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2024

関東学院大を圧倒、完封勝利で今季スタート!

 春の穏やかな気候の中、ことしから新設された関東大学春季大会の初戦が行われた。この大会は、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップに向 けて、大学の公式戦を増やし強化することを目的としたものだ。早大ラグビー蹴球部の本拠地である上井草グラウンドには、新チームに期待を膨らませ、多くの ファンが駆け付けた。相手はきょねんの全国大学選手権で敗れた宿敵・関東学院大。試合は早大が圧倒的な強さを見せつけ、95-0で大勝。15本のトライを 奪い、4年ぶりの大学日本一を目指して幸先の良いスタートを切った。 
 
 会場にどよめきが起きた。ファーストスクラムで早大が関東学院大を圧倒したのだ。近年課題となっていたFWだが、赤黒を身にまとった戦士たちは驚くべき 迫力で敵陣を突き進んだ。前半7分のWTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)のトライを始め、テンポの良いパス回しやスクラムでのターンオーバーで次々 に得点を量産する。守備でもキレのあるタックルですぐにボールを取り返し、相手にボールすら触らせない。終了間際には、関東学院大の選手が抜け出し、初め てあわやトライという場面を迎えるが、中鶴の必死のタックルで失点を許さない。
 後半に入ると、途中出場したばかりのSH辰野新之介(文構3=神奈川・桐蔭学園)のタックルでボールを奪い、WTB原田季郎(スポ4=福岡・筑紫)が タッチライン際を駆け上がる。そのパスを受けたSO小倉順平(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がインゴール中央に飛び込み、関東学院大に流れを引き寄せる隙を 与えない。プレーの合間にも選手同士が常に声を掛け合い、集中力を維持し続ける。そのまま最後まで攻撃を緩めることなく相手を封じ込め、今季初戦を文句の ない勝利で飾った。 
 この試合では、すべての選手の献身的なプレーが印象的だった。どの選手に回ってもボールを前に進め、その結果10人の選手がトライを決めた。また今回見 せたFW陣の大健闘も、「セットプレーに関しては特に力入れてきた」とプロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)が語るように、オフシーズンのトレーニン グの成果が表れたようだ。しかし選手たちは完全に満足しているわけではない。プレーの精度やラインアウトなど、まだまだ課題も残るようだ。次は関東学院大 同様に数々の苦戦を強いられてきた明大との春季オープン戦。今回3トライという活躍を見せたNO.8中野裕太(スポ4=福岡・筑紫)は、「早明戦は僕たち にとっても大切な試合なので、チーム全体で勝ちに行きたい」と意気込んだ。『荒ぶる』という最終目標に向けて手ごたえを感じた早大に期待がかかる。

(早稲田スポーツ新聞会 田中絢)

 

◆コメント
<後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)>
――新人関東学院戦を振り返って
この試合はAチームとは逆で厳しい試合になるだろうなと。特にスクラムの部分で押されるだろうなと。いずれにしても想定の範囲内だったのですが、相手がメ ンバーを落としてきて、一回同点に追いついて、また引き離されるってことは、もっともっとプレーの精度を上げなければいけないってことですよね。一つ一つ のプレーを集中しないで疎かにするとこうゆう結果になるのかなと。また新人早慶戦、新人早明戦ってありますが、そこの部分でこだわって勝ちきらないといけ ないと実感しています。
――ことしの1年生の印象は
まぁ例年試合はこんなもんですよ。特にことしは金銀飛車角が抜けていましたからね。
――金銀飛車角とは
FB藤田(慶和、スポ1=東福岡)とかロック佐藤(穣司、スポ1=山梨・日川)とか、あとはケガしてるSOとかWTBですね。きょうの試合に出てたWTB は素人だし、SOも本職じゃないからね。ワセダは1人2人の超すごい選手は来るけど、他はそうでもないからね。例年通りです。それを地道に鍛え上げて強く していくのが僕たち監督、コーチの仕事です。
――Aチームの試合の印象は
まずまずだったね。点差が開いたことよりも、同じペースで攻め続けて、結果的に完封できたのはよかったね。客観的に見て、ワセダのAチームとカントーのAチームじゃあ、自分たちの方が上だからまだまだ満足はしてないですね。
 
<プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)>
――きょうの試合を振り返って
きょねん負けた相手が初戦で、負けられない気持ちでした。僕たちはきょうの試合に勝てなかったら、いつまたリベンジできるかわからないと。点差よりも0点に抑えたことが嬉しいですね。借りも返せましたし、スクラムも調子良かったです。
――主将として初めての試合でしたが
きのう緊張しすぎて全然寝れなくて(笑)。本当に皆が頑張ってくれたので、良い感じでスタートできたのではないかと思っています。
――後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)にとっても初陣でした
試合前だからといって全然調整とかしないですし、妥協がないですね。
――きょうの試合の結果は春の練習の成果が出たということでしょうか
そうですね。セットプレーに関しては特に力入れてきたので良い感じできています
――大勝の要因は
春やってきたことが全部ゲームに出たのかなと。ミスもあったんですけど、信じてやっていることが出ているので、後藤さんを信じてこれからも練習していきます。
――チームで一番大事にしていることは
春の段階ではミスが多いのですが、取りきるところで取りきれない場面がきょねんは目立ちました。ことしはミスに厳しくってことがチームとして大事にしていることです。
――FWのセットプレーに関しては
ことしは特に力を入れて練習しています。スクラムを組む回数も多いです。
――スクラムで相手を圧倒していました。出来はいかがでしたか
カントーはあんまメンバーが揃ってなかったですし、主将もいなかったですし、50点くらいですかね。思った以上に相手が来なかったので、まだまだですね。帝京大相手にしっかり押せたら自信が付くと思います。
――新しくスタートした関東大学春季大会について
試合があるから合わせにいくのではなくて、ある試合に勝ちにいくだけなので、特別意識はしてないですね。練習してその成果を出すって感じですね。
――次の明大戦に向けて
僕たちの代の新人早明戦は0-96で負けているので、次の明大戦は気合が入っています。
 
<SH西橋勇人副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)>
――きょうの感想を教えてください
チームとしていい方向に向かっているのかなと。あと勝ってよかったです。きょねんの借りは返せたのかなと思います。
――屈辱を晴らす大勝でしたね
いやー、気持ちよかったですね。
――テンポのいいパス回しだったと思いますが、きょうの試合で意識したことはありますか
ゲームのコントロールだったんですが、あまりよくなかったですね。
――具体的にどういった部分が課題となったのですか
ペナルティをもらったときの、急いでいくところ、タッチキックの選択であったり、 SOが捕まって行きづまったときにどうしたらいいのかっていうのを決めかねている部分があったので、次戦までに修正していきたいと思います。
――新人のSH岡田一平(スポ1=大阪・常翔学園)選手の加入によりポジション争いがさらに激化していきますね
いいことだと思います。みんなで切磋琢磨して伸びていくのが一番いいことだと思います。
――最後にメイジ戦に向け一言お願いします
弟(明大、西橋誠人)には絶対に負けたくありません!
 
<NO・8中野裕太(スポ4=福岡・東筑)>
――春の公式戦初戦を勝利しましたが、感想はいかがですか
昨シーズン全国大学選手権で負けた相手だったので、ことし初戦で戦えて良かったです。借りを返せました。
――ゲームプランはどうでしたか
FWで圧倒です。FWで圧倒した結果がきょうの試合の結果につながったと思います。
――試合を全体的に振り返っていかがでしたか
チームとしては自分たちのゲーム運びが出来ました。まだ満足は出来ませんが、ある程度良い形は出来たと思います。
――ご自身も3トライの活躍でしたが、自身のプレーを評価するとどうですか
後藤(禎和)監督(平2社卒=東京・日比谷)からは、前に出るプレーをするように言われていました。ミスが多く、チームの流れを悪くしてしまったところもあったので、そこは修正したいです。
――スクラムはワセダが優位でした
そこは本当にフロントローに感謝したいです。
――次の明大戦に向けて意気込みをお願いします
明大も強いと思いますが、早明戦は僕たちにとっても大切な試合なので、チーム全体で勝ちに行きたいです。
 
<WTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)>
――95ー0という大勝ですがいかがですか
(15人制の)初戦ですし、昨年最後に負けた関東学院大が相手だったので緊張したのですが最高の形でスタートを切れたと思います。
――大量得点できた要因はなんでしょうか
セットプレーですね。FWがスクラム、ラインアウト、キックオフと圧倒してくれたのでバックスはもう自由にやるだけでした。後藤さん(禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)もセットプレーが一番大事だとおっしゃっていたので、フォワードが頑張ってくれたおかげです。
――試合後、後藤監督からはなにか言われましたか
いい試合だったけどこの結果に満足せず、また明後日からは地獄の二部練習を始めると言われたので、しっかり頑張っていきたいです。
――BKもスピード感あるパス回しなどが見られましたが
(決まった)形はあるんですけど、それに捉われすぎずに空いたところにどんどん回していくということで、そこでミスが起きなかったというのが成長した部分ですね。いい感じでした。
――では結果、内容ともに自信に繋がったということでしょうか
まあでもやっぱり、東海大や筑波大、帝京大はもっと強いと思いますし、目指しているレベルはここではないので頑張っていきたいです。
――次の試合は招待試合で明大と対戦しますね
早明戦なので強いFWに対してしっかり戦いたいと思います。
――明大は1年時の新人早明戦で大敗した相手であり、今年は互いに最終学年となったわけですが意識されますか
まだ春の時点なのでなんともいえないところはありますが(1年生のときは)0ー96というスコアで負けているので、それが4年生になったときに逆になって圧勝できたとしたら僕たちの4年間のほうが意味がある4年間だったと証明できるので、負けられないです。