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2024
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対東海大 『豊田組』、覚悟を決めて雪辱の舞台へ!


 有言実行、覚悟と執念、『ULTIMATE CRUSH』。ワセダには伝統と果たすべき使命がある―。大学選手権準決勝・対東海大。この4日間、らしさ溢れる時間を過ごした『豊田組』は、新年一発目からその力、成長の跡を見せつけた。「何か新しいことをやろうというのはまったくありませんでした。中竹さんと僕たちがやってきたこと、1年の歩みに間違いはなかったと証明するために、自分たちを肯定するためにやるだけです」(主将・豊田将万)。
 決戦に臨むにあたり、中竹監督からの落とし込みに加え、学生たちから3つの宣言があった。僕たちはこれをやります!東海大にはこうして勝ちます! そこに書かれていた決意は3つ。タックル、動き出し、ディフェンスでのノミネート。すべて筑波大戦で出た、さらに言えばシーズン中ずっと抱えてきた課題。変えるのは自分たち。自らに課したマスト。この学生たちの意識の高さに中竹監督は感激し、その胸の高鳴りに呼応するように、チームの力は高次元で結集した。伝統vs実力?東海有利?ワセダ、ピンチ? 周囲がどう思おうが、俺たちには関係ない。「どんなに苦しくても、自分を信じ、仲間を信じ戦ったとき、ワセダは絶対に勝てると思います」(井口剛志)…。そこに流れた清浄な空気。元旦の決意表明、『豊田組』はこれまでにない姿を見せていた。覚悟は決まった。理屈抜き、すべてを懸ける。
 試合は学生による3つの提示、まさにそのままの展開。1対1、タックルで確実に相手を仕留める。東海大の深いラインに対しても、恐れずに前に出る。たとえ外で余られてもいい。オンリーワン、そのリスクを負ってでも構わず前へ。高度に鍛錬されているであろう東海大・理詰めのアタックには理屈抜き、接点制圧。激しく、熱く、大胆に。生真面目に仕掛けてくるカウンターも勤勉に抑え、猛威を振るうオフロードへの道もしっかり封鎖し、東海大から思惑どおり自由を奪った。これぞ『ULTIMATE CRUSH』、究極の破壊。「ワセダのラグビーは、僕たちのラグビーは理屈じゃないんです」(主将・豊田将万)。
 ずっと言い続けられているペナルティコントロール、仕留めの精度(チャンスはたくさんありましたが…)、そして何より一瞬たりとも気を抜かない執念と、まだまだまだまだ足りないところもありながら、全員がひとつになり、魂入れて、ついに雪辱の舞台に到達。『Dynamic Challenge』の今シーズン、本当に色々なことがあった。途中、心が折れそうになるときもあった。しかし、豊田将万はその信念と強さで、決して逃げることはしなかった。それを手に入れるためなら何でもできる。それがあるからがんばれる。「このみんなと歌うことができれば後のことはどうでもいい。中竹さんを泣かせたい。選ばれた22人がそれぞれの責任をしっかり果たすことができれば大丈夫です」(主将・豊田将万)…。『豊田組』、ワセダのすべて・『荒ぶる』まであと1つ―


<決勝でのリベンジへ学生たちの成長を感じる中竹監督>

「東海のあのどこからくるのか分からないアタックは、彼らの理論どおりにいけば大量点に繫がるので、いかにしてそれを崩すか。ワセダとしては理屈ぬき、接点で圧倒して勝とうと臨みました。たとえ外側が余られたとしてもリスクを負って前に出る。その割り切り、覚悟を決めて戦ってくれた学生たちに敬意を表したい。ただ、ラストの2トライはいらなかった。あそこは東海に意地で負けた。そこは残念だったけれど、学生も負けたような顔をしていたので、次に繫がると思います。今日は反省しきりのゲームという感じです。あとは試合に臨む上で、誰もが東海は強いと言ってくれていたのは楽だった。ワセダが勝つなら伝統の力と言われたりするなか戦えたのは非常によかったです。これまで波のあるゲームをしてきましたけれど、あと1つ、『豊田ワセダ』らしいゲームをしたいと思ってます。東海は普通に継続をしたらトライを取るチーム。それをさせないために、ワセダとしてはブレイクダウンを、人数を掛けてでも圧倒する。東海側から見たら、もう1本、あとひとつ通っていればというところがたくさんあったと思う。けど、ワセダはそのリスクを負って戦った。そこをうま~く対応しようとするチームが多いけれど、ワセダは前に出る。日本でこんな無茶な、無理なシャローをしているチームはワセダの他にないけれど、そこをやろうって。今日は学生たちの覚悟を十分に感じることができた。試合前の彼らを見ていてもそうだし、今週はずっとよかった。ただ、執念という点ではまだまだ。執念が本当にあったら、ロスタイムに取られたりしないし、意地にやられたりはしない。学生から3つの提示があったけど、今日の試合ではバッチリだった。自分たちから言っておきながら、できなかったらどうしようというリスクを負って俺に提示してきて、それをやりきって勝った。これは大きな成果。決勝はもうリベンジ。それしか頭にないです」


<有言実行!この1年を肯定するため戦い続ける主将・豊田将万>
「2回戦から中4日という厳しい状況ではありましたけど、やることを明確にして今日の試合に臨みました。伝統のワセダ対実力の東海と言われたなか(某メディアでそう評されてました…)、今日は僕たちが伝統の力で勝ったという感じです(笑)。準決勝までの時間が短いなか、何か新しいことをやろうというのはまったくありませんでした。1年間やってきたことをやろうと、僕たちから提示したら、中竹さんもそれいいねと言ってくださって。相手が東海だからこうしようというのはなかったです。リーチがどうとか、安井くんがどうとか、意識してたわけではないです。ボールを持つ機会が少なかったのは、ワセダがうまくディフェンスしたということだと思います。ディフェンスに関しては、僕としてはリスクを負ってる感じはないんですけど…、そう感じていたからこそ、思い切り勝負できていたのかなと。ブレイクダウンもしっかり勝てたと思います。セットプレーについては普通です。いつもやっている感じでした。決勝に向けては、僕はこのみんなと『荒ぶる』を歌えれば、後はどうでもいいと思っているので、そこだけを見て、残りの時間を有効に使って、中竹さんを泣かせたいと思います。<以上記者会見> 自分たちで掲げた3つのやることは、みんなで夜に集って決めました。普段もミーティングはしているんですけど、今回は少し違う形で。タックル、動き出し、ディフェンスのノミネート。試合中も本当にそこばかり言い続けてましたし、概ねできていたとは思いますけど、もっともっとやれるところがあったかなと。テーマであった『ULTIMATE CRUSH』についても、遂行できたと思います。ただ、まだ個人によって差があるので、それを全員でできるようにならないと、『荒ぶる』には届かない。今日はできた方だとは思いますけど、もっとやらないといけません。中竹さんから覚悟という言葉がありましたけど、昨日のゲバを見てみんな何かを感じて、目の色が変わりました。覚悟は十分あったと思います。でも…、執念がまだ足りません。あそこで取られてしまったらそれまでと一緒。分かっていてできないのは単に実力がないだけ。そこを最後まで0に抑えられる力を意識してやっていく必要があると、改めて感じました。正直、まだまだ不安なところもありますけど、今更どうこう言ってられる状況ではないですし、選ばれた22人がそれぞれの責任をしっかり果たすことができれば大丈夫です。決勝までの1週間は、この4日間いい形で過ごせたように、自分たちは何をすべきなのかをしっかり考えて、反省して、すべてをぶつけていきます。中竹さんと僕たちがやってきたことを形にして、1年の歩みに間違いはなかったと証明するために、自分たちを肯定するためにやるだけです」

<ついに決戦の舞台へ!その喜びを噛み締める副将・瀧澤直>
「もう、やっと目指していた舞台に立てると思うと、嬉しいというか、とうとう来たなと。この4日間は…、もう負けたら終わり、安定した勝ちをするチームではないですし、浮き沈みがあることもリーダーたちは自覚してました。まだ受けているところもあった4日間でしたけど、その不安定さも含めて僕たちですし、そういった面も含めていい時間を過ごすことができたのが、前半のいい時間につながったと思います。点数がどうこうとか、トライがいい形であったかは分かりませんけど、前半の40分+後半の20分まで0に抑えることができたのはよかったです。攻められてもいかれなかった。それは僕たちのやりたいこと。予定通りで流れがきたと思います。FWのディフェンスに関しては、やっぱり隆平、中村がビッグタックルを連発してくれました。そこに東海が入ってこないところをターンオーバー。ふたりに非常に助けられた感じです。それだけではなく、全員が集中してオフロードを繋がせなかった結果が表れたんだとも思います。スクラムは…、よかったといえばよかったです。参考外かもしれないですけど、1つの理想の形ではありました。決勝の相手に同じように組めるとは思ってないですし、もっとタイトになるでしょうし、ひょっとしたら安定しないかもしれないですけど、やるだけです。今日はよかったとだけ言っておきます。今日のまま、次同じようにいけるとは思ってないです。いよいよラストひとつまできました。2年、3年と決勝の舞台には立っていますけど、4年生として、『豊田組』としてこの舞台に立つことができる、自分の見てきた先輩たちと同じところに立てるのは本当に嬉しいです。最後の20分2本取られたような抜ける試合をしたら絶対に負ける。その舞台に立てる嬉しさと今日の反省、悔しさを肝に銘じて、やっていこうと思います」


<何だってできる!『荒ぶる』へ向け誓いを新たにする副将・長尾岳人>
「やっぱり4年という立場で、常に負けたら終わりというなかやっているので、こうして1試合勝つたびにホッとしています。今日はタックルを意識していて、ちょっと外されるところもありましたけど、FWはメチャメチャよかったですし、ターンオーバーもたくさんあって、相手にもプレッシャーを掛けられてよかったと思います。BKもいいディフェンスができたかなと。パスにドンピシャで入ることはできなかったですけど、前で止められていたのはよかったです。別に怖くなかったですし、しっかり前にでることができました。そこはずっと練習でやってきたところなので。接点も勝っていたと思います。アタックに関しては、風があったので、山中のキックを使いつつ、相手のカウンターを考えながらやれたのはよかったと思います。決勝に向けては…、ホントにあとひとつ。やっときたという感じです。とにかく『荒ぶる』を歌うことだけを考える。そのためだったら何だってできる。残り1週間、できることをすべてやっていきます。やっぱり自分たちのコアである1対1、ブレイクダウン、ディフェンス。特にディフェンスです。今週も3つを決めて、それだけをやってきましたから。決勝もそこが勝負です。決勝に進めることは本当に嬉しいですけど、今日みたいな最後をやっていたら絶対にダメだと思うので、そこはしっかりやっていきます。今日は中竹さんの言われていた覚悟、みんなあったと思います」

<本日の『Dynamic Challenger』!ミラクルを連発した有田隆平>
「いやぁ、よかったです。今は終わって安心、まずは一安心という感じです。今日は僕自身、接点でやってやろうと思ってました。キャプテンが対面、さらにFWにはリーチ、マウという外国人選手がいたので、絶対にそこでは引かない、まず自分が勝つって。セットでは、まず対面であるキャプテンに負けない。そしてフィールドでは外国人ふたりを抑える。タックルに関しては…、もう相手が来てくれたので(笑)、いい感じで入ることができました。セットプレーも、秋に練習したときはかなりやられたりもしたんですけど、この4日間で修正というか、対東海のいいイメージでやることができたので、その成果が出たと思います。意識していたブレイクダウンも制圧でした。ターンオーバーすることも多くて、そこからのアタックでトライも取れましたし、よかったです。敵陣でチャンスのときのオフサイドなどはよくないところでしたけど…。あのトライ(相手キャプテンを外し、ライン際を爆走!)ですか?、もう豊田さんのパスがすべてです(笑)。ナイスパスがきて、一気にいけました。決勝に向けては、もうやるだけです。あとは自分たちのラグビーを思う存分やりたいと思います。新年早々、まずまずいい試合ができたという感じです。おみくじは小吉でしたけど…(笑)、よかったです」


<体張る!ワセダの命運を握るSO山中亮平>
「今日は準決勝、相手は勢いに乗っている東海ということで、絶対にいい形で勝って、決勝に繫げようと思ってました。筑波戦はよくなかったですけど、残りの期間でやること3つ、ディフェンス、動き出し、ノミネートを自分たちで決めて、それをしっかり出せたと思います。昨日の決意表明で体を張ってくるとみんなの前で言って、今日は低くタックルにいくことを心掛けてました。できていたかは…、まぁまぁという感じです。試合内容としては、いい形で取ったところもありましたけど、最後に2本取られてしまったり、まだまだだなと。ロスタイムまでしっかり戦えるチームにならないと勝てない。そこはしっかりやっていこうと思います。アタックについては、練習どおりのところもありましたし、しっかりできていたとは思います。ブレイクダウンに関しても、激しくて、前に出てターンオーバーする場面がたくさんあってよかったです。決勝に向けては、もうラスト、『豊田組』の集大成なので、『荒ぶる』を取れるように1日1日を大切にして、気を引き締めて、一瞬たりともムダにせず、その戦いにすべてを懸けます。僕自身もそうですし、みんなのイメージも段々合ってきてきて、いい感じです。東海には絶対負けたくないと思ってました。仰星からワセダに入って、ワセダの方が強いと証明できてよかったです」


<有田隆平、おみくじは小吉でもリーチにはビッグヒット!>