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2024

対帝京大B(Jr選手権) 残された時間


 この週末は帝京を勢いづかせるためにあったのか…。前日の6-3を重く受け止め、やることを絞り迎えた、カテゴリーを変えてのリベンジマッチ。そこには、更なる惨劇が待っていた。「Aがああいう試合をしたので、今日の試合はチャンスだと誰もが思っていて、ファーストから行こうと言っていたんですけど…」(ゲームキャプテン・和田卓也)。
 前日とは打って変わり、帝京がいきなり自陣からでも仕掛けてくる違いはあったものの、この日も根本のところは秩父宮で見た現象とほぼ同じ。ディフェンスを切り裂かれるイメージはさほどなくても、攻めてはミス、ブレイクダウンは後手後手、激しく絡まれ、体を当てられ、煽られる。振り回そうにも、テンポを上げようにも、セットを含めた起点を制圧され、何もすることができなかった(両WTBのボールタッチは片手程度…)。そして、この状況に輪を掛けたのが、普通とは言えないペナルティの多さ。ゲート、ロールアウェー、ハンド、オフサイド…。前半11、後半9の計20。これでは勝てない。「まったく何もしていない」(SO村田賢史)まま、静かに、おとなしく、時間だけが過ぎていった。「前半からペナルティ、ミスでチャンスを潰して、毎回やっていることが同じだなって…。流れを変えられないのは4年生である自分たちの責任。ブレイクダウンのところでは、ひとりひとりが負けていました…」(ゲームキャプテン・和田卓也)。
 インターセプトにモールからのFWサイド、お互い1本ずつ取り合って迎えた後半は、流れを変えるどころか、更なる泥沼に足を踏み入れたドハマリゲーム。11分、ナイスジャッカル!とはいかずにPGを決められ7-8。17分、モールで釘付けにされたのち速攻→ラックの上を越えられ7-15。後半はエリアマネジメントの概念が消えたのか、自陣からでもほとんどアタック。その都度捕まりターンオーバー。キックを蹴っても、ファーストタックラーが度々外される。そこから背後にキックを落とされ、ずっと自陣。常に前に出てプレーし続ける帝京に、「エリアとはこう取るものだ」と教えられているかのようだった。「なかでプレーしているときは、自陣からでも攻めていけばいけると思ってたんですけど、外から見たときは、もっとキックを交えて、そこからターンオーバーを狙えばよかったなと」(SO村田賢史)。何もできない、変えられない、ワセダとしては実に寂しい戦いぶりだった。
 これでジュニア選手権、痛すぎる2敗目。このままでは~と感じたことはこれまでにあっても、リアルに崖っぷちに追い込まれた。脆弱なブレイクダウン、セット、判断、ゲームメークetc 課題は山積み。「この週末は、今の自分たちの力のなさを教えてくれた、今後の教訓にするべき試合。もっともっと基本に立ち返って、次のリベンジの機会で力を発揮できるように、前を向いてやっていく」(中竹監督)。「僕たちにはもう時間がないんです。この一週間はBにとっても、ワセダラグビーにとっても大事なものになると思います」(ロック・星野泰佑)。これまで溜め込んできたはずのエネルギーを爆発させろ! 苦しくても、逃げることなく、死に物狂いで! そもそも今年は、危機感から始まったチーム。こんなところでは終われない。『早田組』、イバラの道を前を向いて突き進め!

<試練の週末… チームの課題を再認識する中竹監督>
「今日もまったくやりたいことを帝京にさせてもらえなかった。基本のところでプレッシャーをかけられて、それが最後まで80分続いてしまったゲーム。攻めるチャンスのないゲームになってしまったのが、自分たちの力を発揮できなくする要因だと、改めて思い知った。昨日の教訓を生かせなかったのが、一番の反省。この週末は、今の自分たちの力のなさを教えてくれた。今後の教訓にするべき試合。もっともっと基本に立ち返って、次のリベンジの機会で力を発揮できるように、前を向いてやっていきたい」

<崖っぷち… 同じ過ちに自らを責めるゲームキャプテン・和田卓也>
「昨日Aがああいう試合をしたので、今日の試合はチャンスだと誰もが思っていて、ファーストから行こうと言っていたんですけど、前半からペナルティ、ミスでチャンスを潰して、毎回やっていることが同じ…。流れを変えられないのは4年生である自分たちの責任であると痛感しています…。今日はすべて自分たちのペナルティが始まり。レフリーの方としっかりコミュニケーションを取ろうと意識していたんですけど、うまく対応することができず…。ブレイクダウンのところでは、ひとりひとりが負けていました。2人目まではワセダの方が早かったですけど、3人目、4人目は帝京の方が早く、強く、後ろから勢いよくきて、それに対して後手後手に回ってしまって。後半に関しては、ラインアウトの精度もよくなかったので、もうペナルティをもらったら速攻で行こうと。セットも自陣から攻めにいったんですけど、1人目のキャリアが簡単に倒れて、寝方うんぬんより、単純に一人ひとりの強さの問題でした。やっぱり敵陣に行きたかったんですけど…。キックでも下げられ続けて、どうにかしなければ、どうにかしなければと思っているうちに終わってしまった感じです…。スクラムに関しては、相手のフッカーが替わってから乱れてしまいました。今日負けて、セカンドフェーズに進めるかすら怪しいと中竹さんも言われてましたけど、本当にもう後がない。来週できなければ、Bチームとしてこれで終わってしまう。すべてを懸けるしかないです。僕たちにはもう後がありませんから」

<勝負の一週間! かつてない危機感を口にするロック・星野泰佑>
「やっぱり今日も前半から反則の連続でリズムを崩して、それを最後まで変えることができませんでした。悪い流れを断ち切れず、最後までズルズルいってしまい、そこは僕たち4年が修正しなくてはいけなかったんですけど…。責任を感じています。帝京は帝京らしかったです。ブレイクダウンがしつこくて、櫻井に対して球が出るときまでずっとプレッシャーをかけてきて、クリーンアウトできないFWに問題がありました。スイープで超えきる意識がもっともっと必要だなと。反則については、ブレイクダウンで際どいプレーをしてはいけないということ。レフリーの方もブレイクダウンに厳しかったですし、みんなでセーフティ、反則はしないと言ってはいたんですけど、我慢することができなかったです。自滅です。後半は有効に地域を取ることができず、前に出ても反則、トライを取られることはなくても、ずっと自陣でターンオーバーの悪循環。自陣からでも攻めようと言っていたんですけど、ブレイクダウンでプレッシャーがかかって、FWの枚数を使ってしまって、思っていたようにやらせてもらえませんでした。もう自分たちは後ろを振り返っている暇はないですし、下を向いている場合でもない。前を向いてやるべきことをやっていくしかないです。今日、明日でしっかり反省して、火曜からみんなで変わろうって。4年生にはもう時間がない。次は絶対に変わった姿を見せなくてはいけない。この1週間はBにとっても、ワセダラグビー部にとっても、大事な1週間になると思います」

<何もできず完敗… 試合後猛省のSO村田賢史>
「今日はまったく何もしていないという感じで、試合が終わってしまいました…。アタックではこうしようとみんなで話して、チームとしてコンセンサスはあったんですけど、走れない、人がいない、ボールも出てこないという感じで。エリアも全然取れなかったですし。特に後半はもっとキックを使うべきだったと思いました。なかでプレーしているときは、自陣からでも攻めていけばいけると思ってたんですけど、外から見たときは、もっとキックを交えて、そこからターンオーバーを狙えばよかったなと。ワセダにはその形がしっかりあるので…。ブレイクダウンには相当プレッシャーがかかっていたと思います。櫻井からのテンポもでなかったですし、そこでまたブレイクダウンで圧倒されて、人数を掛けることで、どんどんワセダの数が減っていくという悪循環。BKとしても苦しかったです。昨日の試合で帝京のディフェンスが出てきていたので、その対応策も考えていたんですけど、そのまた別のところで止められてしまいました。最後までズルズルいってしまったのは、練習そのまんまだと思います。もう後ろを振り返ってもいられないので、前を見て突っ走っていくしかないです」