早大BCが筑波大と1点差の接戦を繰り広げた後に行われた早大Dと武蔵大の一戦は対照的なワンサイドゲームとなった。試合開始早々からロングゲインとトライを量産し、前半だけで7トライを挙げて勝負を決めた早大D。後半も手を緩めることなく追加点を挙げ続け、ついに100点に到達してノーサイド。武蔵大を寄せ付けることなく白星を挙げた。

武蔵大のキックオフで始まった試合はいきなり早大Dの攻撃力を見せつける展開に。LO惟村詠甫(基理3=神奈川・桐蔭中等教育)がファーストタッチで豪快なゲインを見せると、続いてSO寺田結(スポ2=広島・尾道)も巧みなランで一気にゴール前まで到達。2分、武蔵大の反則からラインアウトモールを形成すると、難なく先制点を挙げた。
続く5分には武蔵大ボールラインアウトをターンオーバーし、HO小笠原正義(商2=東京・早実)の軽快なランで敵陣に入りこんだ早大Dは素早いパスワークで大外まで展開し、最後はWTB馬場敦輝(スポ1=大阪桐蔭)がインゴールを駆け抜けた。10分にはまたもモールでトライすると、スコアは早くも17-0。
さらに15分、スクラムからの攻撃でCTB藤井雄士(社2=北海道・札幌山の手)がゲインラインを切ると、そのままの流れでPR鈴木一ノ心(法1=埼玉・川越東)も力強く前進。最後は左タッチライン際をCTB佐々木豪正(文3=東京・早実)が駆け抜けた。
23分、敵陣ゴール前でのラインアウトのチャンスを得た早大Dだったが、このボールは乱れる。しかし武蔵大を自陣にはりつけにした早大Dはボールを奪取すると馬場がこの日2本目のトライを挙げ、どんどんと点差を広げていく。
30分には寺田がインゴールに飛び込んだが、35分についに失点。ブラインドサイドの数的優位を突かれた。しかし早大DはCTB山口滉太郎(教1=東京・早実)を軸に攻撃を継続し、狭いサイドにSH日向寺堪大(文構1=福島・磐城)とSO古瀬莊(スポ1=静岡聖光学院)が仕掛けた。少ない手数でトライを奪い返し、前半は45-7で終えた。

前半で勝負を決めた早大Dだったが、後半も攻撃の手を緩めることはなかった。3分に武蔵大スクラムからのミスボールをインゴールに抑え込み、早くも後半の先制点を挙げる。
4分、再開のキックオフをキャッチしたLO松澤慶(スポ2=早稲田佐賀)がそのままラインブレイクすると、山口、WTB鈴木彪馬(スポ2=東京・國學院久我山)とパスを繋ぎ、一気にゴール前へ。しかしこのチャンスは反則を犯してしまい、得点に繋げることができない。一度は自陣に戻された早大DだったがWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)、FL小林商太郎(教1=東京・早大学院)の前進でまたも敵陣に入りこむと深い位置でマイボールラインアウトを獲得。鈴木(彪馬)がゲインすると、テンポの早い攻撃でPR蜂谷謙介(基理4=東京・早大学院)がゴール目前までレックドライブ。最後はSH中川空河(人1=福岡・修猷館)がインゴールにグラウンディングした。
10分には中川が連続得点を挙げ、13分には鈴木(彪馬)がトライ。スコアはこの時点で67-7。続く22分、24分も中川を起点にWTB後藤洸輝(スポ1=大分・玖珠美山)、WTB國田泰裕(法1=東京・早大学院)が得点を挙げる。ここからさらに3連続トライを追加した早大Dは100-7と圧倒的な差を見せつけて武蔵大を下した。

「どのエリアからでもアタックマインドを持ってボールを継続させてスコアまで繋げることができた」と前半からゲームメイクした寺田が振り返ったように、グラウンドのどこからでも積極的に攻撃を仕掛けた早大Dの姿勢がこの点差を生み出したことは間違いない。1年生が多く出場したこのゲームで早大らしい攻撃的な展開ラグビーを見せつけることができたのは大きな収穫だろう。『赤黒』への階段を一つずつ登っていく選手たちの今後の成長を見逃すな。
記事:村上結太 写真:大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)