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2024
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対抗戦/帝京大学戦観戦記

やはり王者の壁は高かったーー。雲ひとつない青空の下、早大は関東大学対抗戦第5節、帝京大戦を迎えた。埼玉・熊谷ラグビー場には多くのファンが集い、両校の校歌斉唱から緊張感のある雰囲気が流れる。前半は開始早々にトライを献上するものの、自陣深くに攻め入る帝京大を次々と押さえつける早大。WTB槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)のキックチャージから生んだトライで得点を挙げるが、7-21で試合を折り返す。後半は果敢に攻め込む帝京大に主導権を握られ、4トライを献上。終盤の反撃も及ばず、17-49で帝京大に敗れた。

試合開始直後、勢いよく早大陣営に攻め込んだ帝京大に先制トライを献上。攻めては自陣に引き戻されることを繰り返し、しばらくは守勢が続いた。

そんな中、相手キックをCTB吉村紘(スポ4=東福岡)がチャージし果敢にアタックを仕留める場面や、フッカー佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が次々と相手を振り切り突破を図る。しかし、帝京大の前に出るディフェンスにより得点機を生み出すことができない。

前半25分には、素早い展開からフッカー江良颯(帝京大)の猛進を止めきれず、被トライ。だが35分、相手パスの乱れに反応したFB小泉怜史(文構4=東京・早実)が敵陣内にキックを放つ。そこから相手のキックをチャージした槇が、持ち前の俊足を生かした好走を見せ、インゴールでボールを押さえつけた。緊張が高まる会場で、吉村がキックを成功させ、早大に待望のトライが生まれる。

それでも終了間際には連続攻撃の末にインゴールを明け渡し、7-21と大きくリードを許して前半を折り返した。

スペースを見定めるWTB槇。前半早大初トライを挙げた。

後半も開始早々にモールトライを許し、相手優勢の試合運びとなる。互いに競り合う展開が繰り広げられ、迎えた後半21分、佐藤のタックルで相手のペナルティーを誘い、敵陣左5メートル付近で早大ボールスクラムを獲得。スクラム戦からNO8相良昌彦主将(社4=東京・早実)がボールを持ち出し、ラックからこぼれたボールを拾った吉村がスペースに切り込んでトライを挙げる。

42分には、SH宮尾昌典(スポ2=京都成章)のグラバーキックをものにしたCTB岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)がインゴールに飛び込んだ。追加点を得た早大であるが、ロスタイムには帝京大に本日7つ目のトライを許すと、勝利の望みを断ち切るノーサイドの笛が鳴り響いた。

ボールキャリーするCTB岡﨑。果敢にタックルを仕掛け攻守共に奮闘。

「自分たちの力が足りなかった」(相良主将)。特に際立ったのは、ラインアウトの精度だろう。フランカー村田陣悟(スポ3=京都成章)や相良主将のジャッカルでカバーできた部分があったものの、細部の修正が不可欠だ。しかし、自陣深くでの13フェーズに及んだ帝京大の猛攻を仕留めるなど、今試合を通して選手ひとりひとりが相手に立ち向かう集中力を切らすことはなかった。「気持ちを切り替えて上を目指していきたい」(佐藤)。無念の敗北となった今回の悔しさを、次節の早慶戦でいかに生かせるか。王座奪還に向かう早大の挑戦はまだまだ終わらない。

文=谷口花 写真=山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)