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2024
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対帝京大B(Jr選手権) BK陣、荒野を駆ける


 「毎回、毎回同じこと言ってて、情けないですけど…」(SO高橋銀太郎)。4連覇への障害は、気まぐれなお天道様か。はたまたアウェー続きの環境の変化か。 10月に入ったにも関わらず、この日も萎えるような暑さ(9月17日の初戦以上?)。しかし、毎日が真剣勝負の『赤黒予備軍』は、暑さに負けず、雑草にも負けず、それぞれの使命をまっとうした。
 ワセダの花形はやっぱりBK―。いつもながらに最前線で体を張る「8人」はもちろん、この日輝きを放ったのが、若さ弾ける後ろの「7人」。HB団の巧みなゲームコントロール、両CTBの豪快な突破、バックスリーの強気の勝負…。ミス連発の前節とは打って変わった『精度』の高いアタックで、常に前へと出続けた。同じ過ちは繰り返さないのが、ワセダの掟。「意識してやってきたところが、しっかりと修正できていた」(SO高橋銀太郎)…。
 そんなビッグゲインが次々飛び出す展開の中(もちろんセットの安定が第一です)、触れずにはいられないのが、行楽シーズン到来と共に再び営業を開始した『菅野エクスプレス』。前半26分、ブラインドからの絶妙なライン参加(キックオフ→モールで前進→相手の穴を突くSOの的確な判断という最高の流れ!)でフリーになると、ステップを交え、そこから2段階加速。雑草生い茂るグラウンドを物ともしない抜群のスピードでディフェンスラインを切り裂き、そのまま50メートルを走りきった。「菅野、勝負!」。ボールを手にした瞬間、そう叫んだ清宮監督の目の前で見せた久々の電撃ラン。自分のトライで勝負を決める―。指1本触れさせずに走りきったそのスピードよりも、永らく影を潜めていた積極性、『ギラギラ』した心こそが、『菅野エクスプレス』再出発の証だった。
 この後、キックオフボールがまったく取れず、トライをしては返されるという失態を2度繰り返した(36分、40分と、いずれもキックオフを取られての継続…)ものの、後半はその点もしっかりと修正し、相手を完全にシャットアウト。攻守に抜群の安定感を見せ続けるWTB(9番目のFW?)巴山儀彦、こちらも久々に帰ってきたNO8林徹のトライなど、ゲームキャプテン・宮田昇負傷退場の穴も全員で補い合い、暑さを吹き飛ばす快勝を手繰り寄せた。
 相手の重さに手を焼いたモールディフェンス、ジャッカルし切れない弱さなど、まだまだ課題も見られるものの、Jr選手権4連覇、夢の赤黒争奪へ向け、セカンドチームも徐々に上向き。「先を見ずに、1戦1戦しっかりと大切に…」(CTB須藤明洋)。その先には、きっと大きな成果が待っている―


<安定したゲームコントロールでBKを軽快に走らせたSO高橋銀太郎>
「今日は暑かった。マジで動けなかったです…。そんななか、取れるところでしっかりと取れたのがよかったかなと。ただ、ターンオーバーの反応、リムーブといった前回の課題はまだまだできてなかったので、そこは反省です。前回の試合から週ごとにメンバーが色々と替わったりしてきたけれど、全体としては特に変わることもなくできた。みんな言えばできる選手たちだし、下から上がってきた奴がしっかりと上に合わせてやってくれた。攻め方や基本的な戦い方は一緒。多少のミスもあったけれど、取れるところで取れたし、目立ったものはなかったのでよかった。あとはディフェンス。コミュニケーションがまだ足りない。今日は1次からうまく抜くことができた。1次での仕掛けをもっと安定させようということを意識してずっとやってきて、そこをうまく修正することができた。CTB陣がスピードをつけて走り込んできてくれたのが大きかった。毎回、毎回同じこと言ってて情けないですけど、本当に暑い…。今日も自分でいけるところをいかず、スピードも出ず、CTBにすべてを託してしまった感じで…。もっと自分から仕掛けてトライを取ったり、そういう積極的なプレーをしていきたいです。SO争い?今日のデキではまだまだダメですね」


<初のシニア! ついにジュニア選手権デビューを果たしたフッカー坪田晋>
「いや、今日は緊張しました…。緊張ばかりで最低限しなくてはいけない自分のプレーが全然できませんでした。出番があるとは思ってたんですけど、試合に出たのも突然で(前半19分、岩永の負傷退場により出場)。岩永さんがケガをして、複雑な思いもありましたけど、自分にとってこれはチャンスだと。考えていたのは、最低限やらなくてはいけないセットプレー、スクラム、ラインアウトの安定。でも、これができないとフッカーとしての価値はないのに、今日は全然でした…。FW全体については、、、そこまで振り返れる余裕はなかったです(笑)。ただ暑さもあって、みんな走れなかったかなと。モールに関しては、足が止まっていて、相手の重さにズルズルとやられた感じ。そこはもっとしっかりやらないといけないです。今日はとにかく試合に出られて嬉しかった。これですごく自信がついたとか、そういうのは特にはないですけど、これからも自分を高めるために、シニアに残ります。今年はとにかく上を見て、貪欲にやっていきたいです。ジャガーに続きます!実は僕も伊勢も筑紫丘の同級生(笑)。今年中に3人で赤黒着られるようにがんばります!」


<新境地開拓? その存在感を存分にアピールしたCTB須藤明洋>
「今日はターンオーバーから取れたのと、外に展開してトライを取れたのがよかった。銀さんとのコミュニケーションもうまく取れていたし、相手の空いているところをしっかりと突くことができた。内に寄っているから外とか、逆に内側が薄いとか、暑くてバテていたなかでも、冷静にコミュニケーションはしっかり取ることができた。悪かった部分もあったけれど、アタックについては意図したこともかなりできた。ただ、BKがFWに頼り過ぎている部分もあるので、そこの意識は変えないといけないです。内側で人数減らしてもらったり、穴をうめてもらったり、FWには助けてもらってばかりで、逆にFWが苦しいところをBKが助けてあげるという場面がなかったので、次からはBKがしっかり助けてあげられるように。ディフェンスに関しては、セットが遅くなって後手後手になってしまうところがあるので、そこはまだまだです。自分は先を見てやれるような選手ではないので、とにかく1戦1戦しっかりと大切に。タテへの突破はもちろん、バリエーションも増やしたいので、色々とチャレンジしていきます!(この日はいいパスを何本か)パスは…、今日だけではまだ分からないです(笑)。今日はバックスリーが思い切り動いてくれて、CTBとしても助かりました」

<ハーフタイムにはAチームメンバーも加わり懸命の日陰づくり>