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2025
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トレーニングマッチ 東海大学C戦/観戦記

関東大学ジュニア選手権に続き、東海大・湘南グラウンドにて早大Cと東海大Cとの一戦が行われた。40分×3本という特殊な形式で実施された今試合。開始早々に先制点を許した早大Cは、その後も勢いある東海大Cに押し込まれ、14-24とリードを許して1本目を終える。続く2本目は、早大らしい展開ラグビーが光った。数的優位を生かしてテンポよく攻め込んだ早大Cは、次々に得点を重ね、逆転に成功。42-36と6点差をつけて3本目へ突入した。勢いそのままに多彩なアタックで東海大Cを翻弄した早大C。ラスト40分でさらに3トライを追加し、最終スコア61-41で試合を締めくくった。

インゴールへ走るCTB森田

SO仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)のキックオフで幕を開けた1本目。先にチャンスをつかんだのは東海大Cだった。前半3分、早大Cがハイタックルの反則から、先制点を許してしまう。続く10分にもペナルティーを犯し、自陣22メートルラインまで攻め込まれた早大Cだったが、ラインアウトの二次攻撃をFL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)がスティール。ここで流れを引き寄せた早大Cは、再開のラインアウトからデザインされたアタックを仕掛け、CTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)がゴール中央へグラウンディング。仲山のコンバージョンも決まり、7-7と試合を振り出しに戻した。

22分、東海大Cのオフサイドから敵陣ゴール前でのラインアウトを得た早大C。SH平塚英一朗(法3=東京・早実)が素早く捌き、CTB藤井雄士(社2=北海道・札幌山の手)、森田へとパスをつなぐと、そのままインゴールを駆け抜け、森田が今試合2本目のトライを挙げた。
しかしその後は、勢いに乗る東海大Cのアタックに押され、早大Cは後手に回る展開に。立て続けにペナルティーを犯し、計3トライを奪われる。14-24と10点のビハインドで最初の40分を終えた。

ラックからバスするSH平塚

大きくメンバーを入れ変えて臨んだ2本目。東海大Cの勢いに押されていた1本目とは一転し、徐々に早大らしいテンポの良いアタックが見られるようになる。2分、マイボールスクラムからボールを受けたCTB菊川迪(スポ2=兵庫・報徳学園)がゲイン。丁寧にパスをつなぎ、大外のWTB早乙女遼(人3=東京・國學院久我山)へと展開するが、ハイタックルを受け、東海大Cにイエローカードが提示される。数的優位に立った早大Cは、7分、敵陣5メートル付近のラインアウトからモールを形成。BK陣へとボールをつなぐと、角度をつけて勢いよく走り込んだFB小野晏瑚(スポ1=徳島・城東)がゴール左へトライを決め、スコアを21-24とした。
ここで主導権を握りたい早大だったが、簡単には崩れないのが東海大C。その後は互いに得点を奪い合うシーソーゲームとなった。35-36で迎えた後半33分、自陣深くでの東海大Cボールラインアウトをスティールした早大Cは、すぐさまアタックへ転じる。内に切り返したパスを受けたWTB山下一吹(教4=東京・早実)がブレイクし、一気に敵陣へ。サポートに走っていたCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)がインゴールに飛び込んだ。SO池山昂佑(商3=東京・早実)が着実にゴールを沈め、スコアは42-36。早大Cはこの試合で初めて逆転に成功し、勝負の行方は最終の3本目へと託された。

ラインブレイクするWTB山下(一吹)

再び先発メンバーが出場した3本目は、両チームともにミスが続き、なかなかスコアは動かない展開に。そんな中、15分、早大Cはノットロールアウェイの反則から自陣ゴール前でラインアウトを許し、ピンチを迎える。しかし、FW陣を中心とした体を張ったディフェンスでなんとかこの窮地をしのいだ。20分には、下級生を中心としたメンバーに大きく入れ替えた早大C。フレッシュな選手たちが魅せ、試合は徐々に早大Cペースへ。23分、東海大Cのラインアウトミスを拾ったSH宮下羚(文構2=東京・早実)が大きくゲインし、LO松澤慶(スポ2=早稲田佐賀)がゴール中央へトライを挙げた。

続く35分には、相手スクラムからの展開を積極的なディフェンスでターンオーバー。CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)とCTB松本桂太(スポ1=神奈川・桐蔭学園)のパスワークで相手を翻弄し、最後はFB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)がインゴールへ。また、終了間際には、細田がブレイクし、左タッチラインを一気に駆け上がる。ディフェンスの裏に転がしたキックを宮下が拾い上げると、FWが体を当てて着実に前進。SO寺田結(スポ2=広島・尾道)のキックパスを受けたWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)がそのままトライを決め、ノーサイド。最終スコア61-41で早大Cが勝利を収めた。

ディフェンスに仕掛けるHO丸橋

「コリジョンと規律の部分で乱れてしまい、自分たちがやりたいラグビーができなかった」と森田が振り返るように、立ち上がりで苦戦し、1本目からリードを許す展開となった早大C。それでも120分という長い試合時間、そしてアウェーの環境でも早大らしいアタックを取り戻し、最終的には20点差をつけて勝利を収めたことは、選手たちの自信となるに違いない。まだまだ始まったばかりの秋シーズン。「一日でも早く上のチームの試合に出られるように」(寺田)、赤黒を目指す選手たちの挑戦は続く。

記事:安藤香穂 写真:大林祐太、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)