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2024
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対慶大B 今そこにあるカベ

 
 「いやぁ、しんどかったです。暑さもありましたし、前にでられず…」(ゲームキャプテン・飯田貴也)。6月19日、赤黒・黒黄前哨戦。高温多湿、ラグビーをするにはもっとも困難な状況のなか、『有田組』セカンドチームは、自らのスタイルをとことんまで貫き通した。勝利の裏にハッキリと見えた図式:この日(今年?)は、ちょっぴり破天荒・ワセダ vs 勤勉・ケイオーの根比べ。
 開始早々の4分、ペナルティ、ペナルティで迎えたピンチをCTB藤近紘二郎起点のターンオーバーで瞬く間に切り返し、あっさりと先制すると、その後も基本ゲームを支配。振って振ってのキックパス、研ぎ澄まされたセット一発…etc この春の成果、両CTBを軸にしたディフェンスでも強固なところを見せ、スコアの上ではまったく危なげなくゲームを進めた。前後半、ともに計ったように3トライ。慶應相手であることを考えれば、合格点?
 しかし、そのなかで気になったこと、選手たち自身も口にしたことがひとつ。……ワセダはもっともっと走らなくてはならない。動き出し、反応スピードはもっともっと変えられる。尋常でない暑さのなか、破天荒とも言えるくらいボールを動かせば、確かに消耗は避けられない。加えて、慶應の勤勉さの前には、物事そううまくは運ばない。でも、そこを乗り越えるのが、ワセダ。「セットできず、スピードのないアタックになってしまい、慶應のタックルを喰らう。そこで前に出ることができず、きつい試合になってしまいました。まだまだ全体の精度は低いなと」(飯田)。「順目に走れないことで、FWがアタックに絡めなかったのは反省です」(フランカー・近藤貴敬)。セットできない=いいアタックに繋がらない。自らのスタイルを完遂するため、越えなくてはならないカベがそこにある。
 いよいよ春残り1週間。そして、その先にある飛躍の夏へ。走りきれるようになったとき、ワセダはもっともっと強くなる―

<まだ道の途中 改善点をしっかりと見つめるゲームキャプテン・飯田貴也>
「いやぁ、しんどかったです…。慶應のしつこいディフェンスに対して、いいアタックができず、グダグダになってしまい、疲れました。継続していくと、ブレイクダウンに入っていた人間が帰りきれず、セットできず、スピードのないアタックになってしまい、慶應のタックルを喰らう。そこで前に出ることができず、きつい試合になってしまいました。トライを取った場面などはいいアタックができていたとは思いますが、まだまだ全体の精度は低いです。ディフェンスについては、内に切られたり、タックルを外されたり(特に後半)というところはありましたけど、2人目、3人目がしっかりといってよかったと思います。BKに関しては、CTBにいいタックラーが多いので安心感がありますね。とはいえ、まだ今年のやり方が100%できていないので、その精度を上げることができれば、相手にとって攻めにくいディフェンスができるはずです。春もあと一試合ですが、まだまだしっかりとしたセットができていないので、いいセットをして、いいアタックをして、圧倒したいです。代表組が帰ってきたことによって、練習の質は高まったと思います。みんなラグビーを知っている選手たちなので、やりやすいです」

<勤勉さでは負けてない! この日も自らの仕事に徹した近藤貴敬>
「これまでのロックから今日は久々にフランカーでの出場(後半はロック)で、緊張しました。自分の仕事は…、まだまだ足りなかったです。チームとしては、ディフェンスはよかったと思いますけど、順目に走ることができませんでした。順目に走れないことで、FWがアタックに絡めなかったのは反省です。セットに関しては、スクラムはよかったと思いますけど、ラインアウトは慶應がうまかったので、もっと自分たちは早くセットしなくてはいけないと感じました。そこでも走れていなかったので。ブレイクダウンは1:1では負けてなかったと思います。大学ラグビーにもだいぶ慣れてきましたが、まだまだ成長していかないと、これからついていけないと感じます。自分はアタックプレーヤーではないので、タックル、スイープ、サポートプレーに徹すること。ラグビーに打ち込むには最高の環境がここにはあるので、それを無駄にせず、1日1日精進して、『荒ぶる』を歌いたいと思っています。ワセダに来たのは、兄貴を追ってというのもありますし、もう小さい頃からの憧れだったので」

<『無印良品』CTB藤近紘二郎、この日もキラリ!>