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2025
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第12回関東大学ラグビーオールスターゲーム2025 supported by 建デポ/観戦記

ラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場に集まった大学ラグビーのオールスターたち。早大からはPR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)、No.8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、SO服部亮太(スポ2=佐賀工)、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)、WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)と池本晴人(社3=東京・早実)が選出された。

バックスタンドには多くの大学ラガーマンが集い、大盛り上がりの中始まった今試合。試合開始早々から服部のパスを起点に対抗戦選抜がトライを奪うと、早大の選手たちは要所要所での活躍を見せる。池本の空中戦から黒川がパスを繋いでトライを奪うなど、対抗戦選抜優位の状態で前半を終えた。

続く後半は立ち上がりからリーグ戦選抜ペース。序盤に2トライを許し、17-19と逆転を許したが対抗戦選抜も負けじとトライを追加し、試合はシーソーゲームの展開に。得点を奪い合い、逆転を繰り返す試合の中、勝負を決定づけたのは筑波大のWTB内田慎之甫。キックカウンターから一人でトライを生み出し、34-33と1点差の厳しいゲームを対抗戦選抜が制し、オールスターゲーム2025は幕を閉じた。

試合後に集合写真を撮る選手たち

対抗戦選抜のキックオフから始まった試合は服部の巧みなキックによるゲームメイクで序盤から優位に立つ。

3分、城がラインアウトで安定感のあるキャッチングを見せると、服部のパスからLO荒川真斗(青学大)がブレイク。WTB白井瑛人(明大)がゴールライン目前まで迫るものの、これは惜しくもノックフォワード。しかし対抗戦選抜の勢いは止まらず7分、BKラインで見事にパスを繋ぎ、最後はFL岡部義大(日体大)がインゴール右隅にトライした。

9分、服部のハイパントキックを池本が競ると再獲得に成功。黒川を中心にパスを細かくつなぎ、またも対抗戦選抜が得点を重ねた。

12-0で迎えた26分、リーグ戦選抜のスクラムペナルティーからゴール前でのチャンスを得た対抗戦選抜はBKを含めた13人がラインアウトに参加するまさかの布陣を見せる。ボールがこぼれてしまうが、13人でプレッシャーをかけた対抗戦選抜がキックチャージに成功すると、CTB佐藤侃太郎(立教)がインゴールに抑えた。

しかし32分、スクラムでコラプシングの反則を犯した対抗戦選抜はそのままリーグ戦選抜の勢いを止めることができず、ついに失点を許す。そのまま前半が終了し、17-7で40分を終えた。

ゲインするCTB黒川

後半は前半と打って変わり、立ち上がりからリーグ戦選抜ペース。10分までに2トライを奪われ、17-19と逆転を許してしまう。

悪い流れを断ち切ったのは16分、前半のようにBKも混ざった全員モールを形成した対抗戦選抜はそのままインゴールまで押し切った。高校時代のチームメイトである田中と白井(明大)が肩を組んで喜ぶ場面も見られ、22-19と逆転に成功する。

18分にまたもトライを許し、再逆転されてしまったが20分、右サイドを内田(筑波大)が駆け上がると、一気にゴール前へ。ラックサイドに走り込んだ勝矢がノットロールアウェイのアドバンテージを得ると、SO伊藤利江人(明大)のキックパスから高比良恭介(明大)がインゴールでグラウンディング。29-26とシーソーゲームの試合展開となった。

28分にはゴール前でアタックを継続したリーグ戦選抜が大外へのキックパスで点数を追加すると、勝敗は最終盤へともつれ込む。勝負を決めるトライが生まれたのは35分、内田(筑波大)がキックカウンターを仕掛け、一人で70メートル超を走り切ってトライ。34-33と1点差の熾烈な争いを制した対抗戦選抜が勝利して試合を終えた。

ラックサイドに走り込むPR勝矢

「今までと違うメンバーでラグビーができることの刺激はとても大きかった」(勝矢)。

「良い選手がいっぱいいて刺激される部分もあったので帰って磨きをかけたい」(城)。

「同じポジションの人でも、パスの一つひとつの違いだったり、仕掛けのところも変わってくるのでかなり勉強になった」(服部)。

「今まで早稲田の中でしかプレーしてなく、他大学の選手との交流などは全くなかったので、上手いプレーヤーと一緒にラグビーできて新鮮だった」(黒川)。

「レベルが高くて、練習期間は長くはなかったが良い経験になった」(池本)。

「強い高校だったりそうでもない高校でも、大学に上がって同じレベルのステージで一緒にやれていることは本当に楽しくて刺激になった」(田中)。

試合に出場した選手たちは以上のように振り返った。

他大学の選手たちとの交流の中で自分たちの強みを再発見したことは間違いない。大学ラグビー全体を盛り上げ、大観衆の中で『荒ぶる』を歌うために、灼熱の夏が幕を開ける。

記事:村上結太 写真:安藤香穂、吉田さとみ(早稲田スポーツ新聞会)