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Beat Up

2024

招待試合 慶應義塾大学戦/観戦記

佐賀県・SAGAスタジアムにて第28回佐賀招待ラグビー・早慶戦が行われた。観客席は早大ファンで一色。前半10分にモールで先制を許した早大だったが、その後は4連続でトライ。26-5で前半を折り返すと、後半開始直後に追加点。このまま早大ペースかに思われたが、慶大の激しいディフェンスに苦戦を強いられ、18点差にまで詰め寄られる。しかし、ノータイムの47分に自陣深くからアタックを仕掛けた早大はFB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のスーパープレーから試合を決めるトライを挙げ、ノーサイド。52-27で春の早慶戦に勝利した。

ラインブレイクする矢崎

早大のキックオフで開始した試合。ファーストプレーでFL粟飯原謙(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がジャッカルに成功すると、慶大ゴール前まで侵入に成功。しかしラインアウトが乱れ、チャンスを生かすことができない。その後、早大は次々とペナルティーを重ねてしまい、慶大に陣地を奪われる。10分、慶大の自陣ゴール前ラインアウトからそのまま被トライ。先制を許してしまう。15分、慶大のオフサイドで前進した早大はゴール前でラインアウトモールを形成すると、HO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) がインゴールに飛び込み、待望の得点を挙げた。前半20分にも、慶大の反則からゴール前まで侵入した早大はモールを形成した後、ディフェンスラインに角度をつけて走りこんできたCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が追加点。続く32分には敵陣ゴール前センタースクラムを右に展開。CTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園) からロングパスを受けたWTB髙栁壮史(創理3=東京・早大学院)がインゴールを駆け抜ける。さらに40分、自陣スクラムから仕掛けた早大はFB矢崎が相手のタックルを外すと、最後はWTB髙栁が今試合2つ目のトライ。前半を26-5で終える。

力強いボールキャリーを見せる佐藤主将

後半の先制に成功したのは早大。3分、自陣10メートルライン付近の慶大ラインアウトをターンオーバーすると、BKで大きく展開する。WTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)がゴール前までボールを運ぶと、FB矢崎が慶大ディフェンスを引き裂いてトライ。リードを28点まで広げた。7分に失点を許すものの、10分にはCTB黒川からパスを受け取ったLO西浦剛臣(社4=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)。大きく前進すると、ラックサイドに走りこんだHO佐藤主将からオフロードパスを受けたSH糸瀬真周(スポ 3=福岡・修猷館) がインゴールを駆け抜けた。13分に慶大に失点を許すと、18分に早大はモールで取り返す。20分、31分と失点を許し、スコアは45-27。拮抗した早慶戦らしい試合展開になると、決着のトライはWTB鈴木。ラストプレーで慶大モールを力強いディフェンスで前進を許さなかった早大。こぼれたボールを自陣深くで展開してWTB鈴木がラインブレイク。自身の前方に逸れたパスをFB矢崎が足でコントロールし、もう一度ボールはWTB鈴木に。そのままインゴールまで走り切り、最終スコアを52-27と早慶戦を勝利で飾った。

CTBで活躍する福島

今試合はボールを大きく動かすアタックで多くのトライを生み、様々な形で得点を量産し、アタックのバリエーションを見せた早大。しかし、試合全体のペナルティーの多さに関して佐藤主将は「1つのワークで終わらないようにしなければならない」と振り返るように規律に不安が残る。関東大学春季大会開幕まで残り一週間。この佐賀の地で得た課題を上井草グラウンドに持ち帰り、早大はさらに進化する。『Beat Up』を掲げ、全カテゴリーでの全勝を掲げる早大。『荒ぶる』に向けた道は始まったばかり。春季大会での早大の快進撃に期待せずにはいられないだろう。

記事:村上結太 写真:西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)