関東大学対抗戦・前節で筑波大を撃破し未だ無敗の早大は今週末に青山学院大との一戦を迎える。勢いそのままに秋を駆け抜けるためには、後半戦最初のゲームでの白星は必須条件といえよう。

雨が降りしきる中行われた筑波大戦。明大に12年ぶりの勝利を収め、波に乗る筑波大との対決に多くの注目が集まった。『先手』というゲームテーマを掲げていた早大だが、立ち上がりからペナルティーを誘われ筑波大に先制点を許してしまう。ゲームを組み立て直したい早大は前半8分、ゴール前でのラインアウトで集中を切らさず、こぼれたボールをPR杉本安伊朗(スポ3=東京・國學院久我山)がグラウンディングに成功。さらにショットで3点を重ね、着実に筑波大との差を広げると20-3で試合を折り返した。
続く後半、またしても筑波大に後半初得点を許し、手に汗握る展開が続いたものの、早大はペースを崩さずにブレイクダウンでプレッシャーをかけ続ける。流れを掴みなおした早大は後半19分、ディフェンスの隙を突きLO新井瑛大(教3=大阪桐蔭)がインゴールを割った。反則を犯す場面も見られたものの、35分にはNo.8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園) がトライラインに勢いよく走り込み、会場を沸かせる。対抗戦全勝対決は早大に軍配が上がった。

青山学院大と対戦する今試合、早大で注目すべき選手はなんといってもFB植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)。スターティングメンバー入りを果たした植木は、力強いランとフィジカルを武器に、試合の流れを一変させることができる選手だ。ボールを持った瞬間から繰り広げられる植木のアタックは早大に勝利をもたらすに違いない。


さらには、杉本、HO清水健伸(スポ3=東京・國學院久我山)、PR前田麟太朗(スポ2=神奈川・桐蔭学園)らの1列にも期待が高まる。筑波大戦ではスクラムで圧倒し、ペナルティーを奪い優位に立つ場面が多く見られた。ゲームの流れを支配するといっても過言ではないスクラムで、青山学院大にプレッシャーを与えたいところだ。
そしてリザーブには対抗戦初出場となるLO久我真之介(文構2=東京・早実)が控える。粘り強いディフェンスとワークレートの高さに定評がある久我が、対抗戦デビューを華々しく飾る姿に注目だ。

青山学院大のキープレーヤーはCTB袖山遼平(青山学院大)。開幕戦からコンスタントにメンバー入りを果たしている。冷静なゲームコントロールと、左足から放たれる精度の高いキックが彼の持ち味。
さらに、FL八尋祥吾主将(青山学院大)のキャプテンシーにも注目が集まる。タレント軍団である東福岡高時代にも主将を務めた経験を持つ逸材だ。青山学院大は八尋を中心に結束し、総力戦で早大に挑んでくるに違いない。
対抗戦もとうとう折り返し地点を迎えた。『One Shot』の掛け声とともに、チーム一丸となって勢いを加速できるか。注目の青山学院大戦は夢の島競技場にて14時キックオフだ。無傷の優勝に向けて歩みを進める早大の雄姿から、目が離せない。
記事:伊藤文音 写真:清水浬央、大林祐太、髙野凌世(早稲田スポーツ新聞会)
