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2024
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対筑波大 『一進一退の攻防も、終盤に攻め込まれ筑波大に敗戦 』

 関東大学対抗戦、前半のヤマ場は乗り越えられるようで、苦しいものだった。昨年敗戦を喫している筑波大相手に後半序盤に逆転、後半終盤までリードを保った早大。しかし後半35分、逆転を許すとそこから再び攻め込まれ、立て続けに2トライ奪われる。結果は7-26と、75分の粘りは5分の気の緩みで簡単に打ち消されてしまった。

 前半は一進一退の攻防となる。開始5分、早大のスクラムのペナルティから筑波大はPGを狙うも失敗。続いて自陣に攻め込まれた早大だが、ディフェンスを重ね徐々に敵陣へ詰め寄る。チャンスを狙う早大はプロップ垣永真之介(スポ3=東福岡)のブレイクから右へ展開。パスを受けたWTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)がゴール付近まで攻め込むも相手のディフェンスに阻まれトライとはならなかった。攻めの機会が増え始めた早大だが、ラインアウトを何回もスチールされるなどミスを重ね、再び自陣に追いやられ苦しい時間に。しかしフランカー金正奎(教3=大阪・常翔啓光学園)のジャッカル、CTB布巻峻介(スポ2=東福岡)のタックルなど粘り強いディフェンスでピンチを乗り切り、0-0で前半を終えた。
 スコアが動いたのは後半2分。早大は相手のプレッシャーに押され、ゴール前でのスクラムから先制トライを許す。しかし12分、筑波大のペナルティから右ラインアウトモールで早大が押し込むと、そのまま金がトライ。その後のコンバージョンキックも決まり逆転に成功した。その後、両チームともに22メートルライン内でのミスを連発、なかなかトライにたどり着かない。しかし後半35分、フェーズを重ねた筑波大にトライを許し逆転されると、ここから早大の集中力が切れる。38分、42分と立て続けにトライを奪われ、気づけば7分で21失点。反撃の間もなくノーサイドとなった。


 「ラスト5分以外に関しては期待する通り」(後藤禎和監督¬、平2社卒=東京・日比谷)というディフェンスに対し、サインプレーが読まれ成功率の低かったラインアウトをはじめ、アタックではミスが目立った。昨年敗れた筑波大に対し終盤まで拮抗した展開をみせていただけに、悔しい敗戦となった。「取りきるところでしっかり取れていれば」(中鶴)。『荒ぶる』奪還に向けて、もう何も逃すことは許されない。
(早稲田スポーツ新聞会 石川瑠美)

◆コメント
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――きょうの試合を振り返って
すごく残念です。ディフェンスラインに関しては、ラスト5分以外に関しては期待する通りのレベルだったと思います。ただ、想定外だったのが、取るべきところで取りきれないシーンがあったことです。お互いにプレッシャーを感じながらの展開で、後半特に、大事なセットプレーやラインアウトで相手にリバウンドを取られ返されて、攻撃権を失ってしまうというのが大きな敗因だったと思います。
――最後の5分で相手にたたみかけられた理由は
気持ちの面で切れてしまったのかなと。直接的な原因としては、攻めなければならないところでくだらないミスをして安易に相手にボールを渡して、前半は集中できていたディフェンスがそうはできなくなってしまったこと。攻撃時のミスが起きた瞬間にディフェンスの集中力が切れてしまって、精神面での立て直しができなかったのだと思います。 ――タックルが浅かったような印象でしたが
前半から後半にかけて上から見ていましたが、特に強いプレーヤーに対しては相対的に仕方がないと思うので、それほどのことはなかったと思います。
――筑波大戦に臨むにあたっての指導のポイントと、筑波の強さは
筑波大の大きな強みの一つにディフェンスの精度の高さ、ディフェンスブレイクダウンの激しさがあるので、アタックのオプションとしてはミスの少ないオプション。また我々はFWに自信を持っているので、FWを前面に押し出した戦い方をしようということでした。途中からスリッピーな状態になったということもあって、想定していたよりもお互いにハンドリングミスが多く、プラスさっき言ったように、決めるべきところ、崩し切ったところで崩し切れなかったというのも含めて、筑波大のディフェンスが粘り強かったということです。
――ラスト5分を除いてディフェンスは期待通りとのことでしたが
的確にそこまではトライを最小限に抑えていたので評価できるのですが、もっともっと激しく、精度を高めていかないといけません。本当はタックルをして、そこから絡んでターンオーバーというのを期待していたので、まだ不十分だと思います。
――きょねんに比べて筑波大に変化はありましたか
基本的にはきょねん対戦した時と比べて大きく変わったという印象はないのですが、キャリアのある選手が多いということで、みんな落ち着いているし、自信が伝わりました。ワセダ、メイジ、ケイオーに勝って、その結果を踏まえて、帝京大がそうなったように筑波大もそうなったのかなと思います。

プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)
――この敗戦を受けての感想を教えてください
前半はいい試合ができて、毎回毎回同じなんですけど、後半はミスから崩れていって。そこを修正できれば次は絶対勝てると思います。
――敗戦直後のチームの雰囲気はいかがでしたか
負けたので雰囲気は落ちていましたが、対抗戦はまだまだ終わってないので、みんな前を向いていました。
――きょうの具体的なゲームプランは
セットプレーで崩して、FWが前に出て、BKでトライを取るっていうシンプルなラグビーをやろうと思っていました。前半後半ともになかなか自陣から出られなくて、予定通りとはいきませんでした。
――今季初めて筑波大と対戦しました。印象は
筑波大にやられたのが後半の最後だけなので。試合をやっていて全然負けるイメージなかったですし、次はしっかりリベンジできるかなと。
――ラインアウトでスチールされる場面が目立ちました
ラインアウトモールでトライを取り切りたかったんですけど、サインを完全に読まれていました。技術うんぬんよりもサインを読まれていたので、厳しかったですね。
――きょうの試合で勝敗を分けたポイントはどこにあると思いますか
お互いミスで停滞する場面が目立った試合だと思うのですが、前半に先制できなかったのが勝敗を分けたかなと。修正点はアタックの取り切る部分ですね。
――最後に次の試合への意気込みを教えてください
帝京大も慶大も明大も残っているので、次の試合でしっかり修正して、落ちてはいられないので、しっかり前向いていきたいと思います。

SH西橋勇人副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――きょうの試合を振り返って
前回の試合から2週間空いて、やることはしっかり準備してきたと思うんですけど、まだ完成しきってない感じが自分の中であって。そういったところでミスにつながったというのはありました。
――前半惜しいところで点をとれなかったことについては
トライ取れただろうというシチュエーションは何回かあったんですけど、そこで取りきれないっていうのはこういう結果になった原因のひとつでもあると思います。やっぱりチャンスどころはしっかり取らないとダメだなって思いました。
――筑波大への対策はしてましたか
ワセダの強みであるFWを全面に出して、最後に外側のWTBまでボールを回してトライを取る形を目指してたんですけど…。筑波大の良いディフェンスとブレイクダウンでなかなかやりたいようにできず、ディフェンスディフェンスって形になってしまいました。筑波大に勝つためにやってきたことが出せずに終わってしまったかなと。
――1敗になりましたが、今後の対抗戦の戦い方は
夏の帝京大戦と一緒でこの負けをただの負けじゃなくて次につなげられるように。そして大学選手権でまた当たったらこのような結果にならないようたしっかり反省することは反省して、できてる部分は継続してもっと精度を高めていこうと思います。

フッカー須藤拓輝(スポ3=東京・国学院久我山)
――試合を終えた感想をお願いします
前半はディフェンスはいい集中で出来ていたのですが、取りどころのところで取れなくて0-0で折り返して、後半最後の最後で逆転トライまでは集中は切れてなかったのですが、その後リズムが崩れてしまって、最後取られてしまったというのは反省だと思います。
――筑波大はどうでしたか
筑波さん全体が良いチームで、良いアタックをして来て、最後の最後で対応しきれなかったかなと思います。
――フル出場となりましたが
ああいうゲームだったので僕も最後まで出るつもりでいました。
――ラインアウトの成功率については
あまりにも少ないですね。一応筑波さんがラインアウトのディフェンスが上手いっていうのはわかっていたので対策はしたつもりだったのだすが、あまり上手くいかなかったですね。
――次戦へ向けての抱負を
とりあえず今回の試合の反省をして、ビデオを見て、切り替えて。来週の立大戦では良い試合をしたいと思います。

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