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2023

対筑波大戦・観戦記

対筑波大戦・観戦記

対抗戦第4戦の相手は筑波大。毎年接戦になるだけにワセダにとって気が抜けない一戦となった。この日はお隣り神宮球場の六大学野球、早慶戦に客を取られたのか、帝京大戦に比べてやや寂しい観客数だった。<HP委員疋>


帝京大を倒した2週間前の勢いそのままに早大は開始からボールを支配。4分にロック高森雅和(3年)、7分にはFB柳澤眞(3年)の見事な個人技でトライを奪いあっさり主導権を握る。その後ゴール前に迫られる場面が続いたが、もはやお約束となりつつあるフランカー羽生憲久(3年)の強烈なタックルでピンチ脱出。再び攻勢に転じ、19分にSO大田尾竜彦(2年)、22分にWTB山岡正典(2年)、26分にSH田原耕太郎(4年)が立て続けにトライを挙げ早々と勝負を決めた。
29分、33分と相手にゴール前での展開からトライを許すも、早大もすぐさまトライを返し38-14で前半を終えた。
後半に入ると前半の勢いにやや陰りが見え始め、3分にドロップアウトのミスを突かれトライを献上。その後も相手にペースを握られ、一瞬嫌な雰囲気に包まれた。しかしここでズルズルいかないところが今年のチームのいいところ。粘り強いディフェンスで相手の攻撃を防ぐと、勢いを取り戻し4トライ。最後はリザーブも全員出場させる余裕も見せ、62-19と大勝した。
試合後選手たちは「苦しかった」という言葉を連発。ボール支配率で大きく上回っていただけに、「もっとやれた。今日は全然ダメ」というのが本心のようだった。対抗戦もこれでちょうど半分が終了。今後は相手がワセダの攻め方に対応してきた時にどう崩していくかがポイントとなりそうだ。

<山岡が魅せた!>
この日観客を大いに沸かせたのが、WTB山岡。自陣、敵陣関係なく鋭いステップで幾度となくゲインラインを突破。さらには得意の粘り腰で相手を振りトライを奪うなど大活躍だった。圧巻は後半23分に見せたプレー。CTB山下大悟(3年)からパスを受けると、巧みなステップを披露。止めにきた相手2人をおもしろいように振り回し一気にゴール前へ。自らトライというわけにはいかなかったものの、これが味方のトライにつながりチームメイト、そして観客から大きな喝采を浴びた。
この大活躍にも「今日はアタックとディフェンス足してマイナス1くらい。またたくさん練習しないと上では通用しない」といたって謙虚。この向上心がある限り山岡は今後も成長し続けるに違いない。

<清宮監督試合後のコメント>
「アタックは見ているともっと抜けるところがたくさんあるんだけれどもまあ、こんなものだろう。(3トライ取られたが)ディフェンスは何の問題もない。相手だって一生懸命やっているのだし、今のルールだったらちょっとは取られる。帝京戦の後、一皮むけたと思うよ。チームは順調にきてるかな。まだ俺がお前等に教えることは何もないという段階ではないけど(笑)。これからもっともっと強くなるよ」

<左京主将試合後のコメント>
「今日の試合については詳しくはビデオを見てみないと分からないけれど、ある程度相手が対応してきた時にこそやるべきことが試されると思う。今日はあまり自分たちのやりたいことができなかった。今までやった相手のなかで一番対応してきたチームだった。まあ自分たちがよくなかったと言えますけど。やっぱり精度ですね。ディフェンスは1本目のトライとかは止められたかなと。ちょっと見てしまって、体が動かなかった。帝京に勝って、気の緩みが出るだろうと思っていたから、委員のみんなで話し合ってそうならないようにしようとしてきた。今日の試合は満足できないですね。僕たちは優勝するまでは満足しませんよ」

<大活躍の山岡>
「今日の試合はきつかった。後半に足がつった時は少しめげた。でももう交代する選手がいなかったので最後までがんばった。足がつってしまったのは体調管理ができていないから。細かいミスはあったけれど個人的にはアタックはいい感じでできたと思う。ただディフェンスで外を抜かれたりしてしまったので、そこが反省点です。これからもここまでスタメンで出ているという自信より課題をもってやっていきたい。自分はできることを精一杯やるだけです」

<羽生とともに抜群の仕事量をこなしたフランカー川上力也(2年)>
「今日はミスが多かった。さぼっていたわけではないけれども、もっとフィットネスを上げなければ。自分では納得するところは少なかった。タックルはまだまだ。周りはそう言うけれど自分ではよく分からない。次に聞かれた時にタックルが得意だと自信を持って言えるようになりたい。ケガなく試合に出続けられるようにがんばりたい」

<対抗戦初スタメンのプロップ大江菊臣(3年)>
「初スタメンというのは特別意識しなかった。スクラムをもう少し押したかった。フィールドプレーはよくも悪くもなかった。チームとしては厳しい試合だった。自分はスクラムとサイドディフェンスに自信があるので、そこをウリにして1番定着を目指します」

<復帰2戦目のフッカー阿部一樹(4年)>
「今日はスクラムもラインアウトも不満足。ラインアウトでは何本かミスしてしまったし、スクラムでもみんなを引っ張り切れなかった。ケガから復帰して少しづつ感覚はよくなってきている。もう少し走れるようにならないと。(中村とのポジション争いについて)周りにも言われるし、意識しますよ。自分も最後の年なので負けないようにしたい。劣っている部分を補ってあとはやるだけ。優勝に貢献したい」