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2025
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ジュニア選手権 帝京大学戦/観戦記

関東大学対抗戦で早大が5点差で帝京大に敗れてから一週間。早くも帝京大へのリベンジのチャンスが巡ってきた。関東大学ジュニア選手権屈指の好カード、早大B対帝京大Bの一戦は百草グラウンドにて行われた。アグレッシブなアタックで帝京大Bのペナルティーを誘発し、モールを起点に先制に成功した早大B。しかし帝京大Bのフィジカルを活かしたアタックを断ち切ることができず、前半に3トライを許してしまう。後半も立ち上がりに2トライを奪われ、スコアは7-29。32分にようやく待望の後半初得点を挙げた早大Bだったが、反撃むなしく12-36でノーサイド。ジュニア選手権リーグフェーズ最終戦にて初黒星を喫した。

力強くゲインするFL野島

早大Bのキックオフから始まった今試合はFB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)のゲインを皮切りに帝京大Bのペナルティーを誘う。5分、早大Bはゴール前でのラインアウトモールを形成するとじりじりと前進。SH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)が持ち出してゴールライン目前まで迫ると、最後は黒川がラックから持ち出してグラウンディング。先制に成功した。
しかし、ここから早大Bは攻め込まれる展開が続く。自陣ゴール前でのピンチを何度も迎えたが、耐え忍ぶディフェンスで帝京大Bのノックフォワードを誘い、失点を防ぐ。しかし14分、早大Bボールのスクラムでコラプシングの反則を奪われると、その後のモールでインゴールを明け渡した。さらに21分、狭いサイドで数的優位を作られた早大Bは少ない手数で得点を奪われ、早い段階で逆転を許した。早大Bはボールを継続する意思を見せ、キックを蹴らずに前進を図る。帝京大Bのオフサイドを誘発するなど確実に陣地を広げつつあったが、ブレイクダウンで苦戦を強いられると徐々に自陣へと追いやられる。31分、長いフェーズを耐えた早大Bだったがついにインゴールを破られ、7-17と10点のリードを奪われた。反撃に転じたい早大BはHO杉村利朗(社2=東福岡)のスティールなどできっかけをつかみかけるが得点には繋がらず、前半の40分を終えた。

ディフェンスに仕掛けるCTB黒川

続く後半は帝京大Bにノーホイッスルトライを奪われ、立ち上がりに課題を残す。さらに3分、ハイパントキックの競り合いで帝京大Bにボールが収まると、オフロードパスを織り交ぜた勢いのあるアタックを止めきることができず、連続で失点。7-29と後半の初めに痛手を負った。しかし6分、SO田中大斗(教2=東京・早実)がディフェンスの裏に蹴ったボールを自ら再獲得すると、ライン際に待ち構えていたNo.8米倉翔(スポ3=福岡・修猷館)がゴール前まで接近。ここは惜しくも帝京大Bのスティールを許すが、依然敵陣でのプレーが続く。FL久我真之介(文構2=東京・早実)のスティールやCTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)の鋭いボールキャリーによるノットロールアウェイなど、帝京大Bから反則を奪いながらゴールに迫った早大B。しかし14分、ゴール前で組んだラインアウトモールで痛恨のオブストラクション。チャンスを得点に結びつけることができず、陣地を後退した。

苦しい展開の中でもLO萩原武大(スポ4=茨城・茗渓学園)のスティールでチームを鼓舞するなど、諦めない姿勢を貫き通した早大B選手の姿勢は印象的であった。しかしスクラムで圧倒的な優位に立たれた早大Bは21分に失点を許す。後半最初の得点が遠かった早大Bだが、26分のFL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)のスティールをきっかけに敵陣へと進入。31分には途中交代で入ったばかりのLO駒井良(スポ1=東海大大阪仰星)がラックのボールに絡むと、そこから得たラインアウトのアタックでボールを大きく動かした。最後はインゴール右隅に鈴木がトライし、スコアは12-36。勝利のために積極的なアタックを仕掛けたが、時間が足らずノーサイド。ここまで全勝で突き進んできたジュニア選手権で敗戦した。

鋭いランでタックラーを外すCTB金子

先週の敗戦を受け、選手たちは改めて『早稲田プライド』をテーマに臨んだ一戦であった。積極的なアタックで先制に成功し、ディフェンスでも長く耐え忍ぶ姿を見せつけた。しかし、結果は24点差での敗戦。「早稲田が優勝するためにはAチームだけではいけない」。高いワークレートで守備を牽引し、声でチームを鼓舞し続けた野島が試合後に振り返った。シーズンもいよいよ終盤戦。熾烈な『赤黒』争いがチームを『荒ぶる』に近づけるに違いない。

記事:村上結太 写真:安藤香穂、清水浬央(早稲田スポーツ新聞会)