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2024

対法大B戦(Jr選手権) 『赤黒』との間にそびえ立つ壁…


 「今の自分たちがBチームなのは後半ああなってしまうところなんです…」(SO久木元孝成)。誇り高き『赤黒』と予備軍の間にそびえ立つ、見えない大きな壁。80分間途切れることのない集中力―。大学2位の強さ、こちらも最強を目指す『諸岡ワセダ』セカンドチームが、またその未熟さを露呈した。
 先週の反省を踏まえた前半は準備万端、意図したとおりの試合展開。BKのワイドアタックで前進を図り、最後はFWの結束でインゴールへ。『荒ぶる』メンバー・CTB豊山寛を軸としたスピード溢れるアタック(タックルを受けた後の強さもピカイチ)で、まるでVTRでも見るかのように易々とトライの山を積み重ねた。「豊山さんがいると組み立てがしやすい。相手のディフェンスもモールに全然入ってこなかったから、意識的にそこで勝負した」(SO久木元)―。
 そして完全にゲームを支配した前半、ことごとくその起点となったのが、先週関東を相手に崩壊しかけたセットプレー。「今週はセットの安定を常に意識してやってきたし、昨日も彰友とビデオを見て確認した…」(フッカー寺山卓志)。マイボールラインアウト100%、相手にプレッシャーを与える強烈なスクラムプッシュ。チーム一丸、必死になって取り組んだ成果を存分に発揮し、見違えるような安定感でトライラッシュへと導いた。勝利へのカギはいつの時代もセットの安定―。
 しかし、前半に見せた完璧なまでのこの流れを最後まで持続できない「甘さ」こそが、『赤黒』との間にそびえ立つ大きな壁。「トライだと思ったのが認められなくて、ずっと嫌な感じがしていた…」(NO8権丈太郎)。「あれでちょっと緩んでしまった…」(フッカー寺山)。幻のトライ×2(裏へのキックでWTB勝田が相手に競り勝つもペナルティー、ディフェンス2人の間を飛び越えロック後藤がインゴールへボールを叩きつけるもノックオン)で完全に心を乱し、後半は見せ場のないまま、いたずらに時間だけを消費した。
 すべての局面で相手を上回りながら、最後まで圧倒し続けられなかった『諸岡ワセダ』セカンドチーム。セットの安定は手に入れても、『ULTIMATE CRUSHER』への道は、まだ5合目…。「今の自分たちがBチームなのは後半ああなってしまうところなんです…」<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>


<安定したセットプレーでチームを支えたフッカー・寺山卓志>
「Bチームで2番をつけて試合に出るのはすごく久しぶりだったし、80分出続けるのも今年初めてだった。先週の関東戦では相手にラインアウトでのサインがばれているような感じだったので、今週はセットの安定を常に意識していたし、昨日も彰友と春、秋の試合のビデオを見た。そのかいあって、今日は相手のディフェンスの張り方もしっかり把握して、彰友がいいサインを出してくれた。空いたところのサインが出ていたので、自分も落ち着いてスローイングができた。いつもはスローイングだったり、ダミーが甘かったり、リフトがきちんとできていなかったり、どこかにミスがあったけれど、今日はそんなことがなく、みんなで意識したとおりにやれたのがよかった。そこからモールでトライを取るのも、試合前で話していたとおり。スクラムはゴール前では何本かは押せていたけれど、まだ相手ボールのときに組ませてしまっていたので、その点は反省しなくてはいけない。後半はトライだと思ったのに認められないのが2本続いて、ちょっと緩んでしまった。出だしの集中が足りなかったし、すぐに切り替えないといけなかった。あとは全体的にまだブレイクダウンのところが弱い。相手をきちんと剥がせていないし、一人目が弱い。FWのディフェンスのセットも遅かった。これからはとにかくセットを安定させて、今のワセダがやろうとしていること、BKで大外に振ってトライをするというのを成功させられるように、拘りをもってやっていきたい。あとは青木との勝負。盗めるところは盗んでがんばります」


<日本代表を向こうに回し、堂々と渡り合ったSO久木元孝成>
「今日は相手のSOが(森田)恭平だということはだいぶ意識しました。高校時代からよく知っていて、自分にとってもいい刺激になってきましたから。まさかこんなところで対決できるなんて思っていませんでしたけど(笑)。でも今日は楽しかったです。恭平は相変わらず速くて柔らかいパスをするなと感じました。ただ、チームを勝たせるのがSOの仕事なので、その点はよかったのかなと(ゴール前で2度森田を交わしトライ!)。今日はBKで練習してきたことがしっかりとだせた。やっぱり豊山さんはいい。タテにもいけるし、外にもいけるし、豊山さんがいると組み立てがしやすくなる。今日は豊山さんを軸にBKでうまく崩せたと思う。ゴール前でモールを選択したのは相手がディフェンスに全然入ってこなくて、トライが取れそうな感じがあったから。もし止められたらBKで勝負しようと決めていた。前半はよかったけれど、結局今の自分たちがBチームなのは後半ああなってしまうところなんです。取るべきところで取りきれずに、ズルズルといってしまう。そこはしっかりやらないといけない。栄次さん、和気さんがいるから自分もがんばれる。もちろんこのまま負けるつもりもないし、チャンスももう一度来ると思うので、それを物にできるようにしっかりとやっていきたい」


<久々のNO8で奮闘したルーキー・権丈太郎>
「NO8は1年早明以来でした。テンパっていたわけではないんですけど、ミスが多くて、スクラムがあれだけ安定していたのにみんなに申し訳ないことをしてしまった。セットもフィールドプレーももっとやれたと思う。NO8で出ると初めから分かっていたけれど、今週は雨でなかなか合わせる機会がなくて少し不安だった。ボールを持ってゲインするというのは、いつもよりできたけれど、その出し方、ツイストが全然ダメで、そこはもっと意識しなくてはいけないなと。チームとしては試合前から気合いが入っていて、これはいけると感じていたとおり、前半はいい内容だったと思う。特にトライを取られたすぐ後(先制した後の前半5分)に、みんなで修正できたのと、関東戦で全然ダメだったラインアウトが安定したのはよかった。後半はトライだと思ったのが立て続けに認められなくて、攻めていてもずっと嫌な、変な感じがしていた。ただ、そういった雰囲気を自分たちで打破しなくてはいけなかった。春は試合で使ってもらえていたけれど、今はジャガー(松本)さんがずっと出ていて、自分はもっとがんばらなくてはいけない。早慶戦、早明戦に何としても出場したいので、これからもっともっと努力していこうと思います」