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2024

関東大学対抗戦/青山学院大学戦観戦記

秋の深まりを感じさせないような強い日差しが照り付ける、セナリオハウスフィールド三郷。関東大学対抗戦(対抗戦)第4節となる青学大戦が行われた。試合開始早々にトライを奪われた早大だったが、その後は持ち前の攻撃力を発揮し、青学大を寄せ付けない。後半でさらに調子を上げた早大は試合全体で8つのトライを挙げ、54-17と快勝し、対抗戦の残る3試合に向けて弾みをつけた。

前半3分、ミスによって自陣22メートルライン付近でのスクラムを奪われた早大は、そのまま一次攻撃でトライを奪われ、立ち上がりをくじかれることとなった。しかし5分、青学大のアタックをタッチライン際でパスカットし、ラックを作らずに逆サイドに展開。外側で余っていたFL村田陣悟(スポ4=京都成章)とWTB守屋大誠(政経3=東京・早実)が大きくゲインすると、その後も早いテンポでアタックを継続し、ペナルティーを獲得する。最後はラインアウトモールでインゴールをこじ開けた。前半の早い段階で同点に追いつくことに成功し勢いに乗ると、続く16分、青学大のダイレクトタッチから敵陣22メートルライン付近でラインアウトを得る。フェーズを重ねたアタックで青学大のオフサイドを誘発。敵陣ゴール前5メートルの位置でラインアウトモールを組み、HO安恒直人(スポ3=福岡)が逆転のトライを挙げた。29分には敵陣ゴール前のマイボールスクラムをインゴールまで押し切り、得点を追加。「去年の同じタイミングの試合と比べてFWの安定感も増した」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)も評するように、FWのセットプレーで優位に立ち、19-7で試合を折り返す。

ボールを投げ入れるHO安恒

前半の勢いをキープする早大は後半2分、継続したアタックから数的有利を作り、最後は守屋がインゴールを駆け抜けた。7分、青学大にペナルティーゴールを許すが、リスタート後すぐのスクラムでペナルティーを奪い、流れを渡さない。16分には、FB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)がギャップを逃さず、鋭いランでディフェンスラインを引き裂き、そのままトライ。33-10とさらにリードを広げていく。FW、BKが一体となった早大は、ディフェンスでも魅せた。28分、アタックのミスで一気にゴール前まで攻め込まれた早大だったが、規律を順守する丁寧な、力強いディフェンスで青学大のミスを誘う。さらにそのミスボールにいち早く反応したFL永嶋仁(社4=東福岡)からボールを受け取ったNO8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)が大きくゲイン。素早くボールをつなぎ、最後はSH細矢聖樹(スポ3=國學院栃木)からパスを受け取ったCTB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が得点を挙げる。さらに37分には、伊藤のタックルからターンオーバーに成功し、ラックからボールを持ち出した村田がインゴールに押し込んだ。試合終了間際に自陣ゴール前で相手ボールスクラムからトライを奪われたが、ラストプレーで攻め続け、最後はSO京山秀勇(人4=福岡・東筑)がインゴールにねじ込み、ノーサイド。54-17と4連勝を飾った。

インゴールへと加速するFB久富

FWのセットプレー、さらにはアンストラクチャーの場面で強さを見せた早大。しかし、「100パーセントやりきれていないところがある」と伊藤が語るように、試合の立ち上がりやキックオフの攻防など修正すべき課題も見えた。次戦は昨年覇者であり、今季2度敗れている帝京大。「小手先では通用しない相手」(大田尾監督)に対して細部までこだわった早稲田らしいラグビーを実現できるかが勝敗に直結するだろう。大一番に向けて闘志を燃やす、赤黒戦士たちの躍動に期待が高まる。

記事:村上結太 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)