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2024
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対関東学院大B(Jr選手権) 4年の意地で劇的勝利!


 テレビじゃ見れない『井草劇場』! これぞまさしくワセダのプライド! 後半42分、WTB原田季郎がディフェンス2人を外した瞬間、誰しもが拳を突き上げた。我らが聖地は、興奮のるつぼと化した。残り19分、23点差をひっくり返す劇的勝利。ワセダを突き動かしていたのは、不屈の闘志、そして積み上げてきたものに対する絶対的な自信だった。「もう意地です。継続して回しきれば逆転できるって。最後には自分たちが勝つという自信とプライド」(ゲームキャプテン・井村達朗)。「走れることは分かっていることですから。もう全力でやるしないだろうと。負け試合をモノにしたのは大きいです」(CTB宮澤正利)―
 ドラマの始まりは、あまりにあっさりトライを許し12-35、奈落の底に突き落とされたところから。上井草は「これで終わり…」の空気に支配されるも、男たちの心は決して折れてはいなかった。ここから意を決したように、15人が魂を響かせ合う怒涛のアタック。ボールキャリアはすべての1対1を制し、愚直に前へ。行く手を阻まれても、湧き出るフォローで淀みなくオフロード。ラックは寄りの早さでクリーンアウト。24分、キックオフを井村がマイボールにしたところから土屋の突破(19-35)。35分、CTB宮澤がディフェンスのビッシリ揃ったところをブレーキの効いたステップで全外し(26-35)。徐々に「逆転」への機運が高まるなか、39分、速攻から反応よく牛房佑輔(33-35)。そして…、ラストワンプレー、ひとつのミスも許されない状況でただただ無心にボールを繋ぎ、やっと目覚めた原田季郎(40-35)。一連の流れは、近年の上井草でもっともシビれるものだった。試合後は涙を流す者さえあった。井村、宮澤、牛房、清登…etc。極限の緊張のなか集中しきり、体を張り、勝利を呼び込んだ4年生たちの姿には、『ワセダ』が強く感じられた。
 もちろん、最後の1/4だけを切り取り、「ナイスゲーム!」ばかりとは言ってはいられない。関東戦のお約束(言い方を変えるとタブー)とも言える、ミスを切り返されての失点をこの日も、しかも開始早々に許してしまったこと、そこが勝負と分かっている近場で喰い込まれ続け、ゴリゴリ→急旋回のアタックに幾度となく崩されてしまったことは要猛省。「内容的には課題の残る試合。最後に至るまでに、もっときちんとしたゲームをしていくことが大事です」(CTB宮澤正利)。「FWダメダメでした…。意識を変えてかなくてはいけません」(フランカー牛房佑輔)。ここでもまた、4年生の真価が問われる。
 それでもやっぱり…、自分たちを貫くことで23点差をひっくり返し、勝利を掴み取った意味は大きい。勝ち点5とそれ以外とでは大違い。きっと「あの9月19日があったから~」と言えるときが来る。また、自分たちの力でそう持っていかなくてはならない。ワセダとして、赤黒、『荒ぶる』に繋がるジュニア選手権も絶対に譲れない。劇的スタートに、再びよぎる有田のコトバ。「今年は抜いた瞬間、やられます」―

<劇的勝利!苦境にもチームをひとつにしたゲームキャプテン井村達朗>
「こうして結果がついてきたのは大きいです。最後に取りきって勝つ。これがワセダだと。今日は勝利を得ることができて何よりでした。試合を振り返ると、入りの悪さと…、まぁ最初は体も当てられていてよかったんですけど、ミスからラッキーパンチのような形だったとはいえ、流れを持っていかれてしまいました。あそこは4年生が変えなくてはいけないところ。課題です。ただ、トライを取られても、最後には勝つんだという自信、プライドが今日でつきましたし、次はまた違うゲームができると思います。ペナルティの多さに関しては、レフリーの方とコミュニケーションがうまく取ることができず、最後まで何を取られているのか理解できなかったので、もっとうまくコミュニケーションしなくてはいけないなと。残り15分の逆転劇は…、僕いなかったですね(笑)。最後は意地です。継続して回しきれば勝てると思っていたとおりになりました。その想いが勝利につながったと思います。次は東海大で、これからも強い相手が続くので、今日のようなしんどい試合にならないよう、また週明けの練習から意識して、自分たちのらしさを出せるようやっていきます。とにかく激しく。ひとりひとりがAチームを本気にさせることが課題です」

<獅子奮迅!気迫みなぎるプレーを勝利を手繰り寄せたCTB宮澤正利>
「いやぁ、本当に勝てたことは嬉しいですけど、内容を見ると、課題の残るゲームでした。関東がやってくるシンプルに前に出るプレーに前進を許したことと、それに対するワセダの反応の遅さ、そこでゲインされた上に、攻めてはミスをして~というのが、こういったゲームになった要因です。最後のところは、自分たちは春から走ってきて、あの時間帯に走れることは分かっていること。そこに至るまでに、もっときちんとしたゲームをしていくことが大事だと思います。でも、最後はみないい集中であったのかなと。自身のプレーについては…、もうやるしかなかったですからね、とにかく全力で(笑)。最後のところはリズムが出ましたけど、途中までは関東の寄ってくるディフェンスに対して、いいアタックの選択ができていなかったので、そこの組み立ては僕と松井の課題です。途中までの負け試合をモノにしたのは、ジュニア選手権であることを考えると大きいと思います。4年はもうやるしかないですからね。やって当たり前です」

<猪突猛進!持ち味を存分に発揮したフランカー牛房佑輔>
「正直、ホッとしました。今日は入りのところをテーマにしてたんですけど、FWがショートサイドで受けてしまって、ラインアウトでもミスが多くて、FWのせいでワセダのテンポが出せませんでした。最後のところは、もうやるしかなかったです。初戦でしたし、関東でしたし、絶対に負けられないって。ガムシャラにワセダのラグビーをやってトライを取る。とにかく走りまくる。自分の持ち味は思い切りのよさ。ここと決めたところに走って前進あるのみです。勝ちはしましたけど、FWはダメダメでした…。試合ではありえないサインミスをしてしまったり。もう今日のことはしょうがないので、また意識を切り替えてやっていきます。今年はポジション問わず、とにかく試合に出ることが大事です。少しでも上にいくためにバックローを選択しました。今は自分に合っている気がしますし、いつCTBで行けと言われても大丈夫なようにパスなどのスキルは磨きつつ、最後に赤黒を着てピッチに立っていることが目標です」

<大逆転サヨナラトライに一同総立ち!>

 


前半
10分 関東 攻めながら後ろにそらしたボールを拾われそのままトライ G成功 0-7

27分 早大 10mS→継続→大外をブレイクし岩澤トライ G松井成功 7-7

37分 関東 5mLO→モール→FWのゴリゴリでトライ G成功 7-14

後半
4分 関東 HL・LO→CTBクラッシュ→逆目でゲインされ6トライ G成功 7-21

7分 早大 10/22mPから速攻→ゲインを重ね→9・須藤トライ G松井失敗 12-21

10分 関東 ハイパンキャッチからの逆襲で大外を破られトライ G成功 12-28

21分 関東 5mSから8に持ち出されトライ G成功 12-35

24分 早大 KOキャッチから継続→20・18裏に出て井村トライ G松井成功 19-35

35分 早大 22mS→14ラック→20・10・宮澤がDFを交してトライ G松井成功 26-35

39分 早大 10mSでFK→速攻を仕掛け8・牛房トライ G松井成功 33-35

42分 早大 KOから我慢の継続→最後は原田がDFを交してトライ G松井成功 40-35