試合後、交錯したふたつの思い―。笑顔の談笑と、険しい顔の猛反省…。春シーズンもいよいよ終盤。赤黒を目指し戦う『早田組』セカンドチームは、ふたつの顔をのぞかせながら、リーグ戦一部校に快勝した。
まず、前半19-19の大きな要因、ハーフタイム、試合後とすぐさま選手間で話し込む姿が見られたのが、ルール改正で再度キーファクターに浮上してきたモールディフェンス。28分、33分とガッツリ組まれ、あっさり失点(ともに起点はペナルティ…)。自分たちより大きな相手から、いかにして自由を奪うか。いかにして気力を奪うか。逆にモールを起点に2トライを挙げたものの、コミュニケーションミスも含め、その対応は改めて大きな課題だと痛感させられた。モールを制する者はゲームを制す? 「ショートサイドに関しても、起点はモールからの移行。自分がひとりでやってしまったり、みんなにしっかりどうするのか伝えたとしても、それを理解していなかったり…。今日はBKがくれた勝利です」(ロック岩井哲史)。来るべきシーズン、この春待ち受ける相手を考えると…、最重要強化ポイント!!
一方、モール絡み以外の失点5、得点66の爆発を呼び込んだのが、SO山中亮平、CTB宮澤正利を発火点とした「前への圧力」。アタックにおける仕掛けの迫力(躍動感MAX!)、ディフェンスのアップ、ともに抜群。2人の織り成すスピードに、他のメンバーも押し出され、攻守に相手を圧倒した。結果、SO山中亮平はチーム随一の強さを武器に、ひとりで5トライ。仕掛けてよし、放ってよし、仕留めてよし。ただ今、堀川コーチを中心に大改革中…。その心にも大きな変化が。「これまでは周りに任せてしまうようなところがありましたけど、今は自分が引っ張るんだって。体を張らなくてはいけないですし、普段の練習相手が強い分、成長を実感できています。Bに落ちたときは本当に悔しかったですけど、ディフェンスが悪いのは自分でも分かっていましたし、意識が変わりました。村田(賢史)さんは、お互いを高め合える存在です。村田さんと勝負することは、自分の成長に繫がりますし、これからも切磋琢磨していけたらと思っています」…。
早急に手をつけるべき大きな課題を出しながら、1つのカベを乗り越え、次週はつい先日、ホームでものすごいものを見せられた明大ABC戦。鉄は熱いうちに打て。ワセダ、全員でこの春一番の『Explosion』を!
<ワセダのビリー? 久々の実戦で存在感を見せたプロップ横谷祐紀>
「FWとしての課題だったモールディフェンスでやられてしまったのは、やっぱり気になります…。後半はリズムを掴んで、みんな積極的にプレーできていたのはよかったと思いますけど。スクラムに関しては、前半はあまりよくなかった(ターンオーバーふたつ…)ですけど、後半は(フッカー)松井を筆頭にこちらから仕掛けて、いいスクラムが組めたと思います。密着感があって、自分としても押しにいきやすかったですし、うまく力を伝えられたかなと。モールディフェンスについては、どう対応するかのコールミスもありましたけど、姿勢も高かった。もっと低く入るようにしなければいけないと、改めて感じました。今日は久しぶりの試合ということもありましたし、弟と初めて一緒にやるので、それが楽しみでした(笑)。実際楽しかったですし、パフォーマンスの面で言えば、試合の感覚をこれからつけていって、自分が引っ張るんだという意識でがんばっていきます。ラストイヤーへの意気込みは…、一言でいいですか?、SMASH!!」
<好プレー連発!随所にリーダーシップを発揮したロック岩井哲史>
「今日はBKが取ってくれたという感じです。スクラムでもモールでもいかれてしまうところがあった。BKがくれた勝利です。モールはやっぱり課題ですね…。ショートサイドに関しても、起点はモールからの移行ですから。全員が入ってしまってピラーがいなくなったり、課題です。モールへの対応については、自分がひとりでやってしまったり、みんなにしっかりどうするのか伝えたとしても、それを理解していなかったり…。それぞれが頭に血が上ってしまって、やられてしまいました。動き出しの部分に関しても、スクラムで負けてしまうと、やっぱり徐々に悪くなる。頭の切り替えも必要なんですけど、なかなかできない。そこもこれからの課題になってくると思います。個人としては、ランナーとしてボールをもらうことを意識してました。イメージはできているんですけど、自分の場合は如何せんキャッチができないので…。そこは中竹さんにも常に言われています…。そこの精度をこれから高めていきます。今日はFWとしては、課題の残るゲームでした。今上のチームにいる(清水)直志さんは、本職ではない選手。もちろん持ち味を生かしてロックをされているんですけど、自分も元々3列ではありながらロック3年目なので、超えられるように、しっかり強みを出していきたいと思います。アタックではランナーとしてのスキル。ディフェンスではタックルというより、ジャッカルでどんどん絡んで、勝負していきます」
<才能爆発!試練の日々に着実な進化を遂げるSO山中亮平>
「前半はちょっとFWがいかれるところがあって、繫がれてゲインを許して、モールで取られてしまいました。地域を取られて、テンポも悪くて、押されていた。後半は自陣からも攻めていくようにして、テンポを上げたら、相手がついてこれなくなったという感じです。後半の形を前半からやらないといけなかったです。前半は自陣でやるシチュエーションが多かったですし、テンポも悪かった。そこが前半と後半の1番の違い。大事なところです。自分の5トライについては…、ドンドン自分から仕掛けて勝負することを意識しているので、行くべきところを行って、結果トライに繋がったのはよかったと思います。やってきたことを出せました。アタックに関しては、全体で仕掛けることができていましたし、ディフェンスもしっかりと狙っていいタックルができました。特に後半はゲインを許すこともなく、全員が人に行けていてよかったなと。ゲインをした後にも、しっかりと流れずアタックできていましたし、余ったらしっかり外に持っていく。攻守ともに、前への圧力は出せていたと思います。Bでプレーして3週間くらい経ちますけど、何て言うんでしょう…、Aにいたときとは違って、自分が引っ張らなくてはと思っています。これまでは周りに任せてしまうようなところがありましたけど、今は自分が引っ張るんだと。体を張らなくてはいけないですし、普段の練習相手が強い分、成長を実感できています。すごくいい経験です。(BKコーチの)堀川さんには、練習を見てもらって、SOとして足りないところ、自分の課題を指摘して頂いています。勝負することだったり、仕掛けることだったり。Bに落ちたときは本当に悔しかったですけど、ディフェンスが悪いのは自分でも分かっていましたし、意識が変わりました。村田(賢史)さんは、お互いを高め合える存在です。村田さんと勝負することは、自分の成長に繫がりますし、これからも切磋琢磨していけたらと思っています」
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