僅か50日前の出来事は夢か幻か…。2007年10月7日、vs関東学院大、12-17。負けるべくして負けた戦い。それは単なる1敗ではない、ちょっと考えさせられる敗戦だった。
頭では十分すぎるほど分かっていた。これは絶対に落とせない試合、昨年のラストもキッカケはあのJrのファイナル、必勝パターンも当然熟知(のはず)。しかし…、メイジ戦がよほどショックだったのか、いざ試合が始まれば、そのパフォーマンスは真逆だった。
10分、FWがゴリられ、ブラインドサイドがあっさり陥落。その後ゴール前まで迫る場面こそあれ、基本的に攻め手なく(ちょっと深刻?)、守る局面がほとんどだった。最大ターゲット・ここさえ止めれば何の問題もないという近場で喰い込まれ放題。あろうことかブレイクダウンでは完全なる迫力負け。これにセットが安定しないとくれば、勝ちを放棄したも同然だった。1対1でそんなに簡単に負けてていいのか、ラックでやられたら黙ってないでやり返せ。それが関東戦の絶対条件、流儀とも言えるもの。後半12分、ペナルティからの速攻にFWが崩壊。24分、BKがノータッチエース。あるAチーム選手の言葉…、「最近は練習でもBはファイトがなくなってきてる。それがそのまま試合に出てしまった。負けるべくして負けた試合」。どん底の春を超え、夏はAに対して無抵抗でやられることはなくなった。それがしっかりと結果に出ていた。しかし、ここ最近はユルユルだったあの頃に逆戻り。みんな人が良過ぎるのか、やんちゃでふてぶてしい奴がいない。ここで変えてやろうという奴もいない。これがワセダか? 小手先のものでない、抜本的な変化が必要に思われた。
「試合中、ずっと何でかなぁって思って見てました。今の段階ではまだ考えはまとまりきってないですけど、根本の1対1で負けてましたし、そういうところから変えていく必要があるのかなと。これで次の日体大戦がすごく大事な試合になってくる。チーム全体の雰囲気がよくないので、Aチームがしっかりと舵を取れるように、集中して、引き締めてやっていきます」(主将・権丈太郎)。この閉塞感を打ち破れるのは、ファースト15の強さのみか。権丈、畠山、五郎丸、まず赤黒がそのお手本を。Bのそれは全体にまつわる問題。ワセダ、ここで変われなければ、その後のシーズンは―
<FW完敗… 近場でのディフェンスを悔やむプロップ山下達也>
「本当に悔しいです。メイジ戦ではFWがやりたいことができず、今週はしっかりやろうってみんなで声を掛けてたんですけど…。その点では先週よりよかったとは思いますけど、勝負は勝たなければ意味がないので…。スクラムに関してはイーブンくらいに組めていて、お互い低く入った方が勝ち、みたいな感じでした。悪い感触ではなかったです。崩しにいく、肝の部分でのコミュニケーションは2番3番ともとれていましたし、ある程度やりたいことはできたんですけど…。近場のディフェンスについては、前半自陣で耐える場面だったり、うまくいっていたところもあったんですけど、みんな逆にボールに集中しすぎてコミュニケーションが取れてなかったり、そういう部分がよくなかったです。こういうのは言うべきではないんでしょうけど、明治戦よりは絶対によかった。まだこれで終りではないので、これを次に繋げるように。普通、1ヶ月も空いてしまうと、この今感じている悔しさが薄れていってしまうので、そういうことのないように、数は少ないですけど、4年が中心となって日々の練習でやるべきことをしっかり意識してやっていきます。試合を通しては、チャンスを物にできなかったのが辛かったですし、ディフェンスのチームなのにそこでやられてしまった。1次からいかれてしまって…。仮にそれがしょうがないものだったとしても、2次のセットが全然遅かった。そこはフロントががんばらないといけなかったです…」
<懸命の捌きも自らのリードを猛省するSH櫻井朋広>
「自分のことを言えば、チームが乗っていけるところで、もっとリードすべきだったと思いますし、FWが落ちているときに声を掛けてあげることができず、自分自身が焦ってしまった。それがチームに影響して…、反省しなければいけないところです。敗因は色々あるんでしょうけど、1番は気持ち。関東はとにかくコンタクト、勢いに乗ったときにはすごい圧力がくる。今日はその圧力に負けてしまいました。そこは気持ちで返すしかないと思ってます。関東、ブレイクダウン強かったです。強いと言うか、うまかった。ラックのところでうまく時間を掛けて早い球出しをさせなかったり。BKは寛造が走ってくれましたけど、もう相手の方が勢いづいていて、アタックできませんでした。本来のワセダの形、みんなで走るラグビーを取り戻さないといけないです。メイジ、関東、負けた相手はFWもBKもみんなデカイ。この接点に負けないチームになったとき、強いチームになれるんだと思います。やり直しです。寛造をはじめ、みんなリリースを意識してくれていて、捌きやすくなってきてるので、自分は受けに回らないで、ドンドン挑戦して、声を出して、積極的にやっていきます」
<今こそ正念場! Aチームからの建て直しを誓う主将・権丈太郎>
「試合中、ずっと何でかなぁって思って見てました。セットプレーが安定しないこと、チャンスで取りきれないところ、最後のところのキックオフミス。若いメンバーだからしょうがないと言ってしまえばそれまでなんですけど、チームとして、ここで変えよう、変えてやるんだという奴がいなかったです。先制されて、ヤバイヤバイって。今の段階ではまだ考えはまとまりきってないですけど、根本の1対1で負けてましたし、そういうところから変えていく必要があるのかなと思ってます。これで次の日体大戦(10月14日@新潟)がすごく大事な試合になってくる。上がブレなければ、それでいいわけですし、実際今日でどうこうというのはないですけど、それにしてもチーム全体の雰囲気がよくないので、Aチームがしっかりと舵を取れるように、集中して、引き締めてやっていきます」