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2024
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対帝京大 夏の終わりに 『スターバックス』ついに開店!


 「おまえら、戦う準備はしっかりできたか。このグラウンドで試合するのこれで最後やぞ。全部出し切れ」―。大学ラグビー界の「メッカ」に響き渡る、ワセダのカリスマ・佐々木隆道の怒号。2005年・ワセダA、菅平ラストマッチ。高い意識、個の強さ、そして大人の修正能力…。この夏の充実を繁栄するように、『佐々木組』はさらにまた、成長した姿を披露した。「相手うんぬんというより、ライバルとの競争意識というものが出たいい試合だったね」(清宮監督)…。
 8月下旬のラストダンスも、始まりは快調だった。カリスマの言葉が消えやらぬ開始早々の6分。自陣スクラムからのスーパー『矢富イリュージョン』(右8-9から60メートルを一人旅!)で一気にゲームを動かすことに成功すると、11分にはゴール前スクラムから寸分の狂いもないビューティフルアタック。渾身のスクラムプッシュ→キレの8単→激しいスイープ→流れるようなBK展開…。最後は指1本触れさせずにインゴールを陥れ、あっさりとゲームの趨勢を決定づけた。
 「あのまま一気に畳み掛けられればよかったんですけど…」(副将・青木佑輔)。ところが、前半も20分が過ぎると、セーフティーリードによる気の緩みか、はたまた3週間を超えた合宿の疲れか、「関東以上かもしれない」と言う相手の重さ、激しさ、しつこさに1対1、ブレイクダウンで次第に後手後手。一度相手にボールを渡せば、テンポのよい攻撃に揺さぶられ、我慢の展開を強いられた。ディフェンスが前に出ない→ファーストタックルで受ける→ボールに絡めない→ポンポンとボールを出される→次第にラインが綻びる。「相手ボールを奪うちょっとした工夫に取り組んできたけれど、そこはまだ全然でていない」(清宮監督)…。負のディフェンススパイラル。大きな破綻は免れたものの、『佐々木組』にはまだまだ課題が残された。

 夏の締めくくり。あと僅か40分…。「前半の内から自分たちでしんどいことをしないと流れは来ない」(主将・佐々木隆道)―

 しかし、しばしの休息後、異彩を放つ男たち(揃い踏み)によって重苦しい雰囲気、かすかに漂う閉塞感が一蹴される。まずは4分。我慢に我慢を重ねる大人の対応、素早い出足でついにターンオーバーを勝ち取ると、SH矢富のハリー、SO曽我部の超速パスから、最後はFB五郎丸がそのオーラ(だけ?)でディフェンスを翻弄。曽我部のスーパータッチ(自陣22mから敵陣ゴール前!)&モール→五郎丸の超絶オフロード(言葉では表現できないくらい秀逸!)→曽我部のミラクルラストパス(首藤の50メートルビッグゲイン、五郎丸のタテときて、他では絶対にお目にかかれない15メートル超の飛ばしパス!)と一気に畳み掛け、夏の終わりをドデカイ花火で彩った。
 『イリュージョン』・『キング』・『音速の翼』・『野獣』のスーパー(2年前はルーキー)カルテットと、新時代の『怪物』が初競演したBKラインは、まさにドリームランド。ワセダと言えばBK。BKと言えばワセダ―。「BKの下級生、みんな頼もしくなってますね」(主将・佐々木隆道)。一度味わったらもうその虜、キラ星のごとく輝く『スターバックス』揃い踏みは、『佐々木組』の新たな可能性を感じさせた。
 ラストマッチにはふさわしくない課題も見られたものの、後半にはしっかりと修正、対応する「成長の跡」を見せ、これで「飛躍の夏」も残すところあと7日。「残り一週間、体がきついとか色々とあるけれど、毎日毎日最後だって気持ちを持って、グラウンドではキャプテンとしてしっかりと先頭に立って引っ張っていきたい。チームは確実に伸びている」(主将・佐々木隆道)…。日本で1番熱い夏・『佐々木組』魂の30日も、いよいよクライマックス―


<夏合宿の成果に手応え! 激しく厳しい部内競争に目を細める清宮監督>
「今日は相手うんぬんというより、ライバルとの競争意識というものが出たいい試合だった。具体的には両ロックと10番のところ。これからもお互いに切磋琢磨して、激しい、厳しい競争をしていって欲しいね。今日で締めくくりのゲームだったけれど、この3試合でゲームリーダー、ラインアウトにしてもスクラムにしても、もうちょっと勉強しなくてはいけないというところが見れてよかった。それぞれのリーダーがそれぞれの役割をしっかりと果たせるように。Aに関しては、関東戦後でダレることもなくいい試合だったと思う。みんな己のプライドを懸けてしっかりと戦っていた。1対1という点では、前半はかなり不満だけど後半はだいぶよかった。指示したとおり、ディフェンスで前に出られるようにもなったし。この夏はジャッカルというか、攻められたときに相手ボールを奪うちょっとした工夫(詳細はもちろんここでは…)に取り組んできたけれど、まだ全然でていない。スクラムに関しては、瀧澤、橋本を入れてよかった。BK?、うーんまあまあ。みんなそれぞれ一長一短という感じ。五郎丸が1番よかったかな。今の五郎丸は練習から意識が違ってすごくいい。五郎丸がいるとBKに芯が通るよね。これで夏も残り一週間、ケンブリッジ戦(9月18日:秩父宮)に向けてしっかりと準備をして、いいゲームをお見せしたい」


<自身菅平ラストマッチ 残り一週間、全身全霊を誓う主将・佐々木隆道>
「今日はみんなで1対1をテーマにして試合に臨んだけれど、前半は五分。後半は前に出ていけたという感じ。後半は勝っていたと思う。前半はまだまだ…。前半はディフェンスで合っているのに流してしまったり、かぶってしまって抜かれたりしていた。そこは修正しなくてはいけないところ。僕と寺廻の間でのコミュニケーションミスもあって、トライも取られてしまった。ただ後半は清宮さんから言われたとおり、しっかりと前に出られたと思う。前半自分のところで抜かれていたし、ちょっとは盛り返せたかなと。前半の最後と後半の最初、攻められているときは相手に取りきられるという感じはなかったけれど、体力的にはきつかった。想像以上にタイトな試合。帝京はやっぱり個々が強い。ブレイクダウンに関しては、これも後半はよかったけれど、前半はイーブン。2人目、3人目の重さで負けた。夏に取り組んできたジャッカルの意識も薄れてきている。タックルした奴が寝たままで、ボールを取るシチュエーションがなかなか…。後半は意識できていたけれど、前半の内から自分たちでしんどいことをしないと流れは来ない。セットはスクラムはよくなって7割くらいのデキだったけど、ラインアウトはまだまだ。今日はBから上がってきた選手が何人かいたけれど、それぞれいい動きをしてくれたと思う。百合も太郎も意識の高いプレーをしてくれてよかった。今の段階では彰友、百合、権丈、寺廻。もっともっと競い合って、激しい試合、もっともっといい試合をしていって欲しいです。今日は菅平3試合目で、体もきついし、コンディションもベストではないですけど、4年間やってきて、このグラウンドで試合をするのもこれで最後だし、全部がここでやる最後だって思ってプレーしました。若いBK陣、いいんじゃないですか。曽我部からのラストパス?、んーまぁまぁでした(笑)。FWの4年生ががんばって支えてあげられれば。BKの下級生、みんなだいぶ頼もしくなってきてますよ。今日は合宿の締めの試合としてはまあまあ。ほんとまあまあ、可もなく不可もなくという感じで。でもチームは確実に伸びている。残り一週間、体がきついとか色々とあるけれど、毎日毎日最後だって気持ちを持って、グラウンドではキャプテンとしてしっかりと先頭に立って引っ張っていきたいです」


<この日もセットの不安定さを悔やむ副将・青木佑輔>
「今日は前半にもっといい試合ができた。3本取ったところで一気に畳み掛けないといけなかった。関東戦もそう。受けたということはないんですけど、もっと畳み掛ける力をつけないとダメです…。ディフェンスに関しては、タックラーがボールに全然絡めず、相手の球出しのスピードをコントロールことができなくて、セットが遅れてしまった。練習してきたことがまだまだ試合で出せていない。ラインアウトは今日も全然安定しなかった。ロックが変わったというのは関係ない。スローの精度が問題です。スクラムについては、最初の1本目を関東の意識のままで組んでしまってあおられてしまった。その後は頭を切り替えてしっかりとできたけれど、反省です。相手がどういう組み方をしてくるか分からないのに、勝手に関東を相手にするみたいに組んでしまったのは間違いでした…。やっぱりセオリーどおり右アップで組むべきですね。瀧澤、橋本はヒットはできてきているけど、その後の1,2ができていない。前に出る意識がまだまだ足りないかなと。でも1年生のうちからあれだけ組めれば十分ですけど(笑)。今日のテーマだった1対1では、まだまだ相手にやられている。帝京はやっぱりデカイ。関東よりも大きいんじゃないかっていうくらい。ただ後半は清宮さんに言われたところをしっかりと修正できてよかった。ディフェンスがしっかり立って、球出しを遅らせて、アップする。そこができたのが1番。やっぱりワセダはBKのチームですね(笑)。あれだけ取ってくれると助かります。逆に流れの悪いところではFWががんばって支えてあげる。そういうチームにしていきたいです。合宿も残り一週間、まずはセットの精度を上げられるように。そしてチームのあらゆる局面での精度を上げられるように。リフレッシュしきれていなかったりして、やっぱり疲れもありますけど、やるしかないです!」


<復活の3トライ 『スターバックス』の更なる輝きへ精進する首藤甲子郎>
「今日の3トライは全部ごっつぁんです。それよりも前半ゴール前で止められてしまったのと、後半キックオフからの展開でゲインした場面で取りたかったです。あれが自分の理想の形なので。そのままトライできれば最高でしたけど、自分のランからチャンスが作れて、トライにつながったので、その点ではまぁよかったです。自分自身も上で3試合やらせてもらって、だいぶチームにマッチしてきた感じもあるし、BK全体でのミスも減ってきた。曽我部が戻ってきたことで長くて速いパスが外までくるし、アタックしやすいです。みんなすごいですね。守る方からしたらどこ守っても一緒という感じで。ディフェンスで捨てるなら確実に自分のところじゃないですか(笑)。BKは同期が多くてコミュニケーションが取りやすいし、お互いに言いたいことも言い合える。自分はこうして欲しいと要求もしやすいですし、手応えはかなりありますよ。ただ、Aチームで試合に出る以上は、果たさなくてはいけない責任があるのに、まだまだみんないい加減なプレーをしてしまうところがあるので、そこは直していかないといけないです。ディフェンスに関しては、コンタクトのところで受けてしまってしんどかった。前半は特に。もっと1人目のところを1発で倒せれば楽になると思うので、そこを課題に取り組んでいきたいです。それでも後半はかなりいい意識だったし、言われた修正点をしっかりこなせたのはよかったかなと。自分のコンディションは徐々に上がってきているので、あとはシーズンに向けて合わせていくだけ。試合勘も掴めてきたので、いかに自分のトライを取りきるか。もっともっとコミュニケーションをしっかり取れるように声を出していきたいです。残り一週間、気持ちを切らさずにやっていきます」


<屈辱から再出発 激しいプレーでチームに流れを引き戻した権丈太郎>
「今日はもう動かなきゃって思ってやってました。ディフェンスのセットの動き出しが悪いと言われていたので、そこを絶対に見返してやろうと。勝ちフェーズのボールをゲットできるところでミスしてしまったり、まだまだ課題もたくさんありますけど、いくつかターンオーバーできたし、いいリムーブができたのはよかったです。全然動けていないこと、仕事量のなさを言われていたので、チームとしての課題もあるけれど、とにかく今日は自分のことばかり考えてました。ほんと今変わらなきゃという感じです。この意識をずっと継続して、落ちることなくやっていきたいです。チームとしても後半はしっかりと前に出られた。相手がボールを持っているときに、しっかりとセットし続けて、もうキックしかないという場面を作れましたし、ボールキャリアがしっかりと立っていろという清宮さんから言われていたこともしっかりと修正できた。合宿ではみんなと一緒に生活することで分からなかったことが分かってきたり、日頃なかなか話す機会のない奴とコミュニケーションが取れたり、みんな意識が上がってきていい感じです。あと一週間しかないですけど、ウェートやる時間もまだまだ残っていると思うので、しっかりと体を作って、頭も体もレベルアップしたいです。ワセダの2年生は五郎丸だけじゃないぞってところを見せたいです(笑)」

<『スターバックス』勢ぞろい! 今シーズンは魅せまくります!>