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2024
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対慶大 譲れぬ『バトル』、『本能』で勝つ!


 メモリアルイヤーに迎えた第85回『早慶戦』。126人の想いはひとつだった。ワセダの名に懸けて…、ひとりの男として…、これはゲームではなく『バトル』。生きるか、死ぬか。勝つことがすべて。「ワセダは慶應には絶対負けてはいけないんだ。何が何でも勝つ。今まで先輩たちから教わった、見て、経験してきた『早慶戦』をしっかりと体現しよう」(主将・豊田将万)―
 90年の歴史で『継承』されてきたこと、それはこの戦いは理屈ではなく、本質の勝負。黒黄の魂を正面から受け止め、それを赤黒の『狂気』で跳ね返す。実に7年ぶりとなる先制を許した直後の4分、フッカー有田隆平(この日は抜群!)がタックラーふたりを吹き飛ばし、強く激しく前に出ると、『対面勝負・完全制圧』への挑戦がスタートした。シンプルに勝つ!激しさで勝つ!拘りで勝つ!
 しかし、これがビッグゲームの重圧か、このプレーを起点にすぐさまトライを奪ったまでは想定どおりも、その後の60分間は、強さを見せつつナイーブさ全開。慶應の土俵・まるでチェスかのようなキック合戦(観客の首の動きはテニス?)、神経戦にとことんまで付き合った挙句にダイレクト、ノックオン等ミス連発。戦うエリアは多くが自陣。ラインアウトの不安定さ(後半は対応)がこれに重なり、慶應外系アタックの脅威に晒され続けた。「今日はいかずに付き合って我慢したという感じです。もちろん、その部分も練習してきましたし、慶應さんに対応するために準備もしていたので。ただ、もっと意地の張り合いをしたかったなと…」(主将・豊田将万)。どこかで流れを断ち切り勝負に行きたい。けど、リスクもできることなら消し去りたい。敢えて付き合った感もあったものの、『Dynamic Challenge』と「勝負」の間に揺れ、スコアは拮抗した。27分、見事なオフロードパスを繫がれ10-8。36分、いらないペナルティからPGを決められ10-11。あの帝京戦と同じ、前半で1点のビハインド…。しかし、ワセダは冷静だった。「おもしろい試合になったな。この状況を楽しもうぜ。後半は一気に行ってやろう!」(中竹監督)。
 秩父宮が何とも言えない空気に包まれ迎えた後半、大外でこの流れを打ち破ろうと燃えたぎる男がいた。初の大舞台、抜群のポテンシャルを持ちながら、これまでそのカラを破れずにいたWTB田中渉太。4分、カウンターで相手の陣形が崩れていると見るや、それまで誰も見せなかった『Dynamic Challenge』。1人抜き、2人抜き、美しい孤を描きながらインゴールへダイブ。「ずっと局面は自分が変えるんだと思ってました。ボールをもらった瞬間、これは絶対にいけるって」(WTB田中渉太)…。形で取ったものとは言えなくも、理屈でない、強い意志で持っていったトライは、試合を動かし、慶應の戦意を奪うには十分だった。
 4年の意地と表現すべきか、このビッグプレーで完全に流れを引き寄せると、20分にはこれまた渾沌からフッカー有田隆平が、32分には再び田中渉太が1人抜き、2人抜き、最後は相手を跳ね飛ばし豪快にトライ。キックオフをはじめとしたここ1番でのミスで、相変わらず自らの首を絞めてはいたものの、駄目押し前の25分にはついに相手の土俵で戦うことを拒否し(PGの声もありましたが…スクラム選択!)、その『本能』を剥き出しにライバルを捻じ伏せた。「帝京戦のあの経験があったので、慌てず、落ち着いて戦えました。若いメンバーも含め、みんな大人になったということです。対面勝負。今日はそのテーマが遂行できたからこそ、勝てたんだと思います」(主将・豊田将万)。
 もちろん、よくよく見ていけば、躍動感を欠いたアタック、まだまだ仕留めきれないディフェンス、動き出し、勝負どころの意識等々、課題、修正点は山ほどある。しかし、やりたいことのほとんどできない『早慶戦』を、『本能』で物にしたことは何より大きい。これで絶対に変わる。変わってみせる。理想には程遠いデキではあったが、あの翌日「歴史が変わった」と言った、本気で向かってきた慶應にしっかり勝った。「どんな相手にも80分チャレンジすること。どこでも100%で戦う。それを忘れないことが、これから更に上にいくために必要なことだと思ってます」(主将・豊田将万)。俺たちはワセダ。築いてきた歴史は、そう簡単には変えさせない―


<内容はイマイチもベースの大切さを再認識する中竹監督>
「今日のゲームは内容としては全然よくなかったです。エリアの面でいいように釘付けにされましたし、ペナルティ、細かなミスも多く、80分ほとんどやりたいことができませんでした。最後の10分は相手が攻めてきましたけど、あれがなければ自分たちをまったく出せない試合。今日は勉強になりました。ラグビーは敵味方があって成り立つゲーム。そういう意味でも反省が多い。残りの『早明戦』、大学選手権に向かっていく上で、陣地の取り方を勉強していきます。ただ、ほとんど攻めていないなかでも勝つことができたのは、シンプルに対面に勝つということをやりきった成果。その点は評価したい。日体戦からメンバーを入れ替えたのは、ケガ明けの選手ふたりと、スクラム強化のための山下。シンプルに対面に勝つことを考えて、機能するかしないかより、各ポジションの大事なところでやれる選手たちを選んだということです。ケガ明けのふたりに関しては、まぁ復帰戦だなというデキでした。山下については、春も途中から出場してスクラムは安定してましたし、今回も入れたら勝てるだろうと。そこは想定内でした。ロックにまわった橋本も押してましたし、すごくよかったとはいかないまでも、及第点ではあったと思います。(あの展開で1年生を入れるのは勇気がいったのでは?の問いに)そもそも今シーズン豊田をキャプテンにしたこと自体が『Dynamic Challenge』ですから(笑)、あの状況で4年生に替えていれるのは、ちょっとしたチャレンジというくらいだと思います。今日のメンバーのなかでのインパクトプレーヤーは山下昂大。もっと早く入れてもいいかなと思ってましたけど、蹴り合いのなかに入れてもしょうがないので、あの時間にしました。蹴り合いのなかで豊田のパントも見られて、よかったと思います(笑)。PGに関しては、メディアのみなさんにも狙わずに行くと言ってましたし、今年は『Dynamic Challenge』を掲げ、1回も狙ったことはなかった。ただ、刻んでくるのは嫌だなと相手が感じるゲームでは当然狙いますし、そこは豊田の判断です。例えば、W杯でオーストラリアが90点ゲームになる日本戦で序盤はPGを狙う。これは日本から見たら本当に怖い。豊田の今日の判断には賛成です。試合後にチャレンジャーになりきれていないと言ったのは、細かいところになるかもしれないけれど、80分間負けたら終りだという集中力を持って戦えていなかったから。それがあればもっともっといけただろうと。今日の彼らを責めているのではなく、もっともっと伸びしろのあるチームだからそう言った。本当にチャレンジャーになりきることができたら、また格の違うチームになると思います。なので、終った直後にも学生にはそう言葉を掛けました。今日はチームのベースを持つことがいかに大切かを学んだ試合。内容はよくなかったけれど、1:1、根本で勝つこと、チャレンジャーの姿勢で戦うこと。ベースの大切さを再認識した試合でした」


<絶対に譲らない! 試合前の想いを見事に結実させた主将・豊田将万>

「今日は『早慶戦』という大舞台で、慶應に勝つということだけを考えてプレーしました。そして勝つことができた。もうそれだけです。後半20分に同点に追いつかれましたけど、ワセダはトライが取れてましたし、ブレイクダウンで負けてなかったですし、またトライを取ればいいやと。あれだけキックを蹴られたらキツイ、とにかく敵陣とは思いましたけど、慌てるとかそういうものはなかったです。インゴールへのハイパントは…、自分はよく分からなかったですけど、慶應さんには何か狙いがあったはずですし、ワセダとしてはもう守るだけ。自分もただ反応してただけで、状況はよく分かりませんでした。慶應さんにも狙いはあったんでしょうけど、ワセダもよく反応できていたので、問題なかったと思います。今日は帝京戦のあの経験があったので、慌てず、落ち着いて、大人になったということです(笑)。若いメンバーも含め、みんな大人になりました(笑)。テーマに関しては…、まぁ遂行できたんだと思います。もっとブレイクダウンで勝負してくるかと思ってたんですけど、今日はこれまでの慶應さんでした。もっと勝負したかったです。ワセダもミスもありながらしっかり対応してましたけど、やっぱり蹴ってばかりではおもしろくないですから。今日はいかずに付き合って我慢したという感じです。もちろん、その部分も練習してきましたし、慶應さんに対応するために準備もしていたので。ただ、もっと意地の張り合いをしたかったなと。今日は渉太様様ですね。あとは寛造しかり、よく走ってくれました。俺によこせオーラひしひしと感じましたから(笑)。みんなに感謝です。隆平もやってくれましたね(笑)。あの激しさがチームにもたらすものは大きいですし、自分たちも負けないように、逆に隆平の影が薄くなるくらい激しくいきたいです。後半5点差でのスクラム選択については、勝負を決めにいったというか、みんなを見たらもうキックは嫌だという顔をしていたので、じゃあやめて行くぞ!って。あそこで取っていたら理想的だったんですけど…。まぁそれは攻めた結果なので。帝京戦以降、近場は絶対譲るなと言ってきましたが、今日もまだまだです。こういう展開にも慣れてはきましたけど、やっぱり僕たちのやりたいラグビーはどの局面でもチャレンジしていくこと。相手がキックできても、ブレイクダウンに絞ってきても、それを跳ね飛ばせるチームになっていこうと思います。どんな相手にも80分チャレンジすること。それができなくなるとワセダは普通のチームですから。どこでも100%、それを忘れずに。それがこれから更に上にいくために必要だと思ってます。言われてみれば、今日は4年生よかったですね。気にはしてなかったですけど、周りを見たら4年生がいて、みんながんばってくれたと思います。小峰をはじめ、常に落ち着いて話をしてくれて、若いメンバーもしっかりやってくれました。次は『早明戦』。どういう状況であろうが、やっぱり明治は明治。ワセダとやるときは完全に別チーム。絶対に負けられない。強さと激しさを前面に出して絶対に勝ちます。今日はたくさんの先輩たちが見に来てくれて嬉しかったです。権丈さんは顔は確認できなかったんですけど、あの声だけはしっかり聞こえてました(笑)」


<ターニングポイント! スクラム安定で勝利をもたらした副将・瀧澤直>
「今日は内容はよくなかったですし、僕自身も何もしてないですけど、やっぱりこの『早慶戦』は勝つことに意義のある試合と言っていいと思うので、結果としてはよかったです。スクラムは相手ボールはいまいちプレッシャーを懸けることができませんでしたけど、マイボールはビタ止まりで、確実にボールを供給できたという自負はあります。課題課題と言われ続けたなか、仕事はできたと思います。試合展開的には…、うちもあまり形ではなかったですけど、慶應さんもPGだけだったので、怖くはなかったです。流れで点数が開くシチュエーションがくるかなぁと。ブレイクダウンで負けてなかったですし、激しくプレーして勝てていたので、問題ないだろうと。近場含め、まだまだなところはありますけど、FWは最低限の仕事は果たせたと思います。『早慶戦』に勝つことができて、チームが変わっていくのはここでしょ!という感じです。絶対に変ります。次の『早明戦』はもうスクラムです。1年間楽しみにしてやってきました。不安な気持ちというより、もう今日で楽しみだと思える。勝負です。バイスとしても、ここからはもうやるしかない。相手がどうこうより、あと5ゲーム。とにかくやるだけです」

<体現! リーダーらしく体を張り続けた副将・長尾岳人>
「今日はセットからのアタックで前に出てやろうと思ってたんですけど…、そういう場面が少なかったです。まぁでも、勝つことができてよかったです。自分はずっと外からチームを見てましたけど、とりあえず帝京に負けたところはもう明確だったので、戻ったら自分がそれを体現してやろうと思ってました。自分は帝京とはやっていないので分かりませんけど、今日はみんなガンガンいけてましたし、これから『早明戦』を経て、もっともっと成長していけると思います。前半はキックが多くて僕たちのリズムではなかったですけど、渉太のトライで変わりました。後半2本目のトライも、とりあえず渉太に渡そうって。4年生ひとりひとりの責任がシーズンの深まりとともに大きくなってきてますし、みんなそれぞれ思うところもあって、いいプレーができたというか、頼りになる奴らです。ディフェンスに関しては、タテタテではなかった相手に対して、引いて喰い込まれてしまっていたので、そこはCTBとして要反省です…。そこはしっかり修正しないといけないなと。今日は相手のキックが多かったので、ラグビーの原点で勝負だ!ってみんな火が付いて、激しさが増したと思います(笑)。守ってる時間も絶対に大丈夫だって。今日はいいキッカケになる試合だったと思います。ここからまた変わって、『荒ぶる』まで突き進めるかが懸かっていた試合。そういったゲームに勝つことができて、本当によかったです」


<本日の『Dynamic Challenger』!爆走を連発したWTB田中渉太>
「いい『早慶戦』でした(笑)。ずっと点数が動かず、自陣にも長くいて、苦しい雰囲気でしたけど、そんななか勝てたのは大きいです。バックスリーとしては、ずっとキック処理に奔走していたという感じ。もっと早く切り替えてボールを動かしにいってもよかったかなと思います。後半のあのトライはもうカウンターでもらったときに、外で岳人がいて相手を釣ってくれていたので、絶対いけるって。勝負にいったらきれいに抜けて、あれは岳人のおかげということにしといてください(笑)。局面を自分が変えてやるとずっと思っていたので、実際そうできてよかったです。今日はセットからも少なかったですし、ほとんどアタックしてない感じでしたけど、そのなかで岳人が素晴らしいタテを見せてくれていて、足は遅かったですけど(笑)、チームが厚くなったなと感じました。4年目にして初めての『早慶戦』ということで、めちゃくちゃ緊張して、昨日も寝られず、ドキドキだったんですけど、グラウンドに立ったらそんなものも消えて、いい感じで試合に入ることができました。そうしたら、すごいことになってました(笑)。BKのディフェンスに関しては、よくはなかったですけど、途中から切り替えられて、声を掛け合えてやりやすかったです。今日の勝利でチームは乗っていけると思います、絶対に。『早明戦』、そして大学選手権も自分らしく思い切りやります! 今日は寛造に負けずいい形を出せてよかったです。寛造のことは信頼していますし、今はライバルという意識より、頼りになる仲間として見ています」

<攻守にビッグプレー連発! 大舞台に躍動したフッカー有田隆平>
「何て言うんでしょう、今日はビッグゲームでしたけど、特別緊張することもなく、自分を出せたと思います。ずっと課題と言われてきたスクラムでもマイボールを安定させることができてよかったです。試合展開的には、点数を取られたところはペナルティが多くて自陣、自滅という感じでした。それがなければもっといい試合ができていたと思います。アタックは…、激しく強いプレーをしてやろうと思ってたので…、はい(笑)。ジャッカルもその前にいいタックルをしてくれていたので、自分は入るだけでした。ラインアウトが少し乱れてしまったのは、投げるところ投げるところに慶應が競ってきたとはいえ、自分のスローミスもあったので反省です。そこはまだまだだなと…。サイドディフェンスも悪くはなかったと思いますけど、マークしていたSHにいかれてしまって…。コールはしていながら動かれてしまったのは、意識が足りないということだと思います。ブレイクダウンに関しては、かなりいけてたかなと。大外でもしっかりキープできてましたし、いくつか越えられたところはありましたけど、いいオーバーもあってよかったです。スクラムは本数があまりなかったですけど、マイボールがしっかりと安定して供給できたのは成果だと思います。今日の勝利でチームはまた変われる、よくなっていけると思います。僕が言うのもなんですけど(笑)」

<4年間の想いをぶつけ、WTB田中渉太・魂の叫び!>