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2024

対慶大戦(Jr選手権)・観戦記

対慶大戦(Jr選手権)・観戦記

この日はついにジュニア選手権最終戦。先日の早慶戦完勝の余韻の残る秩父宮ラグビー場にて再び慶大と対戦した。試合開始はいつもよりかなり早めの10:30。何ともさわやかな陽気のなか試合は始まった。<HP委員疋>


「必勝」「ワセダのバックローが最強だということを証明してくれ」。この日もロッカールームに部員全員の寄せ書きが張り出された。これは23日の早慶戦に向けて作られたもの。この日もみんなで戦おうとの思いからジュニアチーム主将室井がロッカールームに持ちこんだ。もちろんこれでチームはひとつ。ジュニアと言えど早慶戦には変わりなく、選手たちは気合十分でグラウンドに飛び出した。
先制したのはワセダ。19分、SO安藤栄治(1年)のパスを受けたCTB内藤晴児(2年)が大きくゲインしWTB加藤かい(2年)にラストパス。ボールを受けた加藤が相手デイフェンスを見事に振り切りトライを挙げた。この後セットプレーが安定せず攻めあぐねたものの、35分にSO安藤の3人飛ばしのパスを受け、再びWTB加藤がトライ。先日の早慶戦の勢いそのままに、優位に試合を進めた。しかしこのまま終わるかに思われたロスタイムにマイボールスクラムを奪われトライを献上。終了間際の失点という最悪の形で前半を終えた。
後半に入ると試合は一気に慶大ペース。アタックに精彩を欠き、ボールを奪ってもなかなか敵陣に入ることができず苦しい展開となってしまう。ここで追い討ちをかけるかの様に思わぬアクシデントがチームを襲う。14分に右プロップ児島健太郎(3年)がケガで退場。すでにプロップのリザーブ諏訪部智及(4年)も出場していたため、フッカー寺山卓志(1年)が3番を務める緊急事態。さらには21分にNO・8紀昌宏(2年)がハイタックルによるシンビンで一時退場。プロップを欠いた上に14人となり、まさに窮地に追いこまれる。案の定スクラムでの劣勢は否めず、24分にはゴール前のFW戦でトライを許し同点とされてしまう。
この後ワセダも何度か敵陣に攻めこむが、やはりスクラムでは相手にボールを奪われチャンスを生かすことができない。終了間際には再びゴール前で釘付け状態。いつ逆転されてもおかしくないほど攻めこまれてしまう。しかしワセダもここで宿敵・慶大に対する意地を見せ必死に応戦。根性で相手に得点を与えず何とか引き分けに持ち込んだ。
この日はシニアのように慶大を圧倒することはできなかったが、1勝1敗1分けでジュニア選手権準優勝。春先の状態や1年生がチームの大半を占めていたことを考えると価値ある準優勝と言えるだろう。

<清宮監督試合後のコメント>
「スクラムからのアタックが機能しないとこうなるってことだね。今日はしょうがない。(かなり攻めこまれたが)相手も攻め手がないから。今日は互いに攻め手がなかったということで。ジュニア選手権でチーム全体としての底上げはできたと思う。ジュニアはジュニアでよくがんばった。春から比べたら格段に進歩した。特に成長したと思う選手は内藤兄弟かな」

<ジュニアチームチャプテンとしてチームを引っ張ってきたフランカー室井鉄平(4年)>
「今日の試合はやるだけのことはやった。1人少なくなった時はいつも以上に集中して気持ちを上げるように意識した。いいディフェンスができたと思う。準優勝はがんばってきた結果ではあるけれどやっぱり悔しい。基本スキルの精度をもっとあげないといけないと思う」

<後半14分から急遽3番を務めたフッカー寺山>
「プロップは練習でもやったことがなかったけれど、もうやるしかない、やってやると思った。かなり大変だった。セットが安定せずにディフェンスで受けてしまった。攻めのパターンもうまくできなかった。こっちの人数が減ってしまった。もっと練習しなければと思った。自分としてはまだまだセットが課題なので中村(4年、フッカー)さんのように信頼されるようにがんばっていきたい」

<後藤、遠藤がU19日本代表戦にフル出場>
ジュニア選手権の後に行われたU19日本代表対オーストラリア高校代表の試合にSH後籐翔太、WTB遠藤隆明(ともに1年)が出場。桜のジャージーを身にまとうふたりに先輩、そして同期の1年生から熱い視線が注がれた。遠藤は試合前からガチガチでかなりの緊張モード。何度かいい形でボールを受けたが見せ場を作ることはできなかった。一方の後藤は試合前から余裕?の表情。素早い動きでゲインラインを突破するなどチームを引っ張った。「強さや速さはもちろんだけど、ストライドの大きさに驚いた」とは試合後の後藤。圧倒的な力の差を見せつけられての完敗だったが、ふたりにとっていい経験になったようだ。