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2025
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トレーニングマッチ 明治大学C戦/観戦記

関東大学ジュニア選手権で明大Bに快勝した早大B、続く早大Cも明大Cに勝って2カ月強の秋シーズンに勢いをもたらしたい。そんな中、敵地・八幡山で行われた明大C戦はまさに接戦であった。前半は明大Cに流れを持っていかれ、立て続けに3本のトライを奪われる。その後モールで得点し、一矢報いるもすぐに返される。CTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)の追加得点でスコアは12-24となり、後を追う形で後半へ。後半8分に早大Cは丁寧に外までパスを回してトライ、そしてコンバージョンゴールを決める。さらに相手のパスミスからボールを拾い、最後はHO石原遼(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がグラウンディングに成功。これにより両者、得点が並ぶ。しかし、ここからのもう1トライが生まれずに試合は24-24の引き分けで終わった。

ラインブレイクするSO仲山

試合が始まってすぐにラインアウトのオーバーボールに反応し、マイボールスクラムを獲得した早大C。フォワード陣を中心にじわじわと相手ディフェンスを押し下げ、特にLO惟村詠甫(基理3=神奈川・桐蔭中等教育)はボールを積極的にもらって前に出た。しかしパスミスでアタックが終了すると、その後のマイボールスクラムでもペナルティーを相手に与えてしまう。結果的にこの反則がきっかけとなり明大Cのボールを左右に振るアタックでトライラインまで迫られると、先制トライを許してしまった。

ここから流れに乗った明大Cはキックカウンターで自陣に食い込まれてもなお、ラック近くに溢れたボールを拾うと、ロングカウンターをお見舞い。最後は華麗なキックパスでボールをトライゾーンに沈めた。一刻も早く不穏な流れを断ち切りたい早大Cは相手のラインアウトミスを見逃さずボールを拾って蹴り返し、敵陣に侵入。全力のチャージで大チャンスかと思われたが、ノックオンオフサイドとなった。明大Cはすぐに切り替えるとパスを回し裏にボールを蹴り、敵陣ラインアウトを獲得。モールから持ち出して、早くも3トライ目を挙げて前半18分にスコアは0-17となった。

負けじと早大Cも敵のノータッチキックから素早いカウンターを見せ、その後もテンポ良く攻撃。ペナルティーを獲得するとモールでHO田中健心(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がそのままトライラインを割る。しかし直後のキックオフで早大Cはオブストラクションを犯すと、明大Cはモールで押し切り追加得点。モールで奪ったトライをすぐさまモールで返される形となった。

流れが変わる兆しを見せたのはCTB菊川迪(スポ2=兵庫・報徳学園)、田中健の力強いキャリーからであった。前半29分にはスクラムからSO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が抜け出すと、若林に繋ぎグラウンディングに成功。12点差を追う状況で前半を終えた。

ディフェンスにヒットするLO惟村

後半は大きくメンバーが変わる。後半最初の得点を挙げるため攻め続けるも上手くいかず、5分に獲得した敵陣ラインアウトからのモールも攻略されてしまった早大C。奪われたボールはキックされ、その後自陣に侵入を許す。再び始まろうとした明大Cの攻撃を防いだのは、FL狹間大介(スポ3=福岡)のスティール。このビッグプレーはチームを活気づけた。再びアタックの機会を獲得した早大Cは丁寧なハンズで外まで繋ぎ、No.8龍康之助(文構2=東京・早大学院)がトライ。SO池山昂佑(商3=東京・早実)がコンバージョンキックも決めて1トライ1ゴールで逆転可能に。

しかしその後はノットストレートから明大Cにボールを渡してしまい、なかなかチャンスが回って来ない。ようやく16分、パスミスからボールを奪って攻撃開始。龍のゲインもありトライライン目前まで前進した。最後は石原が得点を決めきる。コンバージョンキックは外してしまうも、なんとか24-24と同点に追いついた。明大Cは焦りからか勢いは減退し、後半18分ゴール前のラインアウトでノックフォワード。続く明大Cのアタックでも早大Cは気迫あふれるデイフェンスで押し返し、ノックフォワードを誘発して粘り勝ち。逆転に向けて勢いに乗る早大Cは若林の素早いランが目立つ。

27分、ペナルティーを獲得してゴール前ラインアウトはモールで勝負に挑む。しかしボールを相手に奪われて、明大Cに自陣脱出を許す。キックカウンターから再び攻めるも度重なる反則で時間を使わされてしまう。それでもラストチャンスが訪れる。相手ボールラインアウトからのオーバーボールを拾い、攻めるもノックフォワードで試合が終わった。後半にかけて追い上げた早大Cであったが明大Cに勝ち切ることは叶わなかった。

インゴールへ走るCTB若林

試合の前半と後半で大きく試合内容が変わった今試合。若林が「30分という短い試合時間の中で12点を追いかける展開だったので、ボールを持ち続けてアタックを継続しようとチームで話した」や、狹間が「前半は元気がなかったので、自分が後半から入って雰囲気から明大を上回っていけるようにすることが自分の役割だと思っていた」と振り返るように、多くの選手が強い気持ちで後半に挑んだ。その想いが試合序盤に点差を付けられた後、流れを再び持ってくることができた早大Cのアグレッシブなプレーを可能にしたのではないか。今試合で惜しくも届かなかった勝利だが、選手たちが見せた修正力は今後さらに磨かれていくに違いない。

記事:池田健晟 写真:村上結太(早稲田スポーツ新聞会)