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2024

トレーニングマッチ/4年早明戦観戦記

最終学年の誇りがぶつかり合う4年早明戦が上井草グラウンドで行われた。両チームの気持ちがこもったプレーが連発し、序盤からタフなゲーム展開となった今試合。前半はミスボールが明大に収まるなどアンラッキーな場面も多く、12-21と9点のリードを奪われる。後半にも早大選手たちの果敢なタックルが見られたが、明大の圧力に苦戦を強いられ、12-40で敗戦となった。

明大のキックオフから始まった前半は序盤から押し込まれる。前半2分、明大のプレッシャーを受け、自陣ゴール前でターンオーバーを許した早大は開始早々からピンチを迎える。気迫のこもったタックルで明大の強力なFW陣の前進を許さなかったが、ノットロールアウェイの反則を取られる。明大ボールのラインアウトは後ろにそれたものの、ボールは再び明大のもとに収まり、先制点を許した。早い時間で得点が生まれたが、その後は膠着した緊張感のある展開に。8分、NO8渡辺駿斗(商4=東京・早実)のインターセプトからビックゲインを得た早大だったが、トライに結びつけることができない。続く13分にもLO松下慶伍(教4=東京・早実)のラインブレイクから一気に明大ゴール前まで攻め込むが、キックパスがつながらず、トライを取り切れないシーンが続く。しかし19分、FB京山秀勇(人4=福岡・東筑)のナイスキックから敵陣10メートルライン付近でラインアウトを得るとPR池田裕哉(スポ3=東京・明大中野)が力強いヒットで確実にゲイン。早いテンポでフェーズを重ねてCTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)が抜け出し、最後はフォローに走っていたSH井上泰志(スポ3=福岡・東筑)がボールを受け取りトライ。試合を振り出しに戻した。

FL宮本大生(文構4=埼玉・早大本庄)の鋭いタックルやFL小池航太郎(商4=東京・早実)のジャッカル、半年ぶりに対外試合復帰を果たしたLO藤井将吾(スポ4=大阪・早稲田摂陵)の強烈なタックルなど迫力のあるプレーが飛び出したものの、明大の素早いアタックにディフェンスラインを崩され、2トライを追加される。しかし37分、WTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)のゲインから明大のオフサイドを誘発し、ゴール前でのラインアウトを得た早大はモールを形成。明大をインゴールまで押し切り、待望の追加点を挙げると部員席からも歓声が沸き起こった。前半終了間際に反撃の狼煙を上げ、12-21で試合を折り返した。

半年ぶりの対外試合となったLO藤井の力強いゲイン

後半は両チームともペナルティーが重なり、エリアの取り合いが続く展開となった。7分、早大の反則からゴール前ラインアウトを獲得した明大は変化をつけたサインプレーでゲインラインを切ると、FWで押し込み、追加点を挙げた。早大は反則が重なり、苦しい時間が続くが、19分にはWTB鈴木陽結(政経4=東京・早大学院)の前に出るディフェンスで明大のミスを誘うなど4年生の意地を見せたプレーも光る。しかし29分、自陣から積極的にボールを回した早大だったが、ミスからスクラムを奪われる。一次攻撃でそのままトライを許し、33-12とさらにリードを広げられてしまった。「後半になって明大の勢いのあるアタックにのまれてしまった」と宮本が振り返るように、後手に回ってしまう場面が多かった早大。35分にはPR新井瑛大(教1=大阪桐蔭)が力強いドライブで前進するが、ボールを奪われてしまう。大きく展開されると明大のラインスピードに追い付けず、トライを許した。さらに37分、岡本をきっかけにラインブレイクし、敵陣深い位置でペナルティーを獲得した早大はタップで再開するものの、明大の鋭いタックルに押し込まれノックオン。12-40と点差を離され、ノーサイドとなった。

スピードある攻撃で、相手ディフェンスを翻弄するWTB磯崎

「勝ち切れなかったことが一番の反省点」とゲームキャプテンの藤井が語るように、敗戦に悔しさがにじむ早大。お互いの気持ちがぶつかり合った本試合は、今季随一のタフなゲームとなった分、収穫も多い。

「この試合を最後にするつもりは僕を含めて4年生全員ない」(宮本)、「赤黒を着る、『荒ぶる』を歌うことを諦めていない」(藤井)、「上に這い上がっていくという気持ちを忘れない」(磯崎)、「最後の最後まで『荒ぶる』に向けて努力する」(京山)と赤黒、そして『荒ぶる』に強い思いを見せる4年生一同。今試合の敗戦を糧に、4年生は一段とギアをあげ、集大成に向けて駆け抜ける。

全国大学選手権(大学選手権)の初戦は12月17日、目前に迫った『荒ぶる』に向け、負けられない戦いが始まる。

記事:村上結太 写真:濵嶋彩加(早稲田スポーツ新聞会)