2001/12/10
早大1年対関東学院大1年戦・観戦記
「こいつらすげえ」「1年生ステキ」。1年チームがスタンドで見守る先輩たちも驚くほどの強さを見せつけた。
口火を切ったのはもはや風格すら漂い始めたNO8内橋徹。先制されて迎えた前半20分、ゴール前スクラムからサイドを突くとゴールに向かって一直線。相手を振りほどく力強さとスピード、これぞ8単と言うべき見事な突進でインゴールに飛びこんだ。これで勢いに乗ると、27分にはFB内藤慎平が40m独走トライ。先輩たちも感心するほどの強力なアタックで完全に試合を支配し、勝利への自信が確信へと変わった。そしてこの直後のプレーがこの日のハイライト。相手キックオフを確保するとそこから内橋が鬼の形相で激走。タックルに来る相手をこれでもかとばかりに吹き飛ばし何とそのままトライを挙げた。ひとりで60mを走り切ったこのスーパープレーに先輩たちも大はしゃぎ。この後さらに1トライを加え、33-12と大きくリードして前半を折り返した。
後半に入ってもワセダの勢いは増すばかり。5分の内藤の40m独走トライを皮切りに怒涛のトライラッシュが始まった。WTB遠藤隆明、SH後藤翔太のU19日本代表コンビに期待の大型ロック桑江崇行。5分に1本のペースでトライを量産する姿はまさに圧巻だった。後半のトライの起点はそのほとんどがターンオーバーからのもの。フランカー古島直、この日はCTBに入った菊池和気が強烈なタックルを連発し、おもしろいように相手からボールを奪い取った。さらに忘れてはならないのはフッカー寺山卓志、フランカー鈴木博幸の体を張った仕事ぶり。イーブンボールへの働きかけや密集内など目立たないところでチームを支えた。そして後半のトライラッシュに華を添えたのがFB中崎宏のプレースキック。花園を席巻したそのキック力は今尚健在。サッカーブラジル代表・ロベルトカルロスそっくりの助走から繰り出される見事な弾丸キックで難しい角度からのゴールもいとも簡単に決めて見せた。
計13トライを奪っての大勝利(87-17)。今後3年間ライバルとして戦っていくことになるであろう相手からの勝利に1年生は相当な手応えをつかんだようだ。春から着実に成長を遂げる1年生たち。チーム一丸となりひたむきにプレーするその姿にワセダの明るい未来を感じずにはいられない。
<ついに関東学院大との戦いで勝利を収めた清宮監督>
「この時期に快く試合を引き受けてくれた関東学院には感謝しないと。大学ナンバーワンチームの関東と試合をすることは上達する一番の近道だから。いい刺激にもなるし、グラウンドも立派だし、レベルアップにつながる。関東とやることはモチベーションになってチームに活気が出る。今日の1年生はみんな楽しそうにやっていたしよかった。これまで教えてきたことを吸収している。これから先が楽しみだね」
<ゲームキャプテンを務めた後藤>
「相手が関東学院ということは意識した。2人目、3人目の働きかけが早くてさすが関東だなと思った。点数は取れたけれど、アタックは厳しかった。攻め疲れというかスイ―プできなかったりした場面があったのでその点は反省です。80点も取ったという感じはしないです。今日は1年生だけで楽しかった。勝ちたかったし、燃えましたよ。ひとつになれたと思います。桑江や内橋、古島を見ても分かるようにひとりひとりが強くなっている。成長はしたと思います。大勝したという実感はないです。さすが関東と思いながらやっていた。今日勝ったからといって別に…。これから楽しみです」
<もはや1年生とは思えない動きを見せた内橋>
「関東という意識は特になかった。1年生チームでやるのはおもしろいです。試合も気持ち良くできた。前はひとりひとりボロがでていたけれど、今はうまくなっていると思います。4年間の敵だから今日叩けてよかった。自分のプレーもよかったと思います。これからはタックルをがんばっていきたい」
<1年生には負けられない!Bチームも勝利!>
1年生には負けられない!1年生の快勝劇をアップしながら横目で見ていたBチームも負けじと勝利を収めた。この試合は来るべき大学選手権へ向けての絶好のアピールチャンスということもあり、それぞれに高いモチベーションが感じられた。動きに冴えを見せたのがFB豊田大生(3年)。堅実なキック処理にタイミングのいいライン参加で幾度となく好機を演出。前半22分には相手を引き離すトライも挙げた。試合の方はトライこそ4つ(前半3つ、後半1つ)奪われたものの、終始ゲームを支配。SO古庄史和(3年)の味方を生かす好プレーも随所に飛び出し6トライを挙げ完勝した。
1年生チームと合わせ、大学王者・関東学院大から1日で2勝を挙げる会心の1日。シーズンインからの勢いをそのまま継続させている『荒ぶるワセダ』。最大目標・関東学院大からの3つめの勝利はもちろん…。大学選手権決勝です!
<最後の選手権でレギュラー取りを目指すフッカー阿部一樹>
「今日は勝たなければダメだと言ってきた。そのためにみんなでいつもより気持ちを入れた。1年生の試合は横目で見ていた。あれが僕たちのやるべきラグビー。今日はセレクションのつもりでやった。自分の課題であるセットプレーはよくできたと思う。フィールドプレーではリムーブを心掛けた。何もやらないでいい思いはできない。やれることやってピッチに立ちたい。試合に出ていないとやっぱり心からは喜べない。1発がんばります」 |
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