関東大学対抗戦開幕節、早大が北海道にて日体大に勝利した次の日に番狂わせは起こった。筑波大が対抗戦で12年振りに明大に勝利。ラストプレーで逆転に成功した劇的な一戦であった。続く第2節で筑波大は慶大とのクロスゲームを制し、2連勝を飾っている。来たる10月11日、早大は近年で最も勢いに乗っている筑波大と大和スポーツセンター競技場で相まみえる。ここまで危なげない試合運びで2連勝している早大だが、今試合はひと味もふた味も異なる一戦となるに違いない。対抗戦前半戦最大のヤマ場として内容にもこだわりたい今試合を注目選手とともに紹介する。

前節、早大はナイターの秩父宮ラグビー場で立教大と対戦。帝京大に敗れはしたものの、好ゲームを繰り広げた立教大に多少の苦戦を強いられるという予想もあったが、結果は早大の圧倒であった。FB矢崎由高(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が前半で早くもハットトリックを達成し、24-0とリードを広げて40分を終えると続く後半も早大のトライショー。途中出場の選手たちも得点を挙げ、持ち前の攻撃力を見せつけた早大が78-0で立教大を完封に抑えつつ勝利した。

筑波大戦で注目したいのはバックローの選手たちの熾烈な殴り合い。早大屈指の激戦区で信頼を得ているのはFL田中勇成(教4=東京・早実)、城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、No.8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の3名。3戦連続でスタメンを勝ち取り、早大を攻守にわたって支える仕事人たちだ。
特筆すべきは田中(勇成)。副将として、誰よりも早大の勝利のために身体を張り続けてきた。今試合も豊富な運動量と小柄な体格を生かした低く鋭いタックルで早大の守備を牽引してくれるに違いない。

一方の筑波大も茂木颯(筑波大)、中森真翔(筑波大)、大町尚生(筑波大)の3名は開幕節から背番号一桁を守り続けている。特に中森は190cmという大柄な体格を生かしたダイナミックなプレーが特徴。明大戦ではプレイヤーオブザマッチを獲得するなど、2年生ながら中心選手としてすでにその頭角を現している。早大は筑波大アタックを加速させないよう、田中(勇成)を中心とした組織ディフェンスで中森の突破を封じ込めたい。

また、BKではSH対決も見逃せない。スタメンは両チーム4年生、糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)と高橋佑太朗(筑波大)だ。両選手ともテンポの早さに加えて攻撃意識が高く、SHながら自らチャンスを生み出すアグレッシブさを持ち合わせている。アタックの要として常にディフェンスの隙を伺い続ける両者の存在は試合の緊張感を高め、締まった展開にしてくれることだろう。

波に乗った状態の筑波大から白星を奪い取ることは勝ち点以上の意味があるに違いない。対抗戦連覇に向けて内容にこだわり、『One Shot』でチャンスを確実に得点に結びつける今季の早大ラグビーを展開して欲しいところだ。対抗戦の今後の展開を占う前半戦最大のヤマ場は10月11日、大和スポーツセンター競技場にて16:00にキックオフする。
記事:村上結太 写真:安藤香穂、伊藤文音(早稲田スポーツ新聞会)