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Beat Up

2024
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春季大会 法政大学戦/観戦記

曇り空の早大上井草グラウンドには多くの観客が駆け付け、春季大会第4節・法大との一戦が行われた。早大は序盤からスクラムでプレッシャーをかけ、前半2分に早々と先制に成功する。ボールポゼッションで優位に立ち、法大を無得点に抑えて26-0で前半を折り返す。続く後半でも攻撃の手を緩めず、次々に得点を加える。インターセプトなどで失点を許すものの着実にリードを広げ、52-14と危なげなく白星を飾った。

インゴールに向けて突破するLO栗田

早大は序盤から法大に圧力をかける。2分、敵陣で得たマイボールスクラムをプッシュし、法大のディフェンスラインを後退させる。右に大きくボールを展開し、初スタメンのWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)がタッチライン際を駆ける。一気にゴールライン目前まで前進すると、早いテンポで次々にゲイン。LO栗田文介(スポ3=愛知・千種) 、CTB金子礼人(法3=福岡・西南学院)がそれぞれ力強い突破を見せると、最後はFB池本晴人(社2=東京・早実) がグラウンディング。早くも先制に成功した。9分、12分のスクラムで連続でペナルティーを奪うと、敵陣に侵入。ラインアウトのセットプレーでFWが着実にゴールに近づいていく。ライン際のBKのアタックで池本がタックラーをかわしながらボールを受け取ると、そのままインゴールまで走り切った。続く17分、ハーフライン付近のマイボールスクラムから左右に大きく展開するアタックを見せると、法大のディフェンスに綻びが生まれる。No.8城央祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園) からショートパスを受け取ったFL田中勇成(教3=東京・早実) が前進。順目にアタックを継続した早大は金子がラインブレイクに成功し、最後は田中(健)がトライ。19-0とリードを広げる。31分、自陣22メートルライン付近でのマイボールスクラムを積極的に展開した早大は左サイドでWTB清透馬(商4=茨城・茗溪学園) が持ち前のステップでタックルをずらしてゲインする。返しのアタックでSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が法大ディフェンスのギャップを正確に突き、キックで陣地を大きく獲得。そこから法大陣内での攻防が続く。36分、早大は敵陣深い位置でのラインアウトから正確にアタックを継続すると、池本のオフロードパスを受け取ったHO安恒直人(スポ4=福岡) がトライ。26-0と法大に攻撃の隙を与えないまま前半を折り返した。

2トライを奪う活躍を見せたFB池本

後半が開始して以降、両チームはボールが手につかずミスが増えてしまう。先に精細を取り戻したのは早大。11分、中盤でのスクラムで一気に押すと、コラプシングのアドバンテージを獲得。アグレッシブなアタックでゲインを見せると、野中からパスを受け取ったPR新井瑛大(教2=大阪桐蔭) がブレイク。フォローに走っていたCTB森田倫太朗(スポ2=兵庫・報徳)が受け取り、追加点を挙げた。15分、再開のキックオフをキャッチした早大は自陣からアタックを仕掛ける。田中(勇)が鋭い加速で法大ディフェンスを引き裂き、一気に敵陣22メートルラインまで侵入。SH糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)が早いテンポでパスを展開し、金子がトライを取り切った。18分には失点を許すものの、22分にFL萩原武大(スポ3=茨城・茗渓学園)のナイスタックルでペナルティーを獲得した早大は、法大ゴール前でラインアウトモールを形成しHO清水健伸(スポ2=東京・國學院久我山)がグラウンディング。45-7と着実にリードを広げていく。さらに30分、法大はスクラムから大きく外側に展開したが、田中(健)の詰めるディフェンスでアタックミスを誘うと、田中(勇)からオフロードパスを受け取った栗田が敵陣10メートルライン付近からタックラーを次々と引きちぎり、ゴール中央にトライ。35分にインターセプトから法大に追加点を許し、スコアは52-14。38点のリードを得たままノーサイドの笛が鳴った。

今季初のスタメン出場を果たしたHO安恒

今試合では強力なスクラムが光り、試合の流れを掴んだ早大。新井は「春から積み上げてきたものを法大に対して出し、(スクラムを)優位に組めた」と振り返る。スクラムの要である佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) 、亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園) を欠く中でも盤石の強さを見せ、層の厚さを示した。しかし、アタックでのミスなどそれぞれの課題を自覚する一戦にもなった今節。次戦、最終節の帝京大戦では1つのミスが命取りとなる緊張感のある試合展開となるだろう。春シーズンの王者が決まるまであと一週間。『春シーズン全勝』、そして『Beat Up』を体現するため、さらに完成度を高めていく早大ラグビー部から目が離せない。

記事:村上結太 写真:西川龍佑、清水浬央(早稲田スポーツ新聞会)