早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第56回は河瀬諒介(4年・WTB/FB・東海大仰星)。
取材:宮武海人 構成:早稲田大学ラグビー蹴球部広報 写真;鳥越裕貴
日本一でしか恩返しできない。
早明戦に勝つために早稲田に入った。小さい頃から、大学ラグビーといえば早明戦。早明戦だけは父と一緒に見ていた。いつしか自分もこの場所でラグビーしたい、そしてこの試合で勝ちたいと強く思うようになる。高校2年生までは明治側を応援していた。だが、最終的に選んだのは早稲田。見学に行った際の練習の雰囲気などで、早稲田のほうが自分に合っていると感じたことが理由だった。
高校時代は日本一が一番の目標だった。高校1年生の時はスタンドから先輩たちの日本一を見て憧れを抱く。2年生になり試合に出れるようになる。だが、決勝で東福岡に負けて準優勝に終わる。この経験で優勝と準優勝の差を天と地ほど感じた。そして、迎えた高校3年生、春はうまくいかなかったが、結果として日本一を達成して人生で一番うれしい瞬間だった。
高校2年生の時の花園決勝では、一生忘れられないミスも経験している。残り時間わずかで相手にリードされながらも、22メートル付近まで攻めていた。だが、自分がノックオンをしてしまい、スクラムから相手に蹴り出されて負けた。ただ負けただけでなく、最後に自分のミスで終わってしまったこの試合の悔しさは今も忘れられない。
今年、監督が変わってラグビーの戦略も変わった、ラグビーIQを高めてコーチ陣のやりたいことを理解し実行したいと思っている。それがアカクロにつながるし、アカクロを着る人間の責任だと。そして、絶対優勝しなければならないとも決意している。家族や高校の先生などお世話になった方々に恩返しをしたい、日本一でしか自分は恩返しができないと考えている。
4年生としては1年から試合に出場している経験をチームに伝えたい。会場の雰囲気、観客の雰囲気。そして、自分はそんなにうまくないから、プレーというより気持ちの部分を伝えていきたいと思っている。
自分にとって小さい頃から大学ラグビーといえば早明だった。そんな大学ラグビーの先頭を走り続ける存在のメンバーとして、最後は勝って終わりたい。