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Beat Up

2024

ジュニア選手権/慶應義塾大学戦観戦記

時折小雨がちらつく曇り空の下、慶大日吉グラウンドで関東大学ジュニア選手権の第3戦が行われた。早大Bは前半開始直後に先制に成功。その後1トライを返されるものの、粘り強く耐え続け得点を許さない。着実に得点を重ねて22-5で試合を折り返した。後半最初に不運な形から失点し、慶大Bに流れが傾きかけるが、自分たちの形を崩さなかった早大B。終盤に追加点を重ねて突き放すと、36-19で今大会初勝利を挙げた。

試合開始早々、早大Bは敵陣ゴール前でラインアウトを獲得する。モールで押し込みゴールラインに迫ると、先日赤黒デビューを果たしたルーキーHO清水健伸(スポ1=東京・國學院久我山)が先制のトライを決めた。このトライをきっかけにセットプレーでFW陣が躍動。スクラムやモールから何度もペナルティーを獲得し、慶大Bのキックを多用する戦術に対して簡単に自陣を明け渡さなかった。セットプレーで優位に立った早大Bはさらに得点を重ねていく。33分には敵陣左ゴール前のラインアウトから、先制点を奪ったモールをフェイントに使いボールを出すと、ショートサイドに連続攻撃を展開。最後は狭いサイドでボールを受けたNO8粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)から、大外に走り込んだWTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)にボールが渡り、追加点を奪った。いい流れを作り、22-5で前半を終える。

モールから先制トライを奪ったHO清水

後半も流れに乗りたい早大Bだったが、開始直後に試合は動く。 慶大Bのキックオフボールを22メートルライン付近で確保するものの、その後脱出を図ったキックがチャージされ、そのままゴールラインに飛び込まれた。前半に続きセットプレーで優位に立つが、23分にはモールから追加点を奪われ、3点差まで詰め寄られる。しかし、「チーム全体として崩されているという感覚はなかった」とCTB岡本大輝ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)が振り返るように、慶大Bに流れを完全に渡すことはなかった。32分には中盤でのキックの攻防から、FB京山秀勇(人4=福岡・東筑)がゲインすると、テンポの速い連続攻撃でボールを展開する。最後はSO吉岡麟太朗(スポ3=東京・本郷)、CTB金子礼人(法2=福岡・西南学院)、WTB三浦哲(文構3=東京・早実)と素早くつなぎ、大外のWTB溝井颯太朗(スポ3=北海道・函館ラサール)がラストパスを受け、ゴールライン右隅に飛び込んだ。試合終了間際にも得意のモールで、勝利を決定づけるトライを奪い、36-19で試合を終えた。

ディフェンスに仕掛けるWTB溝井

初勝利のかかった重要な試合で、慶大Bに見事勝ち切った早大B。これまでの成長を大きく感じられる大会となった。特にセットプレーでの安定がチームに勢いをもたらしている。さらにこの試合では「規律をよく守れていた部分が最終的に勝利につながった」と岡本が話すように、チームとしての勝負に対する貪欲さも強くなってきていると感じられる。総当たり戦最後の試合となる次戦、東海大Bを相手に集大成となる活躍を見せてほしい。

記事:西川龍佑 写真:村上結太(早稲田スポーツ新聞会)