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2024
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トレーニングマッチ/慶應義塾大学C戦観戦記

秋を感じさせる冷たい風が吹く中、慶大日吉グラウンドにて早大Cは慶大Cとの試合に臨んだ。前節、帝京大Cに劇的勝利を収めた勢いで奮起する早大Cは、開始から果敢に敵陣へ攻め込む。その後は、主導権を握られる時間があったものの、FWのパワーやBKの展開を武器に24-14で前半を終えた。後半は、開始早々にトライを許したが、スクラムや粘り強いディフェンス、スピードあるアタックラインで優位に立ち、トライを量産。最終スコア44-21で、今秋シーズン2勝目を挙げた。

前半中盤までは、互いがトライを取り合う展開となった。開始9分、敵陣でプレーを続けていた早大Cが、ゴール5メートル手前でスクラムを獲得。安定したスクラムを起点に、ブラインドサイドでWTB鈴木寛大(スポ1=岡山・倉敷)が、ステップで相手を振り切り、インゴールへ飛び込んだ。しかし、その後慶大Cのモールを止め切ることができず、トライを奪われる。同点となった前半19分、ハーフライン付近でFL野島信太郎(教1=東海大大阪仰星)がスピードあるキャリーで相手選手を3人巻き込む。外側に数的有利ができたところを、FB髙栁壮史(創理2=東京・早大学院)がブレイクし、最後はフォローに来ていたSH井上泰志(スポ3=福岡・東筑)がトライを獲得した。その後1トライを返されるも、モールやPR新井瑛大(教1=大阪桐蔭)のフィジカルプレーが慶大のディフェンスを粉砕し、2トライを奪い返す。前半は個の力も光り、24-14とリードして後半へとつないだ。

インゴールへグラウンディングするSH井上

迎えた後半は、「最初は個人で勝負してしまっていたが、ハーフタイムやショートトークで修正できた」とゲームキャプテンでNO8の小池航太郎(商4=東京・早実)が振り返るように、チーム一丸となってトライを取り切る場面が多くあった。慶大Cに先制トライを奪われたが、規律あるディフェンス、スクラム、そして継続アタックで優勢となり、その後の主導権は早大Cにあった。特に、スクラムで優勢になったことが、BKにアグレッシブさをもたらした。後半19分、自陣10メートル付近のスクラムでアドバンテージを獲得し、CTB黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)がキックで相手裏へボールを浮かす。そのボールをCTB仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)がキャッチし、オフロードでつないで敵陣ゴール前までゲイン。その後、再びペナルティーを獲得し、モールを起点にSH清水翔大(文3=東京・早実)がインゴールへ押し込んだ。試合終盤まで、早大Cの勢いは止まらない。FWの身体を張った連続攻撃からBKがラインブレイク。そのチャンスを逃さず、途中出場のWTB小澤ジョージィ(スポ2=千葉・流経大柏)が2トライを獲得した。慶大Cのアタックに対しても粘り強いタックルで仕留め続け、その後はノースコアに抑えて、44-21で白星を飾った。

途中出場ながら勢いある攻撃を見せ、2トライを獲得したWTB小澤

「これまでの練習や3試合を重ねてきて、互いがどんなプレーをしたいか分かるようになってきて、良いチームになってきている」(小池)と語るように、早大Cがチームとしてのまとまりを見せた本試合。FWがセットプレーや継続で優位に立ち、BKが展開によってトライを取り切るという「早稲田ラグビー」を体現したものであった。次節の東海大C戦は、よりフィジカルが求められる厳しい戦いとなるだろう。ここまでの2連勝の勢いを維持しつつ、改善すべき点を修正して臨む彼らのプレーに目が離せない。

記事:長野恵治 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)