早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

One Shot

2025
  • SpoLive

トレーニングマッチ 三菱製鋼戦/観戦記

8月8日に菅平に入山した早大ラグビー蹴球部。ラグビーのことだけを考え、生活するこの18日間はチームの命運を分けるターニングポイントであることは間違いない。そんな夏合宿の最初の相手は三菱製鋼。社会人相手に早大DEは速い展開のアタックとすぐに立ち上がるディフェンスでまさに圧倒。
前半だけで6トライを挙げ、40-12で折り返した今試合だったが後半も攻撃の手を緩めず、後半の40分でさらに47点を追加。87-19と三菱製鋼を大きく突き放して早大DEが夏合宿の初戦に白星を飾った。

ラインブレイクするFB肥後

試合開始早々からスコアは動いた。三菱製鋼がセンタースクラムからのキックで50:22を成功させると、ラインアウトモールで早大DEを押し込んで得点。2分に先制点を奪われ、立ち上がりをくじかれた早大DEだったが5分にSO古瀬莊(スポ1=静岡聖光学院)からFB肥後直希(スポ1=早稲田佐賀)、そしてWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)にボールを繋いでインゴール右隅にトライ。難しい角度のキックも成功し、試合は7-7と振り出しに戻った。

続く15分にはBKのキックカウンターから着実に陣地を広げていった早大DEがFWを中心にしたアタックでゲイン。PR池田恭盛(商2=早稲田佐賀)がインゴールにねじ込み、リードを奪うことに成功した。

20分にまたもモールで三菱製鋼にトライを奪われてしまうが、以降は早大DEのトライショー。23分、LO駒井良(スポ1=東海大大阪仰星)のラインブレイクからフォローに走っていた肥後がインゴールに走り込むと、続く26分にも肥後が連続トライ。26-12と点差を突き放しにかかる。

34分にはペナルティーからゴール前まで攻め込まれた早大DEだったが、相手アタックのミスボールを素早く拾ってSH佐藤隼成(法2=東京・早大学院)がラック裏からナイスキック。小貫と古瀬が追いかけ、三菱製鋼ゴール前のブレイクダウンでボール奪取に成功すると、素早く展開しCTB佐々木篤真(法3=福島)がトライ。キックも成功し、点差は21に。

さらに39分にはBKが狭いサイドに鋭いアタックを仕掛けると、肥後が前半だけでハットトリックに成功。40-12で前半の40分を終えた。

タックラーをかわすLO駒井

後半は6分にスクラムでアーリーエンゲージの反則からディフェンスで後手に回った早大DEが失点。前半同様、立ち上がりでインゴールを割られてしまったが全く崩れることがなかった早大DE。

8分、WTB馬場敦輝(スポ1=大阪桐蔭)のラインブレイクで一気に敵陣深くまで潜り込み、SH中川空河(人1=福岡・修猷館)が持ち出してトライ。再開のキックオフでLO鈴木大和(国教3=東京・早実)が力強いゲインを見せ、HO小笠原正義(商2=東京・早実)の軽快なランで陣地を大きく獲得した早大DEは、FB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)のトライでスコアを50-19とした。

続く21分、CTB佐藤世那(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに飛び込むと早大DEのアタックはさらに加速する。24分にはPR野村怜央(商1=兵庫・報徳学園)からオフロードパスを受け取ったPR田能開成(法2=東京・早大学院)がゴール目前まで前進。最後は中川がトライし、点差は57点差にまで広がった。

28分には細田がインゴールにグラウンディングし、30分には中川が3本目となるトライを挙げた。ノータイムにはSO細谷有貴(スポ1=早稲田大阪)がダメ押しのトライでスコアを87-19とし、早大DEが三菱製鋼に大勝して見せた。

インゴールへ走るSH中川

立ち上がりでの失点など課題も見えた今試合だったが、それ以上に早大ラグビー蹴球部として初めて菅平合宿に挑戦する1年生たちの堂々としたプレーが印象的であった。

ゲームキャプテンを務めたWTB渡邉琉斗(法4=東京・本郷)が「『接点』に拘るというテーマを掲げた」と語ったように、積極的なボール関与で自身の強みをアピールし続けた早大DEの選手たち。ラグビーと正面から向き合う18日間を経て、彼らはどんな成長を見せてくれるのだろうか。

成長の夏はもう始まっている。

記事:村上結太(早稲田スポーツ新聞会)