先週のジュニア選手権帝京大戦で敗北したものの、関東大学ジュニア選手権の1位通過を決めた早大B。プレーオフ初戦では東海大Bと対戦した。「ドミネート」をテーマに掲げて臨んだ一戦で、早大Bは開始直後から鋭いプレッシャーで主導権を握る。前半の多くを敵陣で進め、12-7で折り返した。後半は互いにキックを蹴り合うタイトな展開で始まったが、次第に地力の差が表れる。早大Bの素早いテンポのアタックに東海大Bが後手に回り、攻勢を強めた早大Bが続けてスコア。最後は33-14でノーサイドを迎え、ジュニア選手権決勝へ駒を進めた。

試合はSO田中大斗(教2=東京・早実)のキックオフで始まった。序盤からFB島田隼成(スポ2=福岡・修猷館)のプレッシャーで相手の反則を誘い、直後のスクラムではFL野島信太郎(教3=東海大大阪仰星)の『One Shot』の声に呼応して部員席と観客席が一体となる。押し込んだスクラムでペナルティーを獲得し、抜群の立ち上がりを見せた。7分にはラインアウトモールからWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)が起点を作ると、CTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)が外側に開いてWTB佐々木豪正(文3=東京・早実)がゲイン。CTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)のロングパスから鈴木が鋭いステップでディフェンスをかわしてトライを奪う。田中(大斗)が右隅からの難しいゴールも決めて7-0と先制した。
15分には東海大Bの反則からゴール前に入り、ラインアウトモールを押し切ってHO杉村利朗(社2=東福岡)が追加点。中盤はこう着したが、野島の力強いキャリーやSH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)の豊富な運動量が光り、ピンチを救った。しかし前半終了間際、ミスをきっかけに東海大Bに継続されインゴールを叩き割られる。12-7で前半を終えた。

後半は早大Bが再び流れをつかむ。3分、田中(大斗)のハイパントキックをキャッチしたキャリアーに対し鈴木が鋭いタックルでターンオーバー。佐々木が起点を作り、川端からボールを受けた田中(大斗)が自らギャップを突いてグラウンディング。19-7とリードを広げた。
蹴り合いが続く時間帯も田中(大斗)と島田が短長のキックを織り交ぜながら主導権を維持した。13分にはゴール前でフェーズを重ね、杉村や金子が強烈なキャリー。最後はWTB西浦岳優(社2=東福岡)がゴールラインを駆け抜け、26-7。
33分には自陣から展開し、金子が長いキックで背後を突く。続くプレーではCTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)がチャージに成功し、そのボールを金子が拾ってそのままゴールラインに飛び込んだ。33-7と大きく突き放した。終盤こそペナルティーからモールで失点したが、試合全体の主導権は終始早大Bが握り続けた。

終始、試合を制した早大B。この日の早大Bで際立ったのが川端だ。テンポの速いアタックを生み出す巧みな球さばきに加え、ラックサイドの泥くさいプレーや、ディフェンスの隙への即応など、攻守で存在感を放った。また金子も攻守で身体を張り続け、最終学年としての意地を示す。「何としても『赤黒』の13番を着て『荒ぶる』を歌いたい」と語るように、その眼には確かな覚悟が宿っていた。ジュニア選手権優勝、そしてその先にある『赤黒』と『荒ぶる』へ。早大Bの挑戦は、ここからさらに熱を帯びていく。
記事:大林祐太 写真:安藤香穂、吉田さとみ(早稲田スポーツ新聞会)
