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2024
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YCACセブンズ 『優勝は逃すも、堂々の2位!』

YC&AC JAPAN SEVENS 4月12日 神奈川・横浜YC&ACグラウンド
 
 昨年に引き続き、新チーム初の対外試合となったYC&AC JAPAN SEVENS。セブンズという走力が要求される競技なだけに、BKの選手が中心となって試合に臨んだ早大は、決勝では流通経大に及ばなかったものの21年ぶりの準優勝。WTB山川慶祐(社3=東京・早実)の活躍など、多くの収穫のある大会となった。

 「猛烈で激しいブレイクダウンでラグビーをしよう」(SH岡田一平主将、スポ4=大阪・常翔学園)。慣れないセブンズながらも、ブレイクダウンをテーマに掲げた早大は一回戦の中大、二回戦の専大と、危なげなく勝利を重ねていく。そうして筑波大を相手に迎えた準決勝。試合開始直後に先制を許した早大だったが、山川が快足を飛ばし一気にゴール前まで駆け上がる。相手がたまらず起こしたペナルティーから岡田がインゴールにねじ込み同点とすると、その後もWTB本田宗詩(スポ3=福岡)の切れ味抜群の走りやCTB勝浦秋(スポ3=愛知・千種)の力強いプレーなどで得点を重ね21-7で前半を終え試合を折り返す。後半は連続でトライを奪われ追いつかれる苦しい展開となる。しかしこの日の早大に下を向く選手はだれもいなかった。ひたむきにタックルを続けペナルティーを得ると、本田が相手ディフェンスの隙を突きラインブレイク。最後はサポートに入ったSH山岡篤樹(教4=東京・本郷)がインゴールに飛び込み勝ち越し、28-21でタイトなゲームを制した。
 
 決勝戦の相手は複数の外国人選手やセブンズ日本代表の合谷和弘を擁する強敵・流通経大。先制点を奪われながらも、早大も負けじと勝浦のトライで食らいついていく。しかしさすがはこの大会を二連覇している流通経大だけになかなか思い通りの展開にさせてはくれない。合谷の圧巻の走りで逆転を許すと、相手ボールスクラムから左大外にボールを回され連続失トライ。7-15で試合を折り返した。後半になっても流通経大の勢いは止まらない。外国人選手の圧倒的なフィジカルを生かしたプレーで追加点を奪われてしまう。しかし早大は最後まで逆転を信じ必死のアタックを続ける。気持ちのこもった連続攻撃でゴール前までボールを運ぶと、岡田が中央にトライ。さらには赤黒デビューとなったCTB矢野健人(商3=東京・早実)がハンドオフで相手をかわし17-22と差を詰めていく。一気に逆転かと思われた早大。しかし追い上げもここまで。ペナルティーからダメ押しの失トライ。最終スコアは17-34と、地力の差を見せつけられる結果となった。
 
 決勝では相手のフィジカルに圧倒され悔しい敗戦になったものの、この大会で得た収穫は多くあったはずだ。WTB鈴木亮(教4=神奈川・桐蔭学園)は難しい角度からのキックも含め、14本のゴールキックをすべて決めた。昨季は怪我で苦しんだ山川や、ラストイヤーに燃える山岡の活躍も光った。「アタックでもディフェンスでもアピールしていけたら」と鈴木亮が語るように、ここでのひとつひとつのプレーが選手たちにとっては貴重なアピールチャンスになる。翌週に控える東日本大学セブンズ選手権(東日本セブンズ)でもそのチャンスはやってくる。それぞれの課題を克服し、さらなるアピールを見せる選手たちから来週も目が離せない。
(早稲田スポーツ新聞会 進藤翔太)
 

SH岡田一平主将(スポ4=大阪・常翔学園)
――大会を振り返って感想をお願いします
自分にあまり知識がないセブンズということでどうやっていこうか考えていたのですが、やはり(15人制と)同じラグビーなので、自分たちがいまやっている基礎練習の成果を出すことが大事なのかなと思い、基礎を意識して戦うことができました。
――セブンズに向けての準備期間はどれくらいあったのでしょうか
3日くらいの短い期間ですね。
――大会に向けてテーマなど設定していましたか
言葉で言うと『ドラスティック・ブレイクダウン』ということで、思い切って徹底的に猛烈で激しいブレイクダウンでラグビーをしようということをテーマにしました。
――セブンズながら接点を多くつくったのはそのような理由からでしょうか
そういうこともあります。あとは、迷いのないプレーほど強いプレーはないと思うので、自分の選択したプレーは責任持って100パーセントやりきろうと言っていました。いまはボールを継続するラグビーをやろうとしているので、結果として(ボールを)繋ぐことができてよかったです。
――試合中に『ボディーランゲージ』というフレーズが飛び交っていましたが、どのような意味や意図があったのか教えてください
きつくて下を向いたりきつい顔をしたり選手がいるときに、『ボディーランゲージ』ということで、弱みを見せない強い姿勢を体で表現しようとすることです。胸を張るとか、顔を上げる、笑顔になる、もしくは凛々しい顔をするといったことができるよう、この言葉を選んで発していました。
――その影響か一日を通して非常にいい雰囲気でラグビーをしているように見えました
本当ですか?そう言っていただけるとうれしいです(笑)。最後は流通経大に負けてしまいましたが、チームとして諦めた顔をした選手がいなかったということは、キャプテンとしてもかなりうれしいことです。
――準決勝の筑波大戦で、同点に追いつかれた後も集中が切れたムードはなかったのですね
そうなんですよ。誰も下を向いていなくて、自分も引っ張ろうと思っていたのですが、それ以前にみんながいい顔をしていました(笑)。
――決勝では外国人選手に苦しめられたように見えましたがいかがですか
僕らの課題ですが、外国人選手のような強い選手に対し、小さい自分たちの体を使ってどう倒すのか、そしてデカい相手にどう勝つかこれから頭を使って考えていきたいです。
――岡田選手はFWとして出場されていましたが、慣れないスクラムを組んだりしてみていかがでしたか
スクラムは楽しかったとも言えないですが、いい経験ができたと思います。こんなこと言ったら甘いとは思いますが、FWの気持ちが分かったというか(笑)。いろいろやってみるべきだと思うので、フッカーとしてスクラムでフッキングしたり、ラインアウトではジャンパーもしたりしましたし、いい経験ができてよかったです。
――来週の東日本セブンズに向けて、修正したい点を教えてください
もっとセブンズの理解度を深めることも大切ですし、自分たちに何ができたかということをこれから分析して振り返ることかなと思います。それは15人制にも生きることだと思うので、考えることを次の東日本セブンズまで止めずに、試行錯誤してもっといい試合をできるようにしたいです。
 

WTB鈴木亮(教4=神奈川・桐蔭学園) 
――この大会はどのようなお気持ちで臨まれましたか
YC&AC JAPAN SEVENSも4年生でラストだったので、絶対チームで優勝しようという思いで臨みました。
 ――試合全体を振り返っていかがですか
アタックの部分では一人一人勝負ができていて、外国人選手にも負けないくらいできていたのですが、ディフェンスは(タックルが)飛び込んでいるところもあったので、もっと組織的にチームでディフェンスできたら良かったと思います。
――キックの調子が良かった印象を受けましたがいかがですか
キックしかこの試合貢献していなかったので(笑)。キックは任されたので100パーセント決めようという気持ちでした。結果として100パーセントだったので良かったです。
――セブンズに向けてどのような練習をされていたのですか
セブンズが初めての人もいたので、ディフェンスの仕方だったりアタックの攻め方だったりそういうところからやりました。
――意識されたプレーはどのような点ですか
キックは絶対100パーセント決めようということがありましたし、ディフェンスのところで抜かれないようには意識しました。
――ラストシーズンに向けてアピールになったのではないでしょうか
キックしかないのですけれども、15人制でもレギュラーをとれるようにセブンズからアタックもディフェンスもアピールしていけたらなと思います。
――今シーズンはどのようなシーズンにしていきたいですか
1年から3年までAチームで秋の公式戦に一回も出ていないですし、絶対今シーズンはAチームで出続けるということを意識して頑張っていきたいです。
 

WTB山川慶祐(社3=東京・早実)
――2位という結果でしたが試合を終えて率直な気持ちを教えてください
前年は一回戦負けだったので、今回は決勝まで行けたこともあって勝ちたかったですね。それだけに本当に残念です。それでもこの結果を来季につなげていきたいなとも思います。
――この試合に向けてはどんな練習をしてきたのでしょうか
一週間弱くらい朝早く練習をしていました。そんなに特別なことはしていないです。朝にセブンズの練習をして、午後に普通の練習をしてという感じです。
――メンバー選考の経緯を教えてください
2週間前くらいにメンバーを告げられて、そこからみんなで練習してという感じですね。
――自身のプレーについてはいかがですか
トライまで持って行けなかったのはよくなかったですね。でも来週東日本セブンズがあるので、頑張ってトライしたいと思います。
――積極的にボールをもらっていた印象でしたがそのような意識はあったのでしょうか
一試合目と二試合目はあまりボールをもらえていなかったので、自分からもらって思い切ってやろうと思いました。一平(SH岡田一平主将、スポ4=大阪・常翔学園)が勝負しろということを言ってくれたのでよかったですね。その後のトライという結果を得ることが来週の試合に向けた課題かなと思います。
――チームの雰囲気がよかったように思えましたがなにか意識していることはあったのでしょうか
上級生だけだったのですごくコミュニケーションをしっかり取れていたので、風通しもよくて、それがよかったのかなと感じます。
――決勝の流通経大戦では厳しいマークを受けていた印象でしたが、ご自身としてはどうですか
自分としてそんなマークが厳しいとは思ってなかったです。流通経大が体も大きくて強かったですし、一人を抜いてもまたすぐ一人ディフェンスがきてという風にうまさもあったので、次はリベンジしたいですね。
――来週もセブンズが続きますがどう過ごしていきたいですか
また流通経大と当たるかは分からないですけど、ほかにも強い大学はたくさんあるので、頑張りたいです。
――今季はどんなシーズンにしていきたいですか
昨シーズンは秋にけがをして試合に出られなかったので、このシーズンはAチーム狙ってやっていきたいなと思います。