歳のバースデーを自らのトライで祝ったNO8佐々木隆道>
「やっぱり課題はミスが起こるところですね。今日は雨ということもあってFWに固執し過ぎてしまった。いくら雨とはいえ、チャンスでは外で取りきらないとダメです。そのチャンスがたくさんあったのに、小さくまとまり過ぎてしまった。それでも青学戦よりはよかったのかなと。今日は相手に対応されたところで、自分がFWに具体的な指示が出せればよかったと、今になって思います。対抗戦は相手どうこうより、いつも言っているように自分たちの形をいかに完成させていけるか。気持ち、チーム、個人としてのスキル。1日1日を大切にしていかないと最後につまずいてしまう。とにかく今年はみんな決勝しか見ていない。その目標で100%に持っていけるように、これからしっかりとやっていきたい。東芝の強いFWと練習できるのは、自分たちにとっていいことだと思う。力だけではない、うまさを勉強してきたいです。青木がホルテンをやっつけるらしいですよ(笑)。ワクワクする感じですね」


<黄金BK復活宣言 スピードを取り戻し、復帰を果たしたFB小吹和也>
「今日はこういう天気で、ゲームプランも内側をついていくというものだったので、個人としては見せたいところが見せられなくて残念だった。次の帝京戦は、晴れだったらワセダらしいワイドな展開を見せたいですね。今日は相手がキックを多く蹴ってくるだろうと試合前から話していて、ディフェンスは下がっておこうと言ってはいたんですけど、中途半端なところにボールが落ちたりしていたので、もっと極端にしてもよかったのかなと。外は全然怖くなかったですし。今日は試合に出るのは久々だったけれど、スピードもコンタクトも万全で復帰したし、ゲーム勘が鈍っているということもなかったので、すんなりと入っていけた。特に大ケガをした訳ではなくて、清宮さんにスピードがないと言われて外されたので、それを戻すことを考えてトレーニングをしてきた。それを見せられなくて今日は残念。今村が痛んだときは、一瞬また13番かよって思いましたけど(笑)、どこでもできることを生かして、どこに回されてもしっかりと100%の力を出せるようにしていきたい。今日も今村のところがまったく空いていなかったように、これからはどこのチームもワセダの強みを警戒してくるだろうから、かえって外で勝負しやすくなってくると思う。ワセダらしいワイドな展開で走りまくって、外で取りきる。とにかくこれからのビッグゲームは、BKで見せ場を作っていきたいですね」

<新潟県中越地震義援金を立ち上げた副務・勝田譲>
「新潟での地震をテレビで見て、心が痛みましたし、これは有り得ない状況だと思いました。それで自分たちに何かできることはないかと。ラグビー部でも銀太郎の家族、有希さんと徳永のおじさん、おばさんが新潟にいて他人事ではなかったですし。それで色々と情報を集めて、清宮さんに相談したら義援金という形が1番いいだろうということになって、ラグビー部で集めることにしました。そうしたら周りのみんなも何かしたいと、同じようなことを考えていてどんどん輪が広がりました。僕たちラグビー部で集められるのは微々たるものですけれど、少しでも被災された方の力になれればと思っています(杉並区と小千谷市が提携を結んでいることもあり、週明けに学生の代表が杉並区の方へ義援金をお持ちし、送って頂きます)。 試合は個人的にもチームとしてもハンドリングミスが多かったのが反省です。今までの相手とディフェンスシステムが違ったけれど、関東をターゲットにするのであれば、ワセダにとっていい試合だったのかなと。ここから先が頑張りどころだし、本当の勝負。五郎丸が戻ってきたら小吹もWTBに来るだろうし、慎平さん、甲子郎も復帰してくる。今の自分は彼らに勝るものを持っていないけれど、1試合1試合しっかりと戦っていきたいです」