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2025
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トレーニングマッチ 帝京大学B戦/観戦記

夏を感じさせるような暑さの中、帝京大・百草グラウンドにて早大Bと帝京大Bの一戦が行われた。試合は立ち上がりから激しいコリジョンバトルが繰り広げられ、両者一歩も譲らない展開に。そんな中、少ないチャンスをものにした早大Bが連続でトライを奪う。ピンチの場面でも集中力を切らさず、鉄壁のディフェンスを見せ、12-0と無失点で前半を折り返す。

迎えた後半、早大Bは開始から次々とトライを重ね、31点差までリードを広げる。しかしその後、帝京大Bの猛追を受け、点差は1トライ1ゴールに。それでも前半から築いたリードを守り切った早大Bは、最終スコア31-24で勝利を収めた。

ゲインするFB島田

帝京大Bのキックオフから始まった今試合。先にチャンスを作ったのは早大Bだった。帝京大Bのペナルティーから敵陣5メートルでのマイボールラインアウトを獲得すると、モールで左へドライブ。しかしボールに絡まれてしまい、この好機を得点に結びつけることができない。

ブレイクダウンで激しいボールの争奪戦が繰り広げられ、緊張感ある展開が続く中、早大Bに待望の瞬間が訪れる。前半20分、マイボールラインアウトからCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)が相手ディフェンスの裏へキックを蹴ると、帝京大Bがそのまま自陣インゴールへ持ち込む。再開の5メートルスクラムからボールを受けたFB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)がWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)へとつなぎ、ゴール右隅へトライ。

さらに25分にも、再び敵陣深くでのラインアウトを獲得した早大B。FWが体を当て、フェーズを重ねるとFL狹間大介(スポ3=福岡)がブレイク。最後はSH大賀雅仁(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がゴール中央へグラウンディングした。

その後は帝京大Bの強力なスクラムに押され、自陣深くまで攻め込まれる苦しい時間が続く。反則を重ねた早大Bはスクラムでのコラプシングにより、PR杉村利朗(社2=東福岡)がイエローカードに。数的不利に陥った早大Bだったが、ここでNo.8多田陽道(商2=東京・早実)がスティールを決め、チームのピンチを救う。一人少ない中でも意地のディフェンスでインゴールを守り切った早大Bは、12-0で前半を折り返す。

スクラムからボールを持ち出すNo.8多田

長くこう着状態が続いた前半とは打って変わり、後半は開始早々から早大Bペースで試合が進む。

2分、相手のノックフォワードの反則からマイボールスクラムを得ると、テンポ良くパスをつなぐ。金子がインゴール前までブレイクすると、鈴木の鋭いステップでディフェンスを交わし、最後は島田がゴール右隅へ。スコアを17-0とする。

続く7分には、スクラムからの二次攻撃で島田が相手ディフェンスのギャップを突いてゲイン。そのパスを受け取った狹間がハーフウェイライン付近から約50メートルを走り抜いてトライ。

また、12分には、帝京大Bのキックを確保したLO米倉翔(スポ3=福岡・修猷館)がブレイクすると大賀が素早く左に展開。一度は帝京大Bボールになるものの、すぐにターンオーバー。PR平山風希(スポ1=大分東明)が相手を弾き飛ばしながらディフェンスラインを切り裂き、そのままインゴールへ。31-0と帝京大Bを大きく突き放した。

しかし、ここから帝京大Bが意地を見せる。早大Bの足が徐々に止まり始める中、帝京大BのFW陣が圧力を強める。後半19分のトライを皮切りに、20分弱で怒涛の4トライを挙げ、一気に点差は7点に。逆転目前まで追い込まれた早大Bだったが、なんとか前半からのリードを守り切り、試合終了。最終スコア31-24でノーサイドとなった。

インゴールへ走るPR平山

「帝京大Bに通用するのは、自分たちが練習してきたことだけだと意識の統率が図れていた」と狹間が振り返るように、強い圧力を受けながらも意地のディフェンスで終始リードを守り切った早大B。春季大会・最終節を前に、宿敵から白星を奪えたことはチーム全体にも良い流れをもたらしたことだろう。しかし「今日出たメンバーは帝京大Bに勝つことではなく、赤黒を着て戦うことが目標」(金子)と、選手たちが口を揃えて語るのはAチームへの野望。

この勝利を糧に、さらなる上のステージへ。

文:安藤香穂 写真:伊藤文音、池田健晟(早稲田スポーツ新聞会)