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2023 WASEDA FIRST/4年委員・寮長インタビュー

平素より早稲田大学ラグビー蹴球部に温かいご声援をいただきありがとうございます。

「WASEDA FIRST」のスローガンのもと、伊藤主将率いるこのメンバーで、大学日本一、そして荒ぶる獲得につながる日々を過ごして参ります。

インタビュー企画第3回は、4年委員・藤井将吾と村田陣悟、寮長・川﨑太雅へのインタビューとなります。

早稲田スポーツ新聞会の協力のもと、昨シーズンの悔しい敗北を経て、今シーズンに向けた意気込みを聞きました。ぜひご覧ください。

<4年委員・寮長インタビュー>

――昨シーズンのことについてお聞きしますが、昨年3年生になって心境の変化はありましたか。

藤井:僕は3年生で初めて赤黒を着て試合に出たので、今までにない責任感とか、伝統のあるジャージを着ることの重みを感じました。ただ、そのプレッシャーがすごく新鮮というか、新しい感覚のもとで試合に挑めたので、僕の中ではこれまでとは少し違う楽しい1年間でした。

村田:これまで1年、2年のシーズンは挑戦するメンタルで過ごしてきましたが、③年になってからは、4年生を勝たせたいという気持ちがより強くなりました。僕はシーズンが始まったら、心臓が口から出てきそうなくらい緊張してしまうのですが、そのシーズンがまた来たな、という感じで③年目に突入しました。でも、とにかく4年生を勝たせたいという気持ちが大きかったですね。

川﨑:昨シーズンは2番から1番にコンバートしたり、3番としても試合に出場する機会があったりして、シーズンの始めはあまり自分がうまくできていると感じませんでした。ですが、自分が大切にしたいプレーとか、誰でもできるようなプレーを絶対に自分からやるという気持ちとか、そういう変わらずに自分からやり切るメンタルを作っていけたのが、一番自分の力になったと思います。

――昨シーズンで印象に残っている試合を教えてください。

藤井:僕は大学選手権(全国大学選手権)の東洋大戦です。初めてスタートから出た試合だったのですが、大学選手権は負けたら終わりということで、やっぱり今までの試合の中で一番プレッシャーのかかる試合となりました。ただ、自分がやってきたことを100%出し切るという気持ちでいたので、うまくプレッシャーをバネにすることができました。個人的にも特にディフェンスのところでインパクトを残せたのかなと思っています。

村田:僕はふたつあります。ひとつは大学選手権の早明戦です。1年前も僕は早明戦に出ていて、その時に詰められなかった細かい部分をしっかりやり切ろうと1分1秒集中していました。その結果が勝利につながったと思います。もうひとつは決勝の帝京大戦です。ここまで差が出るのかと自分たちの弱さを痛感しましたし、4年では本当に頑張らないと、という気持ちがそこで芽生えました。

川﨑:ジュニア戦(関東大学ジュニア選手権)の早明戦です。早明戦って対抗戦(関東大学対抗戦)とか大学選手権とかではなくても、早稲田にとっては特別な試合です。そこでやっぱり試合に出る23人全員が絶対に勝つという気持ちで臨んだのが大きいなと思っていて。多分、あの試合はみんなとても緊張していたと思いますが、その中でも試合に出ていた15人がものすごく体を張って、絶対勝つという強い気持ちをプレーで体現できていたのが、印象に残っています。

――改めて決勝の帝京大戦をどう振り返りますか。

藤井:僕は後半の途中から出ました。点差も大きくついてしまっている状況で入ったのですが、やっぱり帝京の選手はどれだけ点差が開いても気持ちが切れていなかったというか、常に「まだいけるぞ」という声掛けがチーム内でありました。実際にグラウンドに入ってプレーしてみても(帝京大が)何か特別なことをしているわけではなくて、基礎の部分やフィジカルのところ、どこの大学でもできることを忠実に精度高くやってきているなと思いました。本当に隙がないというか、王者にふさわしいチームだったのかなと結果を受けてすごく感じました。

村田:僕が前半に出ていて思ったのは、自分たちがフィジカル的に非常に劣っているということでした。前半終わった時の体のしんどさが他の大学と対戦する時とレベルが全然違って…。ひとりひとりが強いうえに、結束力も強いので、本当に隙のないチームだと感じました。早稲田も、その部分をこれから詰めていければと思います。 

川﨑:大きく点差をつけられて試合が終わった時に、本当にこれくらいの実力の差があるんだなと感じました。スキルもフィジカルもレベルの高い15人が、誰にもできるプレーを誰よりも忠実にしているという部分で、そこに実力の差があるのかなと思いました。

――決勝を終え、次期主将が伊藤大祐(スポ4=神奈川・桐蔭学園)選手に決まった理由はなんだったのでしょうか。

藤井:決勝を終えて、帝京大学に絶対に勝つという目標がまずひとつできて、やっぱりチームとして何か変えないといけないという状況でした。そこで大祐のリーダーシップや、強気で挑み続ける部分をチームに取り入れたら、いい方向にシフトチェンジしてくれると思いました。大祐自身、高校で「日本一」を経験しているキャプテンなので、他の選手にはない経験というものを踏まえて、今まで積み重ねてきたものにプラスして、何か新しい早稲田のかたちを作ってほしいという期待が大きかったです。

――現在、主将としての伊藤選手の姿を見ていかがですか。

村田:キャプテンになった彼の覚悟をグラウンド内外で見させてもらっていて、すごく期待しています。

川﨑:キャプテンになった大祐を見て、「日本一」を獲るならこの人がキャプテンなのかなとすごく思います。

――委員、寮長になった経緯を教えてください。

藤井:僕は入部してから一番下のチームで始まって、いろんなカテゴリーを経験してきました。高校までも、そこまで強豪校でやってきたわけではありません。いろんなカテゴリーを経験してきたからこそ、委員としてチーム作りや運営において活かされることや、経験を伝えることができるということがあると思います。その役割を期待されて委員に選出されたと思っています。

村田:自分は3年間アカクロを着てプレーしてきた経験から、その年ごとに生まれる違いがわかります。早稲田のスタンダードを示す一員として委員に選ばれたと思います。

川﨑: 寮に入れる人数は限られており、選ばれた人たちだけが入っています。その中でルールを守る、私生活を律するというグラウンド内外で意識しなければいけない部分を、僕が同期の中で一番守れているという理由で選んでもらえたのかなと思います。

――選ばれた時に率直にどう思いましたか。

藤井:僕は早稲田のように人数の多いチームを経験したことがなく、そういったチームの運営に深く携われる役職は責任が大きいと思うので不安がありました。でも、それ以上に自分がどこまでやれるのかという期待のほうが大きいので、選ばれて率直にうれしかったです。

村田:責任感がある仕事ですし、自分のプレーの質を上げたり、リーダーシップの面で早稲田で必要とされる存在になったり、委員はチームにとって必要なパーツだと思います。率直に「自分がやらなくてはいけない」と思いました。

川﨑:昨シーズン決勝で負けて「何か変えなければいけない」「まずは寮からよりよくしていく」という中で、責任が重いと感じました。

――自分のどんな点を活かしてチームをよりよくしていきたいですか。

藤井:早稲田スタンダードというところで、まずはチームにとってできて当たり前のレベルを上げること。そして、いろんなカテゴリー、環境で経験したことをチーム全体に共有して、早稲田らしさを持った新しいチーム作りをしていけたらと思います。

村田:4年生、そして委員になって、自分のスタンダードを示せるようになるので、行動ひとつひとつが下級生や同期に認められるように、早稲田らしさとはこうあるべきだと行動で示していきたいと思います。

 川﨑:私生活の規律がグラウンドでのプレーすべてにつながるとは言い切れませんが、僕は寮長として掃除や挨拶、規律を守れるということがグラウンドでの強さにつながると思っているので、その部分を意識していきたいです。

――委員、寮長として具体的に新しく始めたことはありますか。

藤井:もともとグラウンドで声を出したり、声をかけたりするタイプではなかったのですが、委員になった以上、チーム全体のことを考え、個人として成長する必要があるので、チームの雰囲気をよくするために積極的に声出しをしていくと意識を変えました。

村田:フィットネスで一番早く走ったり、誰にも負けないという気持ちを下級生に示したりというのを頑張っています。

川﨑:自分から率先していろんな人とコミュニケーションを取るようにしているのと、グラウンドの外で下級生とすれ違った時に自分から声をかけて、学年関係なくチームをつなげることを意識しています。

――新チームがスタートしましたが、最上級生となっての感覚は。

藤井:今まで頼っていた立場が、頼られる立場になったり、責任感が強くなったりして、本当に大きく変わりました。学生スポーツは4年生が中心になるんだなというのを実感しましたね。まだチームが始まってそんなに経っていないですが、4年生次第でチームがよくも悪くも変わるなというのを感じます。

村田:「荒ぶる」に対する価値観が変わったなと思います。4年生が変わることによってチームも変わりますし、戦績も絶対変わると思います。「荒ぶる」に対する価値観が、4年生になって改めて変わりました。

川﨑:4年生という立場になり、去年まで頼っていた先輩たちがいなくなった中で、練習中から自分が一番にやる、ということを意識しています。練習に一番先に入ったりとか、自分の足りないところは自主練で補ったりとか、そういった小さいことを誰よりもコツコツやることを意識しています。

――個人としての強みや注目してほしいところは。

藤井:セットプレーの安定は、去年に引き続き強化しないといけないところです。また、今年は「早稲田スタンダード」をより意識しています。こぼれ球への反応やトライされるその瞬間まで走り切るとか、誰にでもできるところをより徹底していきたいです。そういう部分での信頼を勝ち取れたらいいかなと思うので、そこに注目してもらえたらなと思います。

村田:タックルとか、ジャッカルとか、そういうところが自分の強みなので今後も継続して活かしていければいいと思っています。藤井が言った「スタンダード』の部分はやっぱりリーダーとしての仕事です。リーダーという存在が最前線に立って早稲田の「スタンダード」を示していけば、チームもいい方向に向かうと思うので、プレー面はそこを意識してやっていければいいと思います。

川﨑:スクラムに対してのみんなの熱量は向上しているし、よくはなってきていると思うのですが、結局決勝ではスクラムで押されてしまったので、早稲田から仕掛けていけるくらいのスクラムを作りたいと思っています。そこは今年一番力を入れていきたいです。

――新チームの雰囲気は。

藤井:「早稲田スタンダード」の部分を4年生が率先して示せているので、雰囲気としてはすごくいいと思います。逆にこれを継続していかないと、チームとしていいところが落ちていく一方なので、持続できるかがチームの課題になると思います。今のこのいい雰囲気を本格的な練習や試合が始まった時に、いかに4年生が先頭に立って最後まで続けていけるかが重要です。

村田:先日行ったチームミーティングの際に、観察したり一度周りを見てしまうタイプの選手がチームの中にたくさんいることを知りました。そのままでは勝てないと思うので、みんながリーダーになれ、というわけではないですが、自分からどんどん行動してる人間が増えればいいなと思います。

川﨑:ふたりが言っていましたが、チームミーティング後の練習で、ひとりひとりの変化をとても感じました。それが練習面に出ているのでとてもいいなとは思っているのですが、シーズンを重ねてそういうところが薄れてしまった時に、チームが弱い方向にいってしまうと思います。この今の雰囲気をずっと意識していけるように、僕らから示し続けていかなければならないと思います。

――春シーズンへの意気込みをお願いします。

藤井:春シーズンのスタートがよくないと、そのあとの夏合宿、対抗戦に悪循環を引きずってしまうと思います。春シーズンでどれだけチームとしていい雰囲気を保ちつつ、結果にシビアに挑めるかというところで、個人としても、チームとしても、結果にこだわって春シーズンに挑んでいきたいと思います。

村田:大祐が言っていたのですが、5月7日の初戦でまずは絶対に勝たないといけないというのがチームの目標ですし、僕もそう思っています。早稲田は春に勝てなくて最後に調子が上がっていくという感じが強みでも弱みでもあるのですが、今年の早稲田は春から勝てていくようなチームでいたいと思うので、最初からベストを尽くして頑張っていきたいと思います。

川﨑:結果にこだわりながらも、ひとつひとつの試合で成長していかないと意味がないと思います。春シーズンはチャレンジする機会が多いので、そこでみんなでチャレンジして課題を発見しながら、成長していければいいのかなと思います。

――大学ラストシーズンどんな1年にしたいですか。

藤井:学生ラグビー最後ということで、責任感もある中で、プレーに対して消極的にならず、積極的に取り組みたいです。思いっきりラグビーを楽しめたらなと思います。

村田:ラグビーを楽しんで、後悔のない1年にできたらいいと思います。

川﨑:このメンバーでできるのは今年しかないので、4年同期のために全力を尽くしたいと思います。

――最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

藤井:昨シーズンは決勝まで行ったものの「荒ぶる」に届かず終わってしまいましたが、今年こそは絶対に「荒ぶる」を獲って、1年間やり切ったなと思えるようにします。コロナでファンの方々との交流が制限されていた中で、今年はそういう部分が少し緩和されると思うので、交流を深めつつ、みなさんに結果で恩返しできるように頑張ります!

村田:今年は去年と全然違うチームになると思うので、そこをファンの方々には見てほしいと思います。

川﨑:毎年たくさんの方が応援してくださる中で、コロナがだいぶ落ち着いてきて交流できる機会も増えると思います。結果というところで恩返しできたらいいなと思います。

文:早稲田スポーツ新聞会・ラグビー蹴球部広報チーム 写真:ラグビー蹴球部広報チーム

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