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Beat Up

2024

関東大学対抗戦/帝京大学戦観戦記

多くのラグビーファンが足を運んだ秩父宮ラグビー場。早大は昨シーズンの王者・帝京大との一戦に臨んだ。帝京大の先制トライから始まった前半。その後もスクラムで圧倒され得点できず、停滞した展開に。しかし前半終了間際、FB伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が自陣から仕掛け、最後はNO8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)がトライを挙げ反撃を予感させた。前半と異なり点の取り合いとなった後半。早大はモールやサインプレーで点を重ね、一時3点差まで迫るが、残り10分で2本のトライを奪われる。善戦むなしく、21-36で惜敗した。

前半4分に試合は動いた。中盤で早大がペナルティーを取られ、自陣に侵入を許す。ディフェンスで相手を裏返すタックルを見せるが、帝京大の激しい縦の攻撃に人数を取られ、最後は大外に展開されトライを許した。その後早大はディフェンスを修正し、強いフィジカルの攻撃も封じ込める。ハイパントで突破されたピンチの場面ではSH島本陽太(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が追いつきノックオンを誘い、アタックではFWとBKの連携で相手の守備の規律を乱し、ゴール前まで迫るなど、早大は粘り強く奮闘する。しかし、スクラムで圧倒され、チャンスを生かせないまま30分間の停滞が続いた。37分に再度トライを奪われ、そのまま前半が終わると思われた。しかし、43分に伊藤が自陣からショートパントで果敢に攻め、再び小さく蹴ったボールを松沼が獲得しトライを決める。会場の歓声も最高潮となり、逆転の兆しを見せ7-14で前半を終えた。

自陣からキックを重ね攻撃を仕掛けるFB伊藤

迎えた後半、早大は先制点を奪われたものの、9分に敵陣ゴール前ラインアウトを獲得し、モールから速いテンポでFWを当て前進し、ペナルティーを誘う。もう一度ラインアウトを選択し、次はモールで確実にトライを取り切った。続く15分、相手にペナルティーキックを決められ、両校の差は10点に。そして27分、早大は敵陣ラインアウトを獲得すると、FWをひとつ当て逆サイドに展開。パスを受けたHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がディフェンスを突破し、最後はLO村田陣悟(スポ4=京都成章)がタックルされながらもボールを左隅のゴールラインに叩きつけた。3点差となり会場を沸かせた早大であったが、33分、40分と立て続けにトライを奪われ最終スコアは、21-36。追い上げを見せたが、終盤で離され悔しい敗戦となった。

タッチライン際からインゴール左隅へトライを決めたLO村田

アタックでは精密な連携で帝京大のディフェンスを崩した本試合。「策に溺れないということを意識した」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が語るように、練習で積み上げてきた地力を感じさせる攻撃を見せた。一方ディフェンスでは「防げるトライ」(FL栗田文介、スポ2=愛知・千種)があり、細かなミスを修正し、点差を埋めることが求められる。次はライバル校、慶大との伝統の一戦だ。洗練された早稲田スタンダードを体現する攻撃で、黒黄の堅守を破れるか。

記事:原旺太 写真:川上璃々、村上結太(早稲田スポーツ新聞会)