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2024
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対立命館大 進むべき道、信念と拘り


 ワセダ、91年目の大願へ―。第46回大学選手権がいよいよ開幕。悲壮な決意、「爆発」を胸に臨んだ『早田組』は、北風に晒されながら、改めて大切なものに気づかされた。やっぱり今年のチームは、危機感が大前提…。
 慣れないシチュエーションで迎えたゲームは、もっとも簡潔に表現すれば、ザ・一回戦。大事な一歩目、ステップアップのための貴重な80分と分かっていながら、サラッと時間が流れていく。ファーストラインアウトでミス、続くモールでポロリ、ボールを持ち続けても最後は失速。開始から25分は9割敵陣、前半を通しても大半をアタックに費やしながら「爆発」しきれず、誰しもの心がくすぶった。「どこのチームのみな本気。危機感を持ってやっていこうと言い続けてきたんですけど、立命館のあの気合、プレッシャーの前にやりたいアタックができませんでした。自分自身もチームをまとめきることができなくて…」(主将・早田健二)。
 それでも、そんななかでも24-0と安全圏に身を置いていたものの、あろうことか、後半はこのよどんだ空気が更に悪化。火に油を注ぐとは、まさにこのこと。入りからミスとペナルティを何の気なしに繰り返すと、フツフツ燃える立命館は完全に発火した。モールで下げられ、小気味よくボールを動かされ(これまで対戦してきたチームで一番?!)、ディフェンスでもしつこく、激しく食い下がられる。終いには13分、やっとの思いでインゴールを陥れながら、執念のトライセービングタックル。「立命館の思い切り前にでるディフェンス、アタックに対してペースが掴めず、うちがこういうラグビーをしたい、素晴らしいなと。今日でひとつステップアップしたいと思っていたけど、まだまだ力が足りないことが分かった」(中竹監督)。やはり大学選手権は別世界。ワセダの意地を見せるどころか、立命館に思い切りその生き様をぶつけられた。
 最後はペナルティからこれでもかの速攻、主将・早田健二の「らしい」走りで面目を保ち、かつディフェンスのチームろしく完封を達成したものの、試合後の選手たちに笑顔はなし。負けたら終わりのトーナメントで立命館が大切なことを教えてくれた。チーム発足以来の大前提に改めて気づくことができた。この日立命館が灯してくれた火を、今度はワセダが「爆発」させる番。次戦12月27日は、運命の帝京大戦。「もう目の色を変えてやるしかない。今日の立命館くらいガムシャラにいきたいです。このチームのスタートである危機感を改めて全員に落としていきます」(主将・早田健二)…。「色々考えずシンプルに、ワセダのやるべきことができるか。学生たちが何を頼りに、何を信じて、何に拘るか。そこにすべてが懸かっているので、強く信じて、大きな壁を越えたい」(中竹監督)…。まずはこの一週間、己に克つところから。ワセダがワセダであるために、やるべきことはただひとつ。『早田組』、ここでできなきゃ男じゃない―

<拘りと信念! 帝京戦をしっかり見据える中竹監督>
「立命館の思い切り前にでるディフェンス、アタックに対してペースが掴めず、うちがこういうラグビーをしたい、素晴らしいなと思いました。ワセダとしては、成果なくゲームが終わってしまった感じです。今日でひとつステップアップしたいと思っていましたが、まだまだ力が足りないことが分かりました。やろうとしたことがなぜできなかったのか、選手たちが考えて修正してくれることを期待したい。(ラインアウト投入者が途中で変わったのはなぜかの問いに)どちらにも試合で投げるという経験を積ませたかったからです。練習でも半分ずつ投げていますし、ともに急遽やるようになったので、どれだけゲームでできるか投げさせました。今日は結果0に抑えることができてよかったですけど、アタックをさせすぎてしまった感は否めないです。立命館のアタックをスローテンポにさせようと思っても、そうさせてくれませんでした。学生たちとも話しましたが、すごくうまかったと言っていました。翻弄されてしまったところがあります。それでも、いいアタックをしてくる相手を0に抑えられたことは大きいです。これだけ振ってきてくれるチームはなくて、どこも固いラグビーをしてくる相手が多かったので。ディフェンスを鍛え上げる一番いい相手だと思いましたし、楽しみにしてました。その結果の0はよかったです。(ケガ人が2回戦に出場可能か教えて頂けるか問いに)中田、有田はちょっと厳しいでしょうね。奇跡が起きてくれれば別ですが、無理でしょう。突然いるかもしれませんが(笑)。(長い目で見ても無理なのかの問いに)国立では違う番号かもしれませんね。田邊に関しては、まだ分かりません。<以上記者会見> 今日はステップアップしなくてはいけないゲームだったけれど、予想以上の相手のプレッシャー、気迫の前に、ワセダとしては思うような展開に持ち込むことができなかった。これまでペナルティコントロールをしっかりとして、色々と苦しい局面でも我慢できていたけれど、今日は自制することができず、珍しく多くの反則を犯してしまった。原因は色々とあるけれど、反則の多さは反省しなくてはいけない。それでも、相手を0に抑えることができたのは大きな成果。立命館の早く大きくボールを動かす精度の高いアタックに対して、継続されながらもノートライに抑えることができたのは、ひとつの自信になる。今日のテーマであった動き出しに関しては、練習から意識してきて、かなりよくなってはきているけれど、まだまだ試合ではできていないという感じ。それでは意味がないので、引き続き重要性を認識してやっていきたい。ただ、学生たちが自分たちでテーマを決めて、それを遂行しようという意志はすごく見えた。今後の取り組みに期待です。早田が危機感を改めて思い出させてくれたと言ったみたいだけど、まさにそのとおり。危機感なくしてこのチームは語れない。日々の練習からしっかりと意識して、次の戦いに向かっていく。帝京戦は色々考えずシンプルに、ワセダのやるべきことができるか。学生たちが何を頼りに、何を信じて、何に拘るか。そこにすべてが懸かっているので、強く信じて、大きな壁を越えたいと思います」

<チームの原点! 危機感を改めて口にする主将・早田健二>
「今日は立命館さんのディフェンスプレッシャーの前に、やりたいアタックがまったくできませんでした。準備してきたアタックで、取れた部分もありますけど、まだまだ精度が低いです。次の帝京大戦は絶対に負けられないので、まずコンタクトの部分から修正して、臨みたいと思います。代わりに入ったメンバーとのコミュニケーションが取れていないですし、自分自身もチームをまとめきれませんでした。また週明けからしっかりやっていきたいです。<以上記者会見> 大学選手権は負けたら終わりですし、どこのチームのみな本気。危機感を持ってやっていこうと言い続けてきたんですけど、立命館のあの気合、プレッシャーの前にやりたいアタックがうまくいきませんでした。ボールキャリアが受けてしまう場面が多かったです。トライを取った場面ではいいテンポでできていたので、そのブレをなくしていかなくてはいけません。相手がボールを動かしてきたところに対しても、FWが走れていなかったですし、BKも仕留めきれないところがあった。今日は動き出しがテーマでしたけど、できていなかったという印象です。ステップアップすることはできませんでした。1つ成果を挙げるとすれば、トライを取られなかったこと。逆にスイープで剥がしきるところ、プレッシャーを掛けていくところは、もっとやっていかないとダメです。次の帝京戦は、もう目の色を変えてやるしかないです。とにかくブレイクダウン。そこでプレッシャーを掛けられたらワセダは負けますし、帝京は絶対にそこに拘ってくる。今日の立命館くらいガムシャラにいきたいです。今日は自分たちはチャレンジャーであるということを改めて思い出させてくれる試合でした。このチームのスタートである危機感を改めて全員に落としていきたいと思います」

<この日も堅実! 帝京戦へ向け誓いを新たにするロック清水直志>
「大学選手権では試合を通して成長していかないと、次もその先もない。今日はその一歩にしたいと思っていました。チームとしては、相手の前に出てくるディフェンスにいいアタックができず、いい内容だったとは言えないです…。前に出てくるディフェンスだったにも関わらず、例えば深くセットするとか、対応したアタックができませんでした。意識していたラインアウトの獲得率が低かったことも反省です。動き出しに関しても、チームとして劇的にできたかと言われると、全然です。ブレイクダウンもプレッシャーを掛けることができませんでした。もっと激しくいかないとダメです。有効なアタックができない要因のひとつが、相手を仕留めきれていないことなので、もっともっと一人ひとりが勝負しなくてはいけないと思います。帝京戦は本当に意地と意地のぶつかり合い。どちらが勝ちたいと思っているかという試合。明後日から絶対に帝京以上の練習をして、試合に臨む。ジュニア選手権では、星野も岩井もいいプレーをしていましたし、自分としては勝負。切磋琢磨して、最後は自分が試合に出られるように努力する。帝京戦はブレイクダウンで受けたら絶対に勝てないので、まず1対1で勝つところから、この一週間で変えていきます」

<久々復帰も大反省… 自らを鼓舞するCTB宮澤正利>
「大学選手権ということで、まずは負けないゲームをしようと意識してました。まずはエリアを取りつつ、機を見てチャレンジしようと。個人としては、赤黒うんぬんより、試合自体が久々だったので、ケガだけはしたくないと集中して。活躍したいとか、そういう思いは特になかったです。試合内容は…、ちょっとビデオをみないと何とも言えないですけど、相手のディフェンスが強かったにしろ、これまでの課題のようにアタックが単調になってしまったなと。そこは自分がもっとコントロールしたかったんですけど、久々の試合で自分自身きつかったこともあって、しゃべることができませんでした。ペナルティの多さも反省です。しっかりとセットすることだったり、意識したところができていた面もありましたけど、アタックは課題が多いですし、もう少しできるかなと思います。ディフェンスに関しては、色々な局面に対して、しっかりコントロールしながら対応できていましたし、0点に抑えられたのはよかったです。ただ、個人としては全然がんばれていないので、これからもっともっとがんばらなくてはいけません。帝京戦は本当にロースコアゲーム、数少ないチャンスで取れるかに懸かってくることは確か。この一週間、ミスなく練習していければ、自ずと結果がついてくると信じてます。個人としては、ゲームを作りたいです。秀樹さんがどうなるか分かりませんし、ゲームメーカとしての役割を自分が果たせればと思っています」

<こちらも猛省… 悲壮な決意を語る伊藤平一郎>
「フッカーで出るからには、とにかくセットを安定させようと思っていました。でも、スクラムでは相手のヒットスピードが速くて受けてしまったところがありましたし、ラインアウトに関しては、勝負どころで弱さが出てしまう自分を直していくことが大前提です。スクラムはいいイメージもいくつかありましたけど、まだまだ。スローに関しても、最初から投げさせてもらえるような信頼を得ていきたいです。試合内容については、どうなんでしょう…、うまくいかないところも多く、FWがモールでいかれてしまったり、そこからリズムに乗ることができませんでした。アタックがうまくいかなかった要因は、セットもありますし、立命館の2人目の寄りが早くて、そこで手を掛けられてテンポが上がらず、相手を寄せられなかったところだと思います。テーマにしていた動き出しに関しても、僕自身モールディフェンスの一歩目が遅れていましたし、全体としてもできていなかったです。次は隆平さんが帰ってくるか分かりませんけど、自分に任せても大丈夫だと思われるような信頼を得ていきたいと思っています。早田さんたちと本当に『荒ぶる』が歌いたいので、死ぬ気でやっていきます。帝京戦はまずFWのセットプレー。相手もうまいので、そこでしっかりと安定した球を出す。そして、その後のブレイクダウン。そこは帝京の強みですし、ジュニア選手権でもいかれているところがあったので、勝負です」

<立命館大の結束、気迫にタジタジ…>