早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第53回は金井奨(3年・SO/CTB・太田)。
小さいなりにできること。
中学時代は伊勢崎ラグビースクールに所属し、群馬県中学ラグビースクール選抜のキャプテンとして全国大会に出場した。スクール選抜での全国大会出場というその出来事は彼の最もうれしかった瞬間として心に深く刻まれている。1年間という短い期間ではなったが、このスクール選抜は思い入れの強いチームだった。
中学卒業後は県立太田高校に進学。朝起きることが苦手でギリギリの時間で登校していたが、部活後に学校近くの自習ができる場所で夜遅くまで勉強に取り組んでいた。その甲斐あって早稲田への指定校推薦を勝ち取ることができ、早稲田への進学へとつながっていく。
そんな高校時代には人生で最も悔しかった経験もしている。高校3年の花園予選準決勝での敗戦。毎年太田高校ラグビー部は県予選ベスト4で負けていた。金井の代では準決勝で桐生第一高校と戦い、太田高校はラストワンプレーまでリードしていた。しかし最後に逆転を許し敗退。勝てた試合で花園出場の可能性が絶たれてしまったことに加え、3年間ともに汗を流した仲間と同じチームでプレーできなくなってしまうことにも悔しさを感じた出来事だった。
大学でもラグビーを続けるかどうかは高校3年時まで迷っていた。実は、進学先を慶應義塾か早稲田の指定校推薦かで悩んでいた。ラグビーを続けることを考えた時、大学ラグビーの主役は早稲田だと感じ、早稲田を目指して勉強に取り組んだ。
今年、自分の目標として掲げているのが、「つらい状況でも声を出して動き続ける」ということだ。体が小さいためコンタクトでの圧倒などはできないが、運動量や声でアピールし、小さいなりにできることを全力で取り組んでいきたい。
金井にとって早稲田ラグビーとは「挑戦し成長する場所」。挑戦する機会はたくさんある。コンタクトひとつとっても挑むべき機会だと思っている。この成長できる場所で、もっと自分をアピールしたい。