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2024
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対流通経済大 デキは上井草にあり


 「練習でできないことは、試合でもできないんだって再認識させられた…」(副将・後藤翔太)。歓喜の早明戦から14日。僅かに生じた心のスキ。分かっちゃいるけど、なくならない。あってはならぬ『諸岡組』の悪癖が、またも顔を覗かせた。
 師走の喧騒とは一線を画す、まったりした展開を招いたのは、準備段階・上井草での意識の低さ。ミス、ミス、ミスのオンパレードに、締まらぬ雰囲気…。「いい加減にしろ。お前らもう練習やめにするぞ―」。指揮官の声だけが、聖地の空にむなしく響く有様だった。
 「それでいて、ノックオンに始まって、ラインアウトでミスをして…」(主将・諸岡省吾)。試合はまさに、上井草のデキをそのまま反映する最悪の入り。準備してきたはずのシャロー&ツメにことごとくはまっては、ウラへのキックにいい様に振り回される。その繰り返しに、赤黒の足元が揺らぎかけた。
 前半20分を過ぎて14-13、秩父宮を包み込む異様な静寂…。しかし、どこか締まらない雰囲気があろうとも、『最強』FWの『拘り』だけは健在だった。25分、ゴール前ペナルティーからのスクラム選択で美しくトライを挙げると(8単から計算されつくした右展開)、29分、35分と東芝級の巧みなモールで立て続けに寄り切り。「あそこは2本取られていたし、まだBKがうまく対応できていなかったからですから…」(主将・諸岡省吾)。勝負は自分たちが決める―。そう言わんばかりの『拘り』の8人、強烈な自己主張が、眠れる赤黒を目覚めさせた。
 これで日常を取り戻すと、前半終了間際にSO安藤栄次の巧みな仕掛けからFB五郎丸(SO安藤が相手のディフェンスに対応し、そのままウラへ)。そして後半30秒には、WTB首藤甲子郎が相手3人(最後のひとりはライン際1メートル!)をハンドオフなしで振り切るスーパートライ。まさに勝負はFW、点差はBK―。前線からの喝に、ストライカーたちがようやく応え、相手を一気に突き放した。「もっと早く対応できればよかったんですけど…」(FB五郎丸)。
 練習そのままの出だし、BKの球離れの悪さ、周りを見切れない状況判断の稚拙さと、会心のロケットスタートには程遠いものの、頂点へ向けた離陸には無難に成功。「ベストを重ねていこうという意識が選手たちに芽生えてきた」(清宮監督)、「すべてに拘って、すべてのプレーを大切に…」(副将・後藤翔太)。俺たちの夢・『荒ぶる』まであと3つ― <早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<『諸岡組』の成長に手応え十分の清宮監督>
「今日は序盤に厳しい局面を体験できたし、1回戦という意味では満足のいく内容だったと思う。サンケイスポーツさんに100点うんぬんということが載ったけれど、そういう気持ちは全然なかったし、今日は点差的には満足している。流通経済に関しては、言いにくいけれど(笑)、もっといいチームになるなと感じた。厳しいゲームを経験していけば、上に来る可能性のある相手だと思う。今日は相手を舐めるのではなく、あと4つしかないうちのひとつをいい形にしようという気持ちだった。ベストの試合を重ねていこうという気持ちが選手の間に芽生えてきているし、このチームは諸岡を中心にいいチームになっていくと思う。(コンバージョンをすべて成功させた)五郎丸はキックへの入り方がすごくいい。相手がチャージに来てもリズムをまったく崩さないし、そこに精神的な落ち着きを感じる。今日も試合前にコンバージョンの記録を作れとプレッシャーを懸けていた(笑)。伊藤をいつもより長く出場させたのは、23日の(Jr選手権)決勝を考えてのことでもあるし、トーナメントではプロップの入替が難しくなってくるから。23日の決勝にはリザーブの選手は出そうと思っている。今村はコンディションが万全でなかったから使わなかった。三角については、まだまだ教えていかなくてはいけないことがたくさんあるなという感じ」


<ゲームの入りを悔やむ主将・諸岡省吾>
「これからは負けたら終わりだから、ひとつひとつのプレーを精一杯やろうとずっとみんなに話してきたけれど、前半ミスがたくさん出てしまった。清宮さんにもうやめるぞと言われる位ひどかった今週の練習が、そのまま前半の入りで出てしまった…。みんなで修正しようとずっと話してきたのに、それができなかったのは大きな課題。今週練習が全然ダメでこれはやばいぞと思っていたところに、ノックオンで始まって、ラインアウトでミスをして…。とにかくそういうところを突き詰めていかなくてはならないと強く感じた。ただ、全体的には後半に相手のツメのディフェンスに対して修正できたし、拘ろうと言っていたモールでも取れたし、後半ゼロに抑えたし(ゴール前のモールをことごとくシャットアウト)、大きな枠で見たらいい内容だったと思う。前半ペナルティーからモールに拘ったのは、2本いかれてたし、BKが相手のツメにうまく対応できていなかったから。相手に流れをやらないためにも、まずはFWでいこうと。あれで流れを掴めたし、後半対応して、ポンポンとトライを取ったり、いいプレーができたと思う。途中からは相手に対応できたし、次はとにかく試合の入りを考えなくてはいけない。本当に練習中のプレーがそのまま試合に出るので、もう一度気を引き締めてやっていきます」

<連続フル出場継続も不完全燃焼にガックリの副将・桑江崇行>
「今日は全然ダメ。試合以前に体調管理がうまくできず、それがそのまま試合に出てしまった…。いいところでまったくボールをもらうことができなかった。ただ、ディフェンスでブレイクされていないし、FW的にはまずまずよかったのかなと。ラインアウトは自分のサインミスが1本あったので、また、かの練習(100本ラインアウト)を復活させます。今日は流経が色々対策を練ってきたのがよく分かった。チームのデキとしては30点くらい。ディフェンスで淡白なところがあるし、まだまだ課題だらけという感じ。モールは試合前からいってやろうと話していて、よくできたと思う。次は強い外国人がいるけど、自分たちと同じ人間。自分が先頭に立って体張ります」


<練習からの立て直しを誓う副将・後藤翔太>
「今日の課題のひとつはコミュニケーションということだったけれど、普通に守ることに関してはだいぶできていたと思う。相手が来るところを狙っていけたし、ツメるべきところもツメられたし、まぁまぁだったかなと。けれど、アタックに関しては今週ずっとうまくいかなかったことがそのまま出た。まさに練習でできないことは、試合でもできないということを再認識させられた。相手のプレッシャーも想像していた通りなのに、対応するまでに時間が掛かってしまった。やる前から分かっていたことなのに、できなかったことが情けないし、悔しい。練習の出だしでの悪さが、今日の試合にもそのまま出たので、次はそういうことがないように、週初めから厳しい練習をしなくてはいけない。誰もミスをしようと思ってしている訳ではないから、ミスを許さない雰囲気を練習から作っていく必要がある。BKは相手のシャローに対してちょっと深さキープができていなかったけれど、それも練習から分かっていたことだし、とにかく練習でできないことは、試合でできないということ。次の一週間は出だしからしっかりやっていく。今日で相手が(密集で)あのくらいの反則をしてくることが分かったから、次からはどんな反則をされても、自分のプレーをしっかりしていきたい。学生相手はあと3つ。ひとつひとつを大切にしようという意識が本当に強くなってきた。すべてに拘って、すべてを大切にプレーしていきたい」


<久々の途中交替も、新たな課題を見出したNO8佐々木隆道>
「今日は自分のいないワセダを久々に見た気がする。けれど、そこでひとりひとりがこういうところを意識すればというのが見えたし、僕なりの課題も見えた。チーム全体のデキとしては全然ダメ。帝京戦と同じくらいダメだったと思う。モールはよかったけど、自分たちの意図したアタックがほとんどなかったし、チームとしてこう取ろうというプランどおりにできなかった。その辺はまだまだこれから上げていかなくてはいけないし、練習からそういう雰囲気があったので、次はそこを修正してやれればと。コンディション的には今日が1番悪いでしょうし、次からはもっとよくなると思う。個人的にも今日のコンディションは終わってましたから…」


<久々にスタメン復帰を果たした『13番』のインサイドCTB三角公志>
「今週は練習からずっとうまくいかなくてすごく不安だったし、トライしても全然ほぐれなくて、ずっと緊張しっぱなしだった。とにかく自分の強い形を出そうと思っていたけれど、全然ダメ。今日は自分でいこうという意識が強すぎて、力んでしまった。最初の展開から乗り切れず、逆に相手に取られてしまったのは自分たちの甘いところだなと。ただ、その後は取るところでは取れたし、BKのディフェンスの意識も高くできたと思う。キックで崩された面はあるけれど、全体としてはやられている感じはなかった。早慶戦、早明戦は自分が入ってから流れが悪くなって、チームに迷惑を掛けてしまっていたけれど、だんだん前の感覚が戻ってきた。春から言ってきたように、自分から流れを作るようなプレーをどんどんしていきたい。和気さんとのコンビも違和感なくできたし、ディフェンスをめちゃくちゃしてくれたのでかなり助けられました」


<12本すべてのコンバージョンを成功させたウルトラブーツ五郎丸歩>
「今日は初めての大学選手権だったけれど、早慶戦、早明戦を経験していたから、それほど意識することなく、普段どおりプレーすることができた。キックは三井さんと約束していたので。全部入れたらご馳走してくれると言っていたので、それを達成できてよかったです(笑)。この頃はすごく調子がよくて、試合では外す気がしない(本人曰く上井草では余り入らないとか…)。自分にはこれくらいしかチームに貢献できることがないですから。今日は前半の立ち上がり、最初の10分が課題。FWは立ち上がりがいいから、BKもしっかりしなくてはいけない。前半はキックの対応がよくなくて揺さぶられてしまったけれど、後半は自分だけではなく、バックスリーみんなでコミュニケーションをしっかり取って、対応することができたと思う。もっと早くから対応できればよかったんですけど…。今はこういうプレーをしたいというより、この1年育ててもらった4年生と試合をできるのもあと少ししかなくて、寂しい半面、絶対に負けられないという想いが強い。いい内容、誰もが納得できる試合で勝ち進んでいきたいです」