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2024
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対同大 今問われるスタンダードとプライドと


 『有田組』、役者も揃って再々スタート? 今年のワセダはいけいけドンドン? あの草薙の悪夢から一週間。理屈抜き、原点回帰を誓った誇り高きアカクロは、山里深き伊那の地で躍動した。ただし、アタックのみ、それも限られた時間という括りのなかで……。「今日は全然ダメでした。もっと拘りが必要ですし、もっともっと上のレベルを目指さなくてはいけません」(CTB宮澤正利)―
 相変わらずの入りの悪さで、いきなりインターセプトを喰らうドタバタも、ちょっとばかり喝を入れ、戦闘モードに切り替えると、前半は今シーズン最高(最速)のトライラッシュ。ボールを保持し続ける限りは、インゴールまでのフリーパス。仕掛けて、振って、前に出る。それを基本に忠実に援護する。辻監督も「サポートの意識はよかった。ヘッドスピードの成果かな(笑)」と笑顔を見せた『高速』アタックは、見る者のハートも揺さぶった。40分間で実に3度のノーホイッスルトライ。そこに伝統の力を見た。パス&サポート、ヘッドスピードは、ワセダの命!
 ところがどっこい。一見ベリーグッドゲームに見えても、笑顔で試合を振り返れるのは、この40分(除:入りの2~3分)まで。点差とともに集中力が切れたのか、よほどディフェンスがしたかったのか、各々が自分勝手に軽いプレーを連発。かと言って、いざディフェンスに回ると、先週あれほど撲滅を誓った受け身のタックルでズルズルと後退。この日は大きな痛手にならなかったからいいものの、真剣に向き合わなければならない現実がそこにはあった。ディフェンスを軸にするんじゃなかったのか? そこにワセダとしてのプライドはあるのか? 今のままで本当にかっこいいのか? 久々チームに戻ってきた有田隆平も、その決意を新たにした。「やっぱり気になりますよね…。何が何でも負けないチームを作ろうというなかで、1:1で負けないことの重要性」…。
 後半は一転して締りのない、芯の見えないゲームになってしまった。自分たちとの勝負に完全に負けていた。勝ったことには満足も、赤黒を身にまとう男たちなら、まだまだできる。「細かいところを詰めていかないと命取りになる。もっともっと意識を上げていかなくてはいけません…」(ゲームキャプテン・山中亮平)。ここで1年の指針が決まる。今、ワセダのプライドが問われている―

<早期復帰へ! チームの状況をしっかりと見極める主将・有田隆平>
「テーマとして、まずは負けないということを昨日のミーティングでも口にしていたので、結果としてはよかったと思います。ただ、内容的には…、1:1に関してアタックはよかったですけど、ディフェンスはいかれてたなと。特にショートサイド。そこは気になりました。セットプレーにしろ、課題は多いですね。サポートについてはよかったと思います。これだけ点数が取れたのは、サポートあればこそですから。ただ、やっぱり、ディフェンス、個人のタックルの部分、セットだなと。特にスクラムは、相手ボールでもっと仕掛けてなくてはいけないです。何が何でも負けないチームを作っていきたいんですけど、そのなかで1:1で負けないことの重要性を改めて感じました。今日のようにこれだけ得点していれば分かりませんが、接戦になれば、そこが絶対に勝負になってくると思うので。これから~という先の言い方はしたくないですし、今強いチームを作りたいという気持ちがありますけど、ひとまず課題を克服することを考えてやっていきます。そして、そのなかで早く自分も復帰したいです」

<久々合流! 冷静にチームを動かし続けたゲームキャプテン山中亮平>
「前半はよかったと思いますけど、後半20分あたりから、キャッチミス、チャンスでのミス、ラインが浅くなるといった先週の反省がそのままでてしまいました。アタックはもっともっと取れるところがあったので…。ただ、サポートはよく、しっかりとボールは繋げていたと思います。ミスに関しては、集中できているか、そうでないかの差。点数が開いたこともあってか、途中からキレてしまいましたし、ディフェンスも後半は外されすぎでした。今日は、Aチームが負けが込んでいたなか、自分が出ることによってそれを変えたい、影響を与えたいと思っていました。ちょっとバテてしまったんですけど…。もっと走れるようになったら、もっともっといいプレーができると思うので、フィットネスもがんばります。ジャパンでは、ゲームメークの部分、キック、仕掛けといったところが変われたと思っています。今日はもっと自分でいきたい気持ちもありましたけど、まだ戻ってきて1週間ですし、周りに合わせることを第一に考えてゲームメークしました。コミュニケーションもよかったので、早めに預けようと。やりやすさを感じましたし、BKはいいラインアタックができるという手応えがあります。FWもしっかりと走ってくれますから。春残り2試合、細かいところをもっと詰めてやっていきたいです。強い相手では命取りになってしまうので、もっともっと意識を上げていかなくてはならない。1:1のディフェンス。ワセダとしてどう戦っていくかです」

<変わらぬ課題… この日もFWの至らなさを口にする中村拓樹>
「先週反省に挙げた1:1に関しては、アタックでは前に出られているイメージがありましたけど、FW的には今日もショートサイドで喰い込まれていましたし、もっと近場のところに拘らないと、大きな相手にはいかれてしまうと感じました。またやり直さなくてはいけません。SHからのワンパスで来るところに対しては、プレッシャーにいけるんですけど、持ち出してきたときに出足が遅れてしまったり…。もっとしっかりとボールを見て、相手が来る瞬間にこちらから仕掛けていくようにしないと、変わらないと思います。そこは練習から意識してやっていきたいです。今日はFWとしては満足できない試合でした。まだまだ改善しなくてはいけないところがありますから。ブレイクダウンに関しては、アタックでは1:1で前に出て、しっかり超えて、いいテンポでできたのではないかと思います。やっぱり山中が入ると、ディフェンスが見てくれるようになるので、その分アタックしやすいなと。これから代表のメンバーも戻ってきて、Aに絡んでくると思うので、しっかりコミュニケーションを取って、今年のワセダが目指す展開ラグビーを体現できるようにやっていきます」

<チーム全体更なる高みへ! 意識の向上を訴えるCTB宮澤正利>
「ディフェンスをがんばろうと言っていたにも関わらず今日こんな感じだったので、もっとしっかりやらないといけないなと…。アタックは点差がこれだけ空いたので、反省は分からない面もありますけど、ディフェンスについては、もっとターンオーバーを増やさなくてはいけないと思います。そうすれば自然とチャンスも増えるでしょうから。そこはもっと拘りが必要です。もっともっと上のレベルを目指さなくてはいけません。今日もまったくよくなかったので、上を見てやっていきたいです。山中が入るとやっぱり早いというんでしょうか、ボールも動きますし、あいつ自身強さもあってゲインを切れるので、いい形になると感じました。新チームのスタートからやっていることは変わらないですし、春の残りでもっともっと精度を上げていければ、いい夏を迎えられるのではないかと思います」

<試合の入りで躓くも…ジャッカル&チェンジアングルで流れはワセダに!>


前半
 2分 同大 自陣ゴール前でのインターセプトから14が独走トライ G成功0-7

 5分 早大 15の裏キック拾って継続→右ラインATで14トライ G山中失敗5-7

14分 早大 Sから連続攻撃→ライン際を15・11・15でトライ G山中成功12-7

16分 早大 KOから連続攻撃→12が前に出て5トライ     G山中成功19-7

23分 早大 自陣Sから連続攻撃→15が抜け出してトライ   G山中失敗24-7

34分 早大 自陣Sから連続攻撃→8が抜け出し12トライ    G山中失敗29-7

37分 早大 KOから連続攻撃→12が抜け出し14トライ    G山中失敗34-7

40分 早大 自陣Pから速攻→11大外をブレイクしてトライ  G山中失敗39-7

42分 早大 KOからラインアタック→14が大外を破りトライ  G山中成功46-7

後半

 3分 早大 22m内LO→9・10・13裏に出て8トライ      G山中成功53-7

 6分 早大 自陣Pからアタック→11が相手を交わしトライ   G山中失敗58-7

25分 早大 カウンターを仕掛け前進→10裏に出て22トライ G飯田成功65-7

28分 同大 10m右S→20にサイドを破られトライ        G成功65-14

34分 早大 22mS→8・20・15・19トライ            G飯田成功72-14

40分 早大 10mS→20・15・22相手を交わしトライ      G飯田成功79-14