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One Shot

2025
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トレーニングマッチ 天理大学A戦/観戦記

鍛錬の夏が終わる。菅平合宿のラストを飾るのは天理大とのトレーニングマッチ。前週、帝京大に力の差を痛感させられた早大。だが、ここで終わるわけにはいかない。関東大学対抗戦に向けて積み上げてきたものを出し切る、最後の試金石が始まった。

前半開始早々、天理大に先制トライを許し、出鼻をくじかれた早大フィフティーン。だがその後は、PR前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)の驚異的な強さを誇るスクラムで相手を圧倒し、立て続けにペナルティーを獲得していく。しかし天理大のプレッシャーに押し込まれ、早大は思い通りのアタッキングラグビーを展開できない。それでも反撃の狼煙を上げたい早大は、前半34分にFB植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)がアングルチェンジから好機を演出。トライにつなげ、スコアを7-7の振り出しに戻して前半を折り返した。
迎えた後半、早大は接点で確実に前へ出られるようになり、アタックのテンポが加速。SO服部亮太(スポ2=佐賀工)がアタックラインを巧みにコントロールし、BK陣も本領を発揮。持ち前の展開力を見せると、次々と得点を重ねていった。最終スコアは42-14。菅平最終戦を白星で締めくくった。

ディフェンスに仕掛けるPR前田

服部のキックオフで幕が開けた今試合。早大の反則をきっかけに、天理大が一気に敵陣深くへ。ラインアウトモールから畳みかけるようにフェーズを重ねられると、ラックサイドを破られ、先制点を奪われてしまった。反撃の狼煙を挙げたい早大は、服部、CTB野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)、福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)のBKラインで攻撃の流れを作り、徐々に主導権を握り始める。前田がスクラムで絶対的な強さを発揮。相手ボールであっても関係なく、全てのスクラムを支配し、ペナルティーを奪い取っていった。

終始相手ゴール前で攻め込む早大。だが接点での天理大の圧力に阻まれ、アタックは思うように進まない。ゴール前まで迫りながらも得点を奪えず、決定力に欠ける展開となった。

前半35分、なんとか得点を奪いたい早大に、ついに待望のトライが訪れた。早大はスクラムでペナルティーを獲得し、敵陣ゴール前まで攻め込む。ラインアウトモールを形成すると、BKに展開。野中のショートパスを受けた福島がカットアウトで相手ディフェンスを切り裂く。さらにオフロードパスでつなぐと、植木が角度を変えて走り込み、次々と相手を抜き去ってトライラインを突破した。野中が冷静にゴールを沈め7-7。スコアを振り出しに戻し、前半を終えた。

コンバージョンキックをするCTB野中

迎えた後半、早大のアタックに勢いが戻り始める。接点でゲインラインを突破すると、服部がアタックラインを巧みに操り、攻撃のテンポは一気に加速。早大は持ち味のアタッキングラグビーを存分に見せ始めた。
後半5分、野中の裏に走り込んだ服部が素早くボールを繋げると、再び植木がインゴールに滑り込んだ。
続く13分には、服部がスペースに球を供給していき、アタックラインを前に進めていく。No.8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が前に出て起点を作り、FWでフェーズを重ねていく。アタックのテンポが上がると、服部が目の前のギャップを見逃さず、トライラインを駆け抜けた。野中のゴールも決まり、21-7。着実に点差を広げていく。

後半19分には、SH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)が相手ディフェンスの陣形を見て逆サイドに仕掛けると、服部からWTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)にボールが渡り、そのままトライラインに飛び込んだ。
25分には、再び田中が得点を挙げる。FL松沼寛治(スポ3=東海大大阪仰星)が天理大アタックに激しくプレッシャーをかけ続け、相手に流れを渡さない。そして、今試合で復帰を果たしたFB矢崎由高(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が持ち前のランニングスキルでチャンスを作る。後半30分に、矢崎から服部のボールがつながると、福島がトライラインに飛び込んだ。試合終了間際には、服部が50-22を見せるも、追加点には至らずノーサイド。菅平最終戦を42-14で締め括った。

ステップを踏むFB矢崎

天理大の圧力に押された前半。しかし、前田を筆頭にスクラムでみせた勝負強さは早大の大きな強みであり、秋シーズンでもチームを救うだろう。前半で得点を取りきれなかったことには、今シーズンのスローガンにもある『One Shot』に通ずる決定力に課題が残った。
それでも、後半からの修正力は揺るぎなかった。対抗戦でも必ず壁がたちはだかる。だが、この修正力があれば早大を前へと進ませてくれるはずだ。

チーム野中の航海は折り返しを迎えた。来月からはいよいよ対抗戦が幕を開ける。昨年の決勝でこぼした大粒の涙を歓喜へ変える旅が再び始まった。彼らは、この先どんな物語を紡いでいくのだろうか。

記事:大林祐太(早稲田スポーツ新聞会) 写真:早大ラグビー蹴球部提供