Aチームの試合から一転、雨がちらつく東洋大・川越グラウンドで早大B対東洋大Bの一戦が行われた。
試合は開始早々から激しいコンタクトの応酬となり、下がっていく気温とは裏腹にグラウンド内は熱を帯びていく。早大Bはスクラムでペナルティーを獲得するなど試合を有利に進めていき、前半を12-0とリードして折り返す。
後半は開始直後に早大Bが2トライを追加し、東洋大Bを突き放しにかかる。1トライ返されるものの、さらに3トライを挙げて46-7と大きくリードして東洋大Bを下した。

前半から積極的に身体をぶつけ合った両チーム。早大Bは先にペナルティーを犯してしまい、自陣での苦しい展開が続く。5分、自陣22メートル内で相手ボールのスクラムとピンチを迎えるが、早大Bはペナルティーを奪取。
ここから一気に攻めに転じた早大はCTB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)、LO小松輝也(スポ3=大阪・常翔学園)の前進で敵陣ゴール前まで侵入することに成功する。一度はボールを奪われてしまうものの、東洋大Bの脱出のキックをキャッチしたWTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)が個人技でディフェンスを抜いていき、そのままゴール中央へと飛び込んだ。
この後は膠着した試合展開となり「前半はゴール前でボールをこぼしてしまうなど、自分たちのコミュニケーションミスや判断ミスで繋がらなかった場面があった」とアタックの中核を担った島田が語ったようになかなかスコアボードが動かない。
再び戦況が変化したのは33分。狭いサイドでPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)からWTB山下一吹(教4=東京・早実)へと素早いハンズで数的優位を作り、突破するとSH平塚英一朗(法3=東京・早実)、FB髙栁壮史(創理4=東京・早大学院)とボールを繋いでゴール前へ。東洋大Bがたまらず犯したペナルティーでスクラムを選択すると、一次攻撃で山下(恵)がゴール左隅にグラウンディング。12-0とリードを広げて前半を終えた。

続く後半は開始直後から早大Bが流れを握る。自陣からアタックを継続し、左サイドで山下(恵)がゲインすると、右へ大きく展開しながらゴール前へ。少しボールが落ち着かない瞬間はあったものの、最後はFL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)がトライした。
さらに8分、CTB平野仁(スポ2=神奈川・法政二)のオフロードパスを受け取った山下(一)がタックラーを引きずりながら力強いトライを見せ、スコアは24-0となった。
14分にはスクラムの一次攻撃からライン際を駆け抜けられ失点を許したが、19分に早大Bはモールでの得点に成功。
さらに26分には1年生PR平山風希(スポ1=大分東明)がピックゴーでトライラインにボールをねじ込み、28分にはFL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)が奪ったゲインから素早くボールを展開。オーストラリア遠征から帰還したWTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)のオフロードパスを受け取ったFL狹間大介(スポ3=福岡)が試合を決定づけるトライを決めた。
立て続けに得点を重ねた早大Bが46-7と39点差で東洋大Bに勝利した。
前半は思うようにリードを広げられない早大Bだったが、後半は積極的な展開ラグビーとミスの少ないアタックで瞬く間に点差を広げた。
「ヒットした後のまとまりを意識した」と今試合フル出場を果たしたLO龍康之助(文構2=東京・早大学院)が振り返ったように、スクラムで強さを見せた早大B。またピンチを迎えた場面でも我慢強く、よく声の出たディフェンスで失点を最小限に抑えたことが今試合のハイライトだろう。
粘り強く戦った先にある『赤黒』へ。彼らは伝統のジャージーのために戦い続ける。
記事:村上結太、写真:安藤香穂、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)