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One Shot

2025
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関東大学対抗戦 青山学院大学戦/観戦記

関東大学対抗戦全勝優勝が懸かる中、迎えたのは夢の島競技場での青山学院大との一戦。前半開始から接点の激しさが見られる試合展開の中、WTB山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)、WTB田中健想(社2=神奈川・桐蔭学園)が大外からまくる展開が続き39-7でファーストハーフを終える。後半も早大が先制点を挙げ、勢い止まらぬままにHO清水健伸(スポ3=東京・國學院久我山)がトライラインにボールをねじ込んだ。フレッシュな面々の活躍も光る中、試合終盤にダメ押しのモール成功。青山学院大戦は59-12で早大に軍配が上がった。

グラウンドを駆けるWTB山下

早大のキックオフから開幕した今試合。ファーストスクラムでは青山学院大にアーリーエンゲージを誘われ出鼻をくじかれる。フリーキックから陣地を広げられるものの、LO栗田文介(スポ4=愛知・千種)とFL田中勇成(教4=東京・早実)のダブルタックルでディフェンスを強固にする。勢いづいた早大は5分、相手ボールラインアウトからボールを獲得し、SO服部亮太(スポ2=佐賀工)のハイパントを山下が見事にキャッチし前進。再び服部へとボールが回ると、得意のキックではなく自らランで勝負しラインブレイクに成功。右に待ち構えていた田中(健想)にパスが放られ、インゴールにボールを置いた。先制点を獲得した早大は、敵陣で試合を優位に進める。

8分には、さらにランで左へと舵を切った服部から回ってきたボールを受けたLO新井瑛大(教3=大阪桐蔭)がビッグゲインに成功し、一気にゴール前に。ラックから左へと展開されたボールは服部、CTB野中健吾主将(スポ4=東海大大阪仰星)、田中(健想)へと渡り、インゴールにボールを置いた。その後服部が華麗なステップを切り、トライを決めてスコアは17-0に。

しかし、キックオフから青山学院大のペースに飲まれスクラムではアーリーエンゲージを犯し、さらにノットリリースザボールも許してしまう。自陣ゴール前ラインアウトのピンチに追い込まれ、善戦むなしく右に押し込まれてしまった。流れを変えたい早大は26分、キックオフ直後に栗田が粘り強いタックルをみせてボールを奪い取ると左右に展開し、清水が中央に飛び込んだ。このトライを皮切りに、早大の勢いはさらに加速。自陣相手ボールラインアウトからこぼれたボールをPR杉本安伊朗(スポ3=東京・國學院久我山)が奪い、マイボールスクラムへと持ち込むとNo.8粟飯原謙(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が単独で内側に切り込む。FB植木太一(人2=神奈川・関東学院六浦)から山下が大外から疾走し一気にゴール前に攻めあげるとノットロールアウェイを獲得。安定したスローイングからマイボールモールを形成し、清水がインゴールをこじ開ける。その後も着実にペナルティーゴールを決め3点を追加し、39-7で試合は折り返し地点を迎えた。

スペースに走りこむSO服部

続く3分、早大の勢いは止まらない。自陣マイボールスクラムからSH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)からボールを受けた服部が再びランを選択。順目のパスを山下がキャッチ。ステップで青山学院大を次々にかわし、右に切り込みゴール前マイボールラインアウトのチャンスを作る。着実にモールを形成し、清水がトライラインに飛び込みスコアは44-7。ハットトリックを達成した清水は、試合後「自分にもう一回自信を持ってやり遂げようという意識を持った」と語る。

10分には糸瀬、野中、CTB福島秀法(スポ4=福岡・修猷館)へと渡ったボールは大外に回ってきた植木の手の中に。得点を重ね、BKの連携プレーはまだまだ続いた。22分、粟飯原がラインブレイクしラインアウトへ持ち込みチャンスを作る。SH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)から放たれたボールは再び植木へと渡り、グラウンドを駆けた後に外へと放った。待ち受けていた田中(健想)がそのままトライしスコアは54-7となった。

33分にはFL久我真之介(文構2=東京・早実)が交代で入り、対抗戦初出場を果たし早大を活気づける。しかし青山学院大のプレッシャーからか早大がノックフォワードを犯すと、みるみるうちに自陣ゴール前へ。切り抜けたい早大だったが、またしてもペナルティーを犯し、危機から脱出することを許されない。粘り強くディフェンスを強固にした早大だったが、ボールはトライラインにねじ込まれた。1トライを追加した青山学院大に対し、早大は意地を見せつける。ロスタイムを活用し42分、ゴール前マイボールラインアウトからHO杉村利朗(社2=東福岡)がトライ。59-12で白星を飾り、対抗戦全勝は守られた。

ゴール中央にトライをするHO清水

キックだけでなくランで勝負できることを証明しプレーの幅広さを魅せた服部を筆頭に、各々が今後控える残り三試合を戦いきるために必要なスキルを確認できた試合となった。しかしながら、まだ課題は残る。規律の乱れや得点の精度はさらに上げていかなければならないだろう。

次なる相手は帝京大。『One Shot』の掛け声が響き渡る秩父宮ラグビー場で、歩みを進める早大フィフティーンを見逃すな。

記事:伊藤文音、写真:村上結太、安藤香穂、髙木颯人(早稲田スポーツ新聞会)